「トリマーになるにはどうすればいい?」「どんな資格があるの?」「就職するためには、専門学校とスクールはどっちがいいの?」と疑問に思っていませんか?
本記事では、トリマーの養成をしているTCA東京ECO動物海洋専門学校が、その仕事内容や給料などを紹介していきます。
「トリマーの仕事に興味がある」「将来はトリマーになりたい」と考えている人は、ぜひ参考にしてください。
記事の概要
トリマーとは
トリマーとは、ペットサロンやペットショップなどで、犬や猫の毛や爪のカット、マッサージやブラッシングを行う職業のことです。トリマーは「整える」という意味を持つ言葉の「トリミング(trimming)」が語源となっています。「ペットの美容師」と思ってもらえれば、わかりやすいです。
トリミングは、シャンプーやブラッシング、毛や爪のカット、耳掃除など体全体の手入れをする「グルーミング(grooming)」のなかの技法の1つです。そのため、トリマーは「グルーマー」と呼ばれることもあります。
飼い主さんの要望によっては、カラーをしたりユニークなスタイルにしたりと、ペットを可愛らしくアレンジすることもあります。
トリマーの仕事内容は?きつい?大変?
トリマーの仕事はペットの爪切りや耳掃除、シャンプー、カットなどです。毎日仕事をしていると、ときにはきついと感じることもあるでしょう。
仕事をするうえで気になるのは、次のとおりです。
- トリマーの仕事の流れ
- トリマーは激務なのか?休日はあるのか?
仕事の流れが想像しやすいように、実際の画像を用いて一つずつ解説していきます。
トリマーのお仕事の流れ
ここでは、お客さまがお店にペットを預けに来てから、お返しするまでの仕事の流れを追ってみましょう。
【受付・コース確認】
お店がオープンし、お客さまがペットを連れて来店して来たら、受付やコースの確認をおこないます。
【シャンプー・リンス】
カットする前にシャンプーやリンスをして、全身を綺麗にしていきます。皮膚トラブルの原因になるため、シャンプーはしっかり洗い流すことが大切です。
【タオルドライ・ドライヤー】
タオルで、水分をよく拭き取ります。水分をよく拭き取ったあとは、ドライヤーをかけながらブラッシングして毛を乾かしていき、最後は冷風で冷ましていきます。
半乾きのままにしておくと毛玉ができる原因になるため、しっかり乾かすことが大切です。
【耳の毛抜き】
トリミングをする際、耳の穴の周りの毛を抜く作業も一緒におこないます。耳毛を抜く理由は、毛で耳の穴が見えない状態のままにしておくと、耳の中が蒸れて汚れがたまったり、荒れたりしてしまうからです。
初めておこなう場合は、ペットに負担がかかります。イヤーパウダーや指、鉗子などを使用して、手早く耳毛を抜いていきましょう。
【爪切り・ヤスリかけ】
次は足の爪を切り、ひっかかったり爪が折れたりしないようにヤスリをかけていきます。ペットの体を脇に挟んで固定し、爪切りしているところが見えないようにすると怖がったり緊張したりするのを軽減できるため、爪切りがしやすくなります。
【肉球の毛のカット】
続いて肉球の毛をハサミやバリカンを使って、ペットを傷つけないよう慎重にカットしていきます。肉球の周りに毛があると室内で滑ってしまう危険があるため、怪我をしないように綺麗に整えてあげましょう。
【全身カット】
カットは口の下の毛を持って目元から始めていきます。お客さまの要望に合わせたスタイルになるよう、目元や顔、胴体、おしりの毛をカットしていきましょう。
