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養殖業に就くには?仕事内容や資格、勉強方法、年収、将来性を紹介

養殖業に就くには?仕事内容や資格、勉強方法、年収、将来性を紹介

「養殖業をやりたい」

「養殖業の仕事内容をもっと詳しく知りたい」

養殖業に興味があるけれど、仕事内容や必要な資格、年収などがわからないという人もいるでしょう。

本記事では、養殖業に関わる会社に多くの先輩を輩出したTCA東京ECO動物海洋専門学校が、仕事内容や資格、年収などを紹介します。

一読すれば、養殖業のなり方に加えて、専門知識や技術を身につけられる学校もわかります。ぜひ最後まで読んでみてください。

養殖業とは

養殖業とは

養殖業とは、海や河川、湖などで生け簀(いけす)や養殖地を利用して、出荷できる大きさになるまで魚介類や海藻類を飼育し、販売する仕事です。

養殖する魚介類や海藻類には、ブリ、ハマチ、マダイ、クルマエビ、ウナギ、カキ、ホタテ、ノリなど多くの種類があります。

地域により養殖業の種類が変わるため、育てる魚介類や海藻類も異なります。

農林水産省の令和2年 漁業産出額を確認すると、養殖業(海面養殖+内水面養殖)は5,303億円、漁業(海面漁業+内水面漁業)は7,920億円でした。漁業全体の産出額の40.1%(5,303+7,920億÷(5,303億))ほどを占めている養殖業は、日本の漁業を支える存在だということがわかります。

参考:農林水産省

養殖業には2つの種類がある

養殖業には2つの種類がある

養殖業には、以下の2つの種類があります。

  • 海面養殖
  • 内水面養殖

順番に説明していきます。

海面養殖

海面養殖は、海のなかで魚介類や海藻類を養殖する方法です。

自然界で魚介類や海藻類を飼育するため、台風やプランクトンの大量発生による赤潮などの影響を受けやすくなり、生産量は安定しにくいのが特徴です。

養殖する魚介類や海藻類はノリ、ホタテ、カキ、ブリなどがあります。

生産コストは餌代が半分以上を占めているものの、内水面養殖より少ないコストで養殖できるのがメリットです。

内水面養殖

内水面養殖は、海以外の川や湖などで淡水に棲息する魚介類を養殖する方法です。生け簀や水槽などで養殖する陸上養殖も内水面養殖に含まれます。

内水面養殖は海面養殖と違い、設備が整った場所で養殖するため、生産性は安定しやすいです。

養殖する魚介類はウナギやアユ、フナ、コイ、ニジマスなどがあります。

ただし、水温調整ができるクーラーや水を循環させるのに必要なポンプなどの設備費用がかかるため、生産コストが高いのがデメリットです。

養殖業と栽培漁業の違い

養殖業と栽培漁業の違い

養殖業に似た漁業に栽培漁業があります。違いは以下のとおりです。

  • 養殖業・・・生け簀や養殖地で稚魚を育て、食べられる大きさになったら出荷する漁業。
  • 栽培漁業・・・卵をふ化させて稚魚になるまで育て、ほかの魚介類から捕食される可能性が低くなった時点で河川や海などに放流し、成魚になったら再度漁獲する漁業。

養殖業は販売するまで全て人の手を介しています。一方で栽培漁業は、放流後は魚自身の力で成長していくため、養殖と天然を掛け合わせたものだとイメージすればわかりやすいでしょう。

養殖する魚介類は、サケやヒラメ、マダイ、アワビ、ウニなどで、養殖業と栽培漁業のどちらにも当てはまります。

どちらも水産資源を増やし、世界の魚介類消費量に対しての収穫量不足を補う施策となる漁業形態です。

養殖業の仕事内容は?

養殖業の仕事内容は?

養殖業の仕事内容は、養殖の種類により異なります。主な仕事は以下のとおりです。

  • 餌やり
  • 飼育
  • 漁獲
  • 選別・出荷作業
  • 生け簀の清掃や設備の機器点検、保守作業

養殖業は稚魚の大きさや種類により成長具合を見ながら餌の種類や量を変え、販売できるサイズまで育てたら漁獲します。

そして、養殖した魚介類や海藻類からゴミや不純物を取り除いてきれいにしたのち、サイズや品質などをチェックしながら選別して出荷作業をおこないます。

飼育には、生け簀の網の交換以外にも、糞や餌の残りなどの掃除も必要です。

稚魚の成長に差が出るのを防ぐため、水温調整や水を循環させるポンプなど設備の機器点検もしなければいけません。

ほかにも、病気予防になる水産用ワクチンを餌に混ぜて与えたり、一匹ずつ注射したりすることもあります。

養殖業の勤務時間や休日は?

養殖業の勤務時間や休日は?

