「装蹄師はどのような仕事をしているの?」
「装蹄師って稼げる仕事なの?」
馬が好きで装蹄師に興味がある人は、このような疑問を持っているのではないでしょうか?
本記事では、装蹄師の仕事内容や必要な資格、給料について解説します。
装蹄師になりたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
記事の概要
装蹄師とは?
装蹄師(そうていし)とは、馬の蹄(ひづめ)や脚を管理する仕事です。
装蹄師は、蹄鉄(ていてつ)と呼ばれる道具を馬の蹄に装着・調整し、馬の脚への負担を軽減してパフォーマンスの向上を図っています。
蹄は馬の体重を支えている大切な部位です。蹄鉄には靴のような役割があり、馬に合うように調整することで、病気やケガを予防できます。
馬が健康で最大限のパフォーマンスを発揮するために、装蹄師は欠かせない存在といえるでしょう。
装蹄師の1日
装蹄師の仕事内容は、経験年数や就職先によって異なります。
今回は、競馬場で働く独立開業装蹄師の1日を紹介します。
時間 | 業務内容 |
---|---|
5:00 | 装蹄時間の打ち合わせ |
6:30 | 休憩 |
7:00 | 装蹄作業 |
11:00 | 片付け・午後の準備 |
12:00 | 休憩 |
14:00 | 装蹄作業 |
16:30 | 器具のメンテナンス・掃除・翌日の準備 |
18:00 | 退勤 |
装蹄師の仕事は、季節や装蹄する頭数によって1日のスケジュールが大きく異なります。
装蹄師になったばかりの頃は、装蹄作業よりも片付けや準備、器具のメンテナンスなど裏方作業をする機会が多いでしょう。 装蹄作業だけではなく、調教師や馬主に馬の状態を説明することも装蹄師の大切な仕事の1つです。
装蹄師になるには?
装蹄師になるために、必須となる学歴はありません。しかし、装蹄師は馬を相手にする仕事です。馬の特性についての知識がない状態では、装蹄師になるのは難しいでしょう。
装蹄師になるには、以下のような方法で最低限の知識を学ぶ必要があります。
- 認定装蹄師の資格取得を目指す
- 大学に通う
- 専門学校に通う
それぞれの方法について詳しくみていきましょう。
認定装蹄師の資格取得を目指す
装蹄師になるには、認定装蹄師の資格取得が望ましいとされています。
認定装蹄師は、2級・1級・指導級に分かれています。未経験でも取得できる資格は2級認定装蹄師です。
2級認定装蹄師の資格を取得するには、認定装蹄師の認定講習会の受講が必須です。認定講習会の受講資格は満18歳以上のため、高校卒業後すぐに資格を取得できます。
認定講習会では、馬と装蹄に関する知識やスキルを学べます。ただし、もっと深く時間をかけて馬について学びたい人は、資格取得を目指す前に大学や専門学校への進学がおすすめです。
大学に通う
高校卒業後、畜産や農業系の大学に進学するのも装蹄師になるための1つの方法です。
大学の授業は、専門学校よりも座学の授業が多くなるでしょう。自分が学びたいと思う分野をより専門的に学べる環境が整っているのが特徴です。
また、馬に関すること以外に幅広い知識が学べるのも、大学に通う魅力といえます。装蹄師を目指しているけれど、ほかの仕事も気になっている人には、大学への進学がおすすめです。
専門学校に通う
動物系の専門学校は、大学よりも実習や研修の時間が多く確保されているのが特徴です。実際に馬と触れ合える実習時間を設けている学校もあり、実践を通して馬に関する知識やスキルを学べます。
TCA東京ECO動物海洋専門学校では、「動物園・動物飼育専攻」で馬についての知識を身に付けられます。全国の陸上動物施設での現場実習が豊富に確保されており、実践的なスキルが学びやすい環境です。
提携している施設では、TCA東京ECO動物海洋専門学校が飼育しているポニーとふれ合えることも魅力のひとつです。専門学校への進学を検討している人は、ぜひ体験入学や資料請求を利用してみてください。