顔周りのカットを怖がる子やカットに慣れていない子は、刃が小さいバリカンのほうが不安を最小限に抑えてあげられます。音が小さいバリカンもあるため、音が怖い子でも安心です。
カットしている間、じっとしている子ばかりではありません。シャンプー後は疲れて座ったり寝そべったり、動いたりする子もいます。
いろいろな行動をするペットをあやしつつ、ときにはマッサージやスキンシップをして気分を落ち着かせながら、ハサミやバリカンで傷つけないように慎重にカットしていきます。そのため、トリマーはトリミングの技術だけでなく動物の接し方の知識も必要です。
トリミングのカット前後を比較すると、以下の画像のようになります。
カット前
カットする前は、全体的にふさふさの毛に覆われています。
カット後
トリミング後は長かった毛が短くなりすっきりしました。ペットの大きさや工程により1時間~3時間ほどかかります。
お客さまがカラーを希望する場合は、シャンプー・カット前にカラー剤や手袋を使用して色を染めていきます。部分染めをする場合は、カラー剤が付かないようにラップやアルミホイルを使って、他の部分の毛を保護しながら慎重に染めていきましょう。
お客さまによってスタイルやカラーなど希望する内容が異なるため、クリエイティブな仕事ができます。ペットはそれぞれ性格が違ったり個性があったりするため、1頭ごとに変化を楽しめて飽きることがありません。
なお、トリミングには「シャンプーのみのトリミング」や「シャンプーとカットを含むトリミング」「カラーも含むトリミング」があります。お客さまの要望に合わせて対応できるよう、技術を磨いておくといいでしょう。トリミングはハサミやバリカンを使うため、自分だけでなく動物にも怪我をさせないように集中して作業を進めていくことが大切です。
【ペットのお渡し・会計】
ペットのトリミングが全て終了したら、お客さまにペットをお渡しし、会計をして終了です。
最近では、カットが終わった後にペットを撮影し、データを提供するお店も増えています。
なお、トリミングは上記でも述べたように次の内容をおこないます。
- カットのヒアリング
- ブラッシング
- シャンプー・リンス
- ドライヤーによる乾燥
- 爪切り・耳掃除
- カッティング
- マッサージ
- 肌の状態のチェック
- カッティング後の撮影
トリマーはお客さまのペットのトリミングだけでなくお店にいる動物のケアもできるため、動物好きな人には魅力的な仕事です。ペットの気持ち良さそうな顔も見られるのも心が癒され、日々楽しく過ごせます。
トリマーは激務?休日はある?
トリマーの勤務体系は、シフト制が一般的です。ペットショップやペットサロン、動物病院などの営業時間に合わせて早番と遅番のシフトが組まれています。1日の勤務時間は8時間のため、一般的な仕事と変わりありません。
しかし、夏の暑さが気になり出す前や年末年始の長期休暇などは、残業時間が増えやすいです。なぜなら、暑さ対策のために毛のカットを希望するお客さまが増えるため、営業時間を延ばしたり、予約数を増やしたりして繁忙期を乗り越える必要があるからです。
忙しいとはいえ、休日はきちんとあります。お店が繁盛する土曜日や日曜日に出勤して、代わりに平日を休日にするのが一般的です。また、長期休暇に関しては、トリミングサロンや動物病院などは年末年始や夏季休暇を取得できる職場もあります。
しかし、ペットショップやペットホテルなどペットを預かる店舗の場合は、年末年始や夏季休暇に利用者が増えるため、長期休暇は取りづらい傾向があることを覚えておくといいでしょう。ただし、年末年始や夏季休暇以外の期間で長期休暇を取れる場合もあります。
トリマーになるには?