勤務時間は、早朝5~15時頃までだったり8~17時までなど、養殖する魚介類や海藻類により養殖業の勤務時間は異なります。繁忙期と閑散期で、1日の勤務時間や1週間の勤務日数が変動する会社もあります。

また、海が荒れたり、赤潮が発生したりした場合は、育てている魚介類や海藻類の成長に影響が出ないよう対策が必要なため、勤務時間の変更を余儀なくされることもあるでしょう。

休日は企業により異なり、土日休みの場合もあれば、日曜+その他の曜日といった場合まで、さまざまです。

養殖業で役立つ資格は?

養殖業で役立つ資格は?

養殖業の種類や仕事内容を知り、どのような資格が必要になるか気になる人もいるでしょう。

結論からいうと、養殖業に必要な資格はありません。しかし、持っていると役立つ資格には以下があります。

  • 小型船舶操縦士免許
  • 普通自動車免許

就職するまでに取得できるものがあれば、挑戦してみましょう。

小型船舶操縦士免許

小型船舶操縦士免許は、海や河川など養殖をする漁場(生け簀や養殖地)に小型船舶で行くときに必要な資格です。

資格には1級と2級があり、1級は約150キロ、2級は約9キロと、海岸から離れられる距離が変わります。

海岸に近い場所で養殖することが多い養殖業は、小型船舶操縦士免許2級があれば問題ありません。

求人票の資格欄にも「2級取得者歓迎」と記載されている場合があるため、取得しておくと就職に有利になりやすいです。

参考:国土交通省

普通自動車免許

普通自動車免許は、養殖した魚介類や海藻類、漁具を仕事場や市場などに運ぶときに必要です。

公共交通機関が稼働していない時間帯に勤務先へ行くときにも利用します。

求人票に最も多く掲載されている資格のため、学生の間に取得しておくことをおすすめします。

養殖業に就くための勉強方法

養殖業になるための勉強方法

養殖業に関する知識や技術は、独学ではなかなか学びにくいです。

そのため、養殖業に就くための専門知識を身につけるには、以下の勉強方法があります。

  • 専門学校に通う
  • 大学に通う

順番に説明していきます。

専門学校に通う

養殖業になるには、専門学校に通うのがおすすめです。

専門学校では、水生生物の生態や行動など、養殖業に必要な専門知識を学べます。

なかでも、TCA東京ECO動物海洋専門学校の「水族館・アクアリスト専攻」では、第一線で活躍しているプロから最新の知識や技術を習得することが可能です。

淡水魚や海水魚など校内で100本以上の水槽を管理しているため、水槽管理に必要な機材や使い方など、実習をとおして身につけられるメリットもあります。

ほかにも、養殖業への就職に有利になる小型船舶操縦士の資格取得も可能です。身近にプロの先生がいるため、不明点があればいつでも質問できます。

2年制なので、4年制の大学に比べて学費も抑えられます。

大学に通う

水産学、生物学、ビジネス学などの学科がある大学で学ぶ方法もあります。

大学によっては、養殖関連の研究ができたり、充実した実習や演習を受けられるところもあります。

そのため、将来の方向性がしっかり定まっていない場合は、選択肢が広がる大学で学ぶのもよいでしょう。

ただし、4年制なので、専門学校に比べると学費の負担は大きくなります。

大学と専門学校でお悩みの方はこちらの記事も参考にしてください。

関連記事:大学と専門学校どっちがいいの?
 

養殖業のやりがいは?

養殖業のやりがいは?

養殖業の人が感じているやりがいは、以下のとおりです。

  • 養殖した魚介類や海藻類が大きく成長したとき
  • 養殖した魚介類や海藻類を高値で販売できたとき
  • 養殖した魚介類や海藻類を食べて「おいしい」と言ってもらえたとき

一番のやりがいは、なんといっても養殖した魚介類や海藻類が大きく成長したときです。

また、人の手で育てられた養殖魚は天然魚よりも安全性が高い一面もあるため、質や大きさによっては高値で販売できることがあります。栄養管理をしつつ育てた魚介類が、思った以上に高値で売れると、いつも以上にやりがいを感じられるでしょう。

ほかにも、直売店やオンラインシステムを利用した購入者から、「おいしかった」と直接お礼を言ってもらえるのも大きなやりがいにつながります。

養殖業に向いている人は?

養殖業に向いている人は?