認定装蹄師資格の種類
装蹄師になるためには、認定装蹄師の資格取得が推奨されています。認定装蹄師は、公益社団法人 日本装削蹄協会が主催する資格です。
認定資格を持っている人と無資格の人では、顧客からの信頼度や受けられるサポートが変わってくるため、資格の取得がおすすめです。
認定装蹄師の資格は、以下の3つにわけられます。
- 2級認定装蹄師
- 1級認定装蹄師
- 指導級認定装蹄師
それぞれの資格について詳しく解説します。
2級認定装蹄師
2級認定装蹄師は、装蹄師になりたい人が最初に取得する資格です。
2級認定装蹄師を取得するには、「装蹄師認定講習会」の受講が必要です。装蹄師認定講習会は、寮で生活しながら4月から1年かけて馬に関する知識を学びます。受講できる定員は16名以内と決められており、願書を提出後は選考試験を受け、合格しなければ講習会を受けられません。
装蹄師認定講習会の詳細については、以下のとおりです。
受講資格 | 入講年度の4月1日現在に満18歳以上であること |
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選考試験 | 筆記試験(高等学校卒業程度の一般教養レベルの問題・作文)・面接 |
受験料(税込) | 2万2,000円 |
講習受講料・講習実費・寮費(税込) | 84万円・42万円・1ヵ月ごとに約3万~3万5,000円 |
講習期間 | 4月1日から1年間 |
装蹄師認定講習会期間中、または講習修了後に実施する認定試験に合格する必要があります。認定試験合格後に認定申請をおこない、認定資格審査会による2級認定装蹄師の資格認定を受けて、はじめて2級認定装蹄師の資格を取得できます。
1級認定装蹄師
1級認定装蹄師は、2級認定装蹄師取得後から4年以上経過すると受験資格が得られる資格です。1級を取得する際にも、「1級認定装蹄師資格者昇級研修会」を受講する必要があります。
1級認定装蹄師の資格についての詳細は、以下のとおりです。
受験資格 | 2級認定装蹄師の資格取得後、4年以上経過している者 |
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試験内容 | 実技試験・学科試験 |
受講料・受験料(税込) | 構成員 1万1,000円・1万1,000円
非構成員 2万2,000円・2万2,000円 |
1級認定装蹄師も、2級と同様に試験合格後は認定資格審査会から認定を受けて資格取得となります。
指導級認定装蹄師
指導級認定装蹄師は、1級認定装蹄師の資格取得後、9年以上を経過すると受験できます。指導級認定装蹄師も1級と同様に「指導級認定装蹄師資格者昇級研修会」を受講しなければ試験を受けられません。
指導級認定装蹄師の資格についての詳細は、以下のとおりです。
受験資格 | 1級認定装蹄師の資格取得後、9年以上経過している者 |
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試験内容 | 実技試験・学科試験 |
受講料・受験料(税込) | 構成員 5,500円・1万1,000円
非構成員 1万1,000円・2万2,000円 |
指導級認定装蹄師の試験では、一般的な装蹄師に必要な知識だけでなく、指導者に必要な心構えや知識などに関する論文も出題されます。非常に難易度の高いことで知られており、取得までに長い時間がかかる資格です。
装蹄師のやりがい
装蹄師のやりがいの1つは、脚のトラブルで立つことや歩くことのできない馬を救える可能性があることです。馬の脚のケアは装蹄師にしかできない仕事です。これまで培ってきた技術を駆使して馬を救えた経験は、装蹄師でなければ知ることのできない喜びでしょう。