即戦力のトリマーになるためにはどうすればいいのでしょうか?方法を解説していきます。
専門学校がよりよい
「トリマーになりたい!」と思っているなら、専門学校に通うのが一般的です。トリマーはペットの毛をカットしたり、マッサージしたりするスキルが必要です。本やインターネット上の情報だけで目指す仕事としては、非常に難易度が高くなります。
その点、専門学校であれば、授業や実習を通じて先生から必要なスキルを教えてもらえるため、上達が早いのが特徴です。また、専門学校なら過去にトリマーを多く輩出しているため、就職に関するアドバイスももらうことができます。同じ道を目指す友達と知り合えるのも、専門学校の特徴です。
数ある専門学校の中でも、TCA東京ECO動物海洋専門学校のペットトリマー&ヘルスケア専攻では、現役のプロが講師陣を務めているため、現場の即戦力になる専門知識や技術を習得できます。病院で働くトリマーの先生からは、ペットに合わせたお手入れしやすいトリミング技術や肌悩みなど、それぞれの子の体質に合わせたグルーミングやトリミングを学べます。
さらに、本校は、3年間を通してトリミング技術以外についても学ぶことができます。ペットが、より元気に健康でいてもらうために、トレーニング演習や、動物看護についても学ぶことで、見た目だけでなく、体の中からも健康と美を追求できるトリマーをめざします。
同じスキルを持つ仕事でも働く現場が異なるプロの講師陣から授業を受けられる本校だからこそ、より多くの知識や技術の吸収が可能です。他にも、授業の一環として企業や施設からの案件を、プロとともに現場で体験できる「企業プロジェクト」をおこなっています。そして在学中にお店に行って実際に実習や研修を受け、より高い技術を学ぶことができるインターンシップも本校では企業との繋がりが強いからこそ積極的に行っております。即戦力になる人材を育成するために、トリミングの技術を競う全国トリミングコンテストも業界と協力して実施しています。
3年間かけて必要なノウハウを学び、お客さまのオーダーに合わせてカットする技術をトリミング講習で身につけられるなど、本校ではより多くのことが習得可能です。他にも、トリミング理論、動物の体のしくみ、ビジネスマナーなど専門学校ならではの豊富な実技と実習を学べるため、卒業後は即戦力として働けます。
その他の方法
スクールの場合は、数ヵ月から半年ほどの短期間でトリミング技術が学べます。日中仕事をしている人は夜間コースやフリータイムコースのスクールを検討してみるのもいいでしょう。
ただし、卒業しても学歴にはならないため、素早く技術だけ身につけたい人や仕事をしながら身につけたい人におすすめです。通信講座は、テキストや動画で学んでいきます。転職のためにトリマーの勉強をしたい人が、日中の仕事が終わってから受講する場合が多いです。
ぬいぐるみを使用してカットの練習をすることが多い通信講座ですが、実習のみ通学して学べる講座もあります。通信講座だけで実技を習得するのは難しく、また、実習のみ通学して学ぶ場合は別料金が発生するため注意が必要です。
海外留学をしてトリマーの資格を短期間で取得する方法もあります。数ヵ月~半年ほどで独り立ちできる技術を身につけられるよう、集中的に勉強できる環境が整えられています。留学先としては、オーストラリア、アメリカなどが一般的です。学校によっては留学先のトリマーライセンスを取得することもできます。
専門的な技術を学びに行く海外留学は、専門用語を理解する語学力が必須です。たとえば、トリミングの技術を学ぶ学校に留学できるマルマルグルーミングスクールでは、3ヵ月~半年でプロとしてやっていけるようトレーニングをします。料金は初心者コースで6,250AUD+消費税625AUD(約93万円)、経験者コースで3,125AUD+消費税312.50AUD(約47万円)です。1ヵ月10万〜20万円の生活費や渡航費を含めると、半年で170万~220万円ほど費用がかかると予想されます。
日本より物価が高いオーストラリアやアメリカで資格を取得する場合は、語学と学費・生活費の工面が必要になるため、ご自身の状況に合わせて留学先を検討しましょう。
トリマーになるために資格は必要?
「トリマーは資格が必要?」「資格は役に立つ?」など、疑問に感じていませんか。
トリマーの資格について覚えておきたいのは、以下の5つです。
- トリマーの資格は必須ではない
- トリマーの資格には種類がある
- 初心者向けのトリマー資格
- プロのペットトリマーを目指すのに役立つ資格
- 飼っているペットのケアに役立つ資格
順番に解説していきます。
トリマーの資格は必須ではない
トリマーになるための資格は必須ではありません。しかし、初めて就職・転職する場合は、有資格者や資格に匹敵する専門知識や技術を身につけている人のほうが有利といえます。
動物を専門に扱うTCA東京ECO動物海洋専門学校では、トリマーの資格は必須としていません。なぜなら、テディベアカットやマッシュカットなど、サロンで流行っていたりお客さまに求められていたりする人気のあるカットを、現役のプロから実践をとおして学べるからです。
授業は地域の飼い主さんの愛犬をお預かりするオーナー犬制度を取り入れているため、長毛や短毛などさまざまな犬種のカットを身につけられるのも本校ならではです。トリミングをおこなう際は、音を怖がったり顔周りにハサミが来るのを怖がったりする子の不安を最小限に抑えられるよう、音や刃が小さな複数のバリカンを使用し、プロのトリマーの先生指導の下に実習をおこなっています。
人間用より小さな刃を使用しているバリカンは愛犬の皮膚を傷つけずカットできるため、ハサミより安全です。やわらかな毛質や短時間でカットするのにも向いているため、本校ではハサミだけでなくバリカンを使った実践も積極的に採り入れています。
トリマーとして活躍するためには、専門的な知識や技術が必要です。資格は必須ではありませんが、就職後の即戦力になるには資格に見合う専門知識や技術の習得が必要になることを覚えておきましょう。
トリマーの資格には種類がある
参考までに、トリマーの資格の種類をいくつか紹介しておきます。
- ジャパンケネルクラブ:JKC公認トリマー
- 全国動物専門学校協会:AAV認定トリマー検定
- 全日本愛犬技術者指導協会:JDA公認トリマー
- 全日本動物専門教育協会:公認トリマー
- 日本ペット技能検定協会:JPLA認定トリマーライセンス
- 日本キャリア教育技能検定協会:JCSA認定ドッグトリマー
トリマーの資格は民間の協会が認定している資格のみで、国家資格はありません。
(厚生労働省が認可している資格はあります)
資格は必須ではありませんが、専門的な知識や技術を身につけたい場合は、認定試験を受けるのもいいでしょう。
初心者向けのトリマー資格
トリマーの初心者向けの資格は、以下のとおりです。
- JKC公認トリマー C級
- JPLA公認トリマー 2級
- JCSA認定マスターライセンス ドッグトリマー
基礎からしっかり学べる資格の内容を、簡単に解説していきます。
JKC公認トリマー C級
JKC公認トリマー C級は、一般社団法人ジャパンケネルクラブが発行する資格で、業界での高い認知度が特徴です。JKC公認トリマー C級の取得を目指し「プードルならオールシザーカット」「アメリカン・コッカー・スパニエルならスイニングカット」といったように扱う犬種に合わせて決められたカット技術を学んでいきます。トリマーを目指す人にとっては初めて取得することが多い資格で、ジャパンケネルクラブ公認の養成機関に該当する専門学校で1~2年かけて取得できます。他の取得方法としては、2年間クラブ会員になると、独学でも受験が可能です。
JPLA公認トリマー 2級
JPLA公認トリマー 2級は、日本ペット技能検定協会が認定する資格です。トリマー2級は、グルーミングサービスを提供する技術を持つと認定される資格で、技術水準は動物病院やペットショップなどの現場で健康を維持するためのものとなっています。協会指定のカリキュラムを修了すると、受験資格が得られます。
JCSA認定マスターライセンス ドッグトリマー
一般社団法人日本キャリア教育技能検定協会公認のドッグトリマー資格は、グルーミングの基礎知識から日常の手入れや子犬・老犬の手入れまで幅広く学べます。取得には、協会認定校を卒業、または「ドッグトリマー養成専門講座」を一定の基準を超える成績で修了することが条件です。ライセンス認定試験は自宅でおこない、合格すると資格が取得できます。
初心者向けの資格試験の実技は、カットが主体とされています。シャンプーやリンス、ドライングなどが済んでいる状態の犬を使用して試験をおこなうことが多いです。