馬には人間と同様に1頭ずつ歩き方の癖があります。1頭1頭の馬に合った装蹄をするのは、簡単な作業ではありません。簡単に答えが出せない仕事だからこそ、装蹄した馬がよい結果を残せたときには、やりがいを感じる人が多いでしょう。
装蹄師に向いている人
装蹄師に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 馬が好きな人
- 体力・根気がある人
- 馬の小さな変化にも気付ける観察力のある人
- コミュニケーション能力の高い人
装蹄師は馬と向き合う時間が多い仕事です。馬好きであれば、装蹄師として続けていきやすいでしょう。
装蹄師の仕事でとても大切なことは、顧客からの信頼です。顧客から確かな信頼を獲得するためには、長い時間が必要になるため、根気が必要な仕事といえるでしょう。また、顧客と会話をする機会も多いため、コミュニケーション能力の高い人のほうが装蹄師に向いています。
装蹄師の主な就職先
装蹄師の主な就職先を紹介します。
- 競馬場
- 乗馬クラブ
- 馬の育成牧場
- アミューズメントパーク
馬といえば競走馬をイメージする人も多いですが、牧場やアミューズメントパークなど、馬はさまざまな場所で活躍しています。そのため、競馬場以外にも、装蹄師には数多くの就職先があるといえるでしょう。企業に就職した装蹄師は、福利厚生が受けられ、比較的休みがとりやすいのが特徴です。
2級認定装蹄師の資格取得後は、ベテラン装蹄師のもとで経験を積むことになるのが一般的です。
独立開業も目指せる
装蹄師としての技術を高め、ベテランの装蹄師になると独立開業を目指すことが可能です。
独立開業後は、依頼のあった競馬場や乗馬クラブなどを訪問しながら装蹄作業をおこないます。企業に属す装蹄師とは違い、開業装蹄師は、装蹄する馬の頭数が収入に大きく影響するのが特徴です。
装蹄する頭数が少なくなるほど収入が減り、事業の継続が難しくなる可能性があります。装蹄師が独立開業するためには、下積み時代から厩務員や調教師などの周囲の人と信頼関係を築いておくことが大切です。
装蹄師の年収は?
装蹄師の年収は、経験年数によって大きく異なります。
認定装蹄師の資格を取得して働き始めたばかりの頃は、開業装蹄師に弟子入りした場合、住み込みで働きながら月収は13万円ほどです。JRAなどの企業に勤める場合は、月収16万円程度になります。そのため、装蹄師になりたての頃は、年収約156~192万円になるでしょう。
装蹄師の給料は、経験を重ね、技術力が高くなるほど増える仕組みです。経験を積むほど年収は増えていきます。
ベテラン装蹄師となり独立開業をした場合は、装蹄する馬の頭数によって給料が異なります。馬1頭あたり約1~2万円で装蹄をすることが多く、仕事が途切れなければ年収1,000万円以上も夢ではないでしょう。
まとめ:装蹄師になるには専門的な知識やスキルが必要
装蹄師は、馬の蹄に蹄鉄を装着し、馬の脚や蹄を管理する仕事です。
装蹄師になるために、必須となる学歴はありません。しかし、装蹄師は馬と向き合う仕事のため、馬に関する知識を知っておく必要があります。
馬に関する実践的な知識を学びたい人は、専門学校への進学がおすすめです。専門学校では、実習の時間が多く確保されており、より実践的な知識やスキルを学べます。
TCA東京ECO動物海洋専門学校では、装蹄師に必要な馬に関する知識やスキルを学べる授業が豊富に用意されているのが魅力です。実際に運営している施設での現場実習授業の時間も多く、馬と直接触れ合いながら学べる環境が整っています。
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馬についての知識やスキルを習得し、装蹄師になる夢を叶えましょう。
TCA東京ECO動物海洋専門学校の動物園・動物飼育専攻の卒業生も、競走馬の育成牧場で厩務員として活躍しています。仕事内容や学生時代に学んでおくべきことなどをインタビュー形式でまとめています。詳しくは動画をご覧ください。