しかし、TCA東京ECO動物海洋専門学校のECOグルーミング検定では、トリマーに必要な工程(爪切り、耳掃除、ブラッシング、シャンプー、リンス、ドライング、カット)を全て1人でおこないます。最初から最後まで1人でできる知識や技術を身につけているか検定で確認しているため、次に紹介するプロ向けの資格に引けを取らない試験といえます。
本校で学べば、資格を取得しているのと同等、もしくは資格以上の専門知識や技術を身につけていると証明できるでしょう。
プロのペットトリマーを目指すのに役立つ資格
プロ向けの資格は、以下のとおりです。
- JKC公認トリマー
- AAV認定トリマー
一つずつ簡単に説明していきます。
JKC公認トリマー
JKC公認トリマーは、トリマーとして独立したい人にとっては取得しておきたい資格の1つです。資格には「C級」「B級」「A級」「教士」「師範」があり、学科と実技の試験が年1回おこなわれます。JKC認定養成機関もしくは独学で受験して取得できます。なお、独学で受験する場合は「年齢満18歳以上で、2年間以上の本会会員歴」が必須条件です。JKC刊行の「最新ドッググルーミングマニュアル」が学科の勉強に役立ちます。ペットの美容院やホテルなどで、実務をしながら受験する人も多いです。
AAV認定トリマー
AAV認定トリマーは、一般社団法人全国動物専門学校協会が主催する検定試験です。爪切りや耳掃除、シャンプーなど、現場で求められる知識や技術が基準に達しているかを図るため、1ヵ月前からカットしていない犬を実際に施術する形式で実技試験をおこないます。サロントリマー3級からトリマーS級の6段階に難易度が分かれており、即戦力の度合いがわかる現場向けの資格です。受験資格を得るのに必要な最低授業時間は、300~700時間と定められています。
飼っているペットのケアに役立つ資格
ご自宅のペットのために資格を取得したい人には、初心者向けの資格で紹介した「JKC公認トリマー C級」「JPLA公認トリマー 2級」「JCSA認定マスターライセンス ドッグトリマー」がおすすめです。
これらは通信講座でカリキュラムを修了すると取得が可能です。実技については、JKC公認トリマーC級以外は規定に沿ってカットした小型サイズのぬいぐるみを送付後に審査を受け、資格が認定されます。JKC公認トリマーC級だけは、年1回各ブロックで開催される会場で筆記と技術の試験を受け、合否が決定します。
トリマーになるためにかかる費用や期間は?
トリマーになるための費用や期間は、どのくらいなのでしょうか?費用や期間を、以下の2つにまとめました。
- 専門学校の費用
- その他学習費用と期間
順番に解説していきます。
専門学校の費用
トリマーになるための費用は、学習の方法によって変わります。
専門学校に通う場合、費用は年間100万〜150万円が目安です。なぜなら、トリマーになるためには、授業料に加えて、カットのための道具や実習などの費用が必要だからです。
「手に職をつけたい!」と思っている人は、実習や授業を通してプロのトリマーや先生から直接学べる専門学校がおすすめです。座学だけでなく校内外での実技も豊富にあるため、実践力が身につきます。
その他学習費用と期間
海外留学の場合は、3ヵ月~半年で技術を学んで現地の資格を取得することも可能です。しかし、渡航費+学費+生活費で170万~220万円ほどかかることを想定しておいたほうがいいでしょう。期間が長ければそれ以上になります。
日本のトリマーの技術は欧米に比べて水準が高めです。語学留学を兼ねたり、視野を広げたりしたいなどの理由がない限りは、日本の専門学校で学ぶことをおすすめします。
スクールで学ぶ場合は、数ヵ月から半年ほどで資格を取得できる夜間コースやフリータイムコースがおすすめです。なぜなら、仕事が終了したあとの夜間帯やフリー時間を活用してスクールに通えるからです。たとえば、最短6ヵ月で資格が取得できる集中講座を80万円で受けられるスクールもあります。
短期間で資格を取得したい人や、よりスキルアップしたい人などが利用しています。通信講座で学ぶ場合は4ヵ月~10ヵ月ほどで終了できる分量の教材になっており、テキスト、DVD、実習で使う道具一式を含めて5万~25万円ほどと、学べる知識量や道具により価格に差が生じるのが一般的です。
スクールや通信講座は専門学校に比べると金額も安く始めやすいのが特徴ですが、実務的ではありません。短期間で資格を取得したい場合や、自宅のペットのために知識を得たい人が利用するのが一般的なようです。やはり本格的にプロとして活躍を目指すならば、実践的な実習を校内外でおこなう2年制や3年制の専門学校で学ぶことをおすすめします。
トリマーの就職先は?
トリマーの就職先は、ペットサロンやペットホテル、動物病院などが挙げられます。
ペットサロン
ペットサロンは、ペットのための美容院です。シャンプーやカット等のトリミングのほか、皮膚のケアや歯磨きまで、様々なメニューが存在します。最近では、ペットショップに併設しているペットサロンも多数あります。
ペットホテル
ペットホテルは、飼い主が旅行等で家を空ける際に、飼い主の代わりにペットを預かってもらえる施設です。通常のお預かりと一緒にトリミングを頼めるペットホテルもあるため、トリマーの就職先の一つとなっています。
動物病院
動物病院でも、トリマーが活躍しています。ペットサロンでは、ペットをかわいく見せるようなトリミングが一般的ですが、動物病院ではペットの衛生を保つためのトリミングをおこないます。
トリマーの給料は?年収・月収は?
気になるトリマーの給料について、以下の2つをお伝えしていきます。
- トリマーの年収・月収
- トリマーとして収入をアップする方法
それぞれ順番に解説していきます。
トリマーの年収・月収
トリマーの給料を実際の求人から計算すると、正社員の平均月収は、18万円〜20万円ほどとなりました。年収にすると218万円~244万円ほどです。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、一般的な平均月収は男性が35万900円、女性は26万2千600円ほどです。年収にすると、ボーナスを抜いて男性が421万800円、女性は315万1千200円になります。
※年収は平均月収×12ヵ月で計算。
給料は平均より少なめですが、その分「ペットと触れ合い、好きな仕事ができる」というメリットがあります。就職先によっても月収は左右します。全国展開している企業は、地域により給料が異なる場合もあるようです。
そのため「トリマーになって何がしたいのか」「ペットにどのようなことをしてあげたいのか」など、自分の希望する働き方と地域をチェックしつつ就職先を探すといいでしょう。
トリマーとして収入をアップする方法
トリマーとして収入をアップするには、働いている店舗内でお客さまの要望に合わせたカットができることが大切です。就職先によっては基本給にプラスして歩合給が支給される場合があるため、スキルアップして指名してくださるお客さまが増えると収入がアップします。
歩合給がない場合でも経験年数や技術によって基本給が分かれているところも多いため、収入を上げたい場合はより深い知識や技術を身につけることが重要です。
また、独立・開業が目指せる職業でもあるため、事業がうまくいけば収入を大きく上げることが可能です。
トリマーにはどんな人が向いている?
「自分はトリマーに向いているのかな?」「トリマーに向いているのはどんな人?」と思っているかもしれません。 トリマーに向いている人の特徴を解説していきます。
トリマーに向いている人
トリマーに向いている人は、以下の人です。
- 人や動物とコミュニケーションを取るのが好きな人
- 手先が器用な人
- 集中力があり臨機応変に対応できる人
トリマーは、ヒアリングをして要望通りのスタイルにカットしていく仕事のため、飼い主さんや動物とコミュニケーションを取るのが好きな人に向いています。
また、ミリ単位のカットでペットの見た目や印象が変わるため、手先が器用な人に合っています。トリマーは、動く動物の毛をハサミでカットする仕事です。そのため、集中力がないと動物を傷つけてしまったり、カットを失敗してしまったりする恐れがあります。
動物を傷つけないように正確にカットするためには、集中力があり、動物の動きに合わせて臨機応変に対応できる人が向いています。カットの経験を積むうちに集中力は身についていくでしょう。
一方、人や動物とコミュニケーションを取ったり、細かい作業が苦手だったりする人は、 仕事をしていても楽しさは半減してしまうかもしれません。しかし、コミュニケーション能力や臨機応変な対応は後天的に身につけることも可能なため「トリマーになりたい」という気持ちがあれば、まずは行動してみるといいでしょう。
トリマーのやりがいは?
トリマーのやりがいを感じるときは、以下のとおりです。
- 犬や猫の気持ちよさそうな顔が見られたとき
- 飼い主さんの要望通りにカットできたとき
- 飼い主さんの喜ぶ顔が見られたとき
犬や猫をシャンプーしたりドライヤーをかけながらブラッシングしたりしていると、気持ちよさそうにする姿を間近で見られます。
また、コミュニケーションを取りながらカットしていると、安心してウトウトする子もいます。飼い主さんの要望通りにカットできると、スキルアップを実感できて嬉しくなるでしょう。
さらに、飼い主さんにカット後の姿をお披露目したときに「頼んで良かった!」「また次回もお願いね」と喜んでもらえると、うれしくなります。トリマーは、自分の知識と技術次第で飼い主さんや動物の喜ぶ姿を直接見られる、やりがいのある仕事です。
トリマーの将来性は?キャリアプラン・キャリアパスについて
トリマーの将来性はどのくらいあるのでしょうか?動物の美容師は誰でもすぐになれない分、参入障壁が高い職業と言えるため、市場価値が高いです。さらに、スキルや経験が身につけば、独立することも可能です。独立した場合は、自分でお店を構えたり、お店を構えずにお客さまのお宅を訪問してトリミングしたりします。
トリマーは結婚や出産、子育てなどで休職していても、職場復帰しやすい特徴があります。復帰する際はお店に就職する方法もありますが、独立して自分のライフスタイルに合わせて仕事を調整することも可能です。
近年のペット保険やペットフードの数の多さを考えると、ペットの健康に気を遣っている飼い主さんが増えてきていることがわかるでしょう。寿命が延びると、高齢化も進みペットをケアするトリマーの需要は、ますます高まっていくと予想されています。
たとえば、近年では自宅で充分に面倒を見てあげられない高齢の犬猫や、病気、障害を持っている犬猫を預けられる専用の老犬・老猫ホームがあります。
動物病院が運営していたりかかりつけの動物病院と連携していたりするところもあるため、医療面の心配はありません。高齢でも必要なグルーミングが受けられるように、専門のトリマーが在籍しているホームもあります。
以下の図を見ると、ペットを飼えない理由の1つとして、充分に世話ができないから諦めている人がいる(左から5つ目)ことがわかるでしょう。また、ペットを飼えない最大の理由を見ると、4番目(濃い青)に多くなっています。
参考:ペットフード協会 令和5年 全国犬猫飼育実態調査 ペット飼育阻害要因
逆に言えば、充分なお世話ができる環境が整っていれば、ペットを飼いたい人は増える可能性があります。その対策にもなるのが老犬・老猫ホームです。
老犬・老猫のグルーミングができるトリマーは、新しいペットビジネスに柔軟に対応できる職業の1つです。
そのため、自分のスキルアップに注力していけば、今後も新たなペットビジネスが生まれたときでも、将来困ることは少ないでしょう。
まとめ:トリマーへの一歩を踏み出してみよう
トリマーは大切な家族の一員であるペットのコンディションを保つ仕事です。物言わぬ動物のケアをするため、神経を使う部分はあります。ただ、大変な分やりがいのある仕事です。
トリマーを目指す場合は、専門知識や技術を習得できる専門学校に通うのがよりよいです。
TCA東京ECO動物海洋専門学校では、地域の人からお預かりした小型犬や大型犬、珍しい犬種など40種類以上のカットモデル犬を扱うことができる「オーナー犬制度」を採用しているため、校内のトリミングサロンでさまざまなトリミングがおこなえます。3年間の在学中に200頭以上の施術ができるため、実践的な技術が身につけられるのもメリットの1つです。
TCA東京ECO動物海洋専門学校のペットトリマー&ヘルスケア専攻では、教材や授業だけでは習得しにくい本物の技術とコミュニケーション力を学べます。
「要望に合ったカットができるようになりたい」「ペットの皮膚の状態に合わせたグルーミングができるようになりたい」「卒業後からすぐに活躍したい」と思っている人には、トリマーとして必要な知識や技術を現役のプロから習得できる本校は理想的な環境です。
TCA東京ECO動物海洋専門学校では、体験入学や資料請求もできます。「将来はトリマーとして、動物たちのケアをしたい!」と少しでも思ったら、ぜひ今から一歩を踏み出してみてください。