養殖業に向いている人の特徴を紹介します。

  • 体を動かすのが好きな人
  • コミュニケーション能力がある人
  • 観察力がある人

養殖業では、ペレット(乾燥、半生の餌)や魚、海藻類などを、手作業や機械を使って養殖している魚介類に与えたり、食べ残しや糞などの掃除をしたりします。

出荷できるサイズになったら、魚介類や海藻類を水揚げしたり移動させたりする作業もあります。

さらに、赤潮が発生したときには、養殖場を生け簀ごと移動させて被害を最小限に抑えることも必要です。

そのため、養殖業は体を動かすのが好きな人に向いています。

また、飼育環境を整え大きく育てるには、他の人と協力して仕事を進められるコミュニケーション能力も必要です。独立、開業してからも同様で、同じ漁場の漁師と交流を深めれば、情報交換したり緊急時に手助けしてもらえたりします。

養殖する魚介類や海藻類の小さな違いを見逃さない観察力も重要です。「いつもより元気がない」「生け簀に対して魚介類の占める割合が多くなった」など、日々観察を怠らないことが大切です。

とはいえ、魚介類や海藻類の成長を見るのが楽しければ、自然に動きたくなるでしょう。

コミュニケーションや観察力は後天的なものであるため、徐々に身につけていけば大丈夫です。

まずは、養殖業になりたいか、自分の気持ちを最優先に考えてみてください。

養殖業の就職先は?

養殖業の就職先は?

養殖業の就職先は、以下のようにさまざまです。

  • 養殖施設
  • 漁業組合
  • 水産会社
  • 海産会社

養殖業をメインでおこなう会社もあれば、自社で養殖した魚介類や海藻類を使って別の商品を作り出して販売する会社もあります。

また、独立、開業も可能です。個人経営者として養殖業を営んでいる人も大勢います。

養殖業になりたての頃は企業で従業員として働き、養殖の専門知識や技術を身につけたら、独立、開業を目指すのもよいでしょう。

養殖業の平均年収を紹介

養殖業の平均年収を紹介

養殖業の月収や年収は、養殖する魚介類や海藻類により変わります。

求人サイト「求人ボックス」の掲載情報から月収を計算すると、平均24万円ほど。年収にすると、賞与を除いて約280万円ほどです。

生産量が多いウナギやノリ、カキ、真珠などの養殖業を営む企業のなかには、月給が25〜30万円ほどのところもあります。

厚生労働省の令和3年度賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の平均月収は男性33万円ほど、女性26万円ほどです。

しかし、20〜24歳のみの平均月収を確認すると、男女ともに21万円ほどです。そのため、養殖業の月収は年齢別で比較すると平均より若干高めといえるでしょう。

独立開業をしてうまくいけば、収入を上げられる可能性もあります。

参考:求人ボックス
参考:令和3年度賃金構造基本統計調査 一般労働者の賃金
参考:令和3年度賃金構造基本統計調査 性別にみた賃金(姓・年齢階級別)

養殖業の将来性は?

養殖業の将来性は?

結論からいえば、養殖業の需要は高まっています。

水産庁のデータによると、1人当たりの魚介類消費量(海藻類含む)が1961年には年間9.01kgだったものが、2018年には20.21kgと、世界平均で約2倍に増えています。

しかし、世界で獲れる天然の漁獲量は、1990年から2018年までの28年間で約9,700万トンとほぼ横ばいです。

2018年の世界人口は約77億人。2018年の1人あたりの消費量20.21kg×77億人=1億5,561万7,000トンとなり、すでに天然の魚介類や海藻類だけでは消費量が足りていない状態です。そのため、足りない消費量を養殖業で賄(まかな)っています。

2050年には世界の人口が97億人まで増えると予想されているため、天然の漁獲量だけではさらに賄いきれなくなるでしょう。

国としても、2019年は2,873億円だった水産物輸入金額を、2030年までに1.2兆円まで増やしたい考えがあります。そのため、漁業者の養殖生産への転換を支援したり、養殖地の拡大に向けた調査をおこなったりと、養殖業の後押しも始めています。

魚介類消費量の足りない分を養殖で賄う必要があったり、国の財政にも一役買っていたりするため、養殖業の将来性は十分あるといえるでしょう。

参考:水産庁 世界の1人1年当たりの食用魚介類消費量の推移
参考:水産庁 世界の漁業・養殖業生産量の推移
参考:総務省統計局 世界人口の推移
参考:水産庁 水産物貿易の動向
参考:農林水産省 水産物の輸出力強化に向けた対応方向

まとめ:養殖業に就いて食卓に笑顔を届けよう

まとめ:養殖業に就いて食卓に笑顔を届けよう

養殖業は、養殖の種類や魚介類、海藻類によって、仕事をする地域が変わる場合があります。そのため、自分がやりたいものを選ぶことが大切です。

しかし、魚介類や海藻類について詳しい知識がなければ、自分がやりたい養殖の種類や魚介類、海藻類を選べない人もいるでしょう。

「魚介類や海藻類について詳しい知識が知りたい」「養殖業に必要な技術を身につけたい」という人は、専門学校で学ぶのがおすすめです。

TCA東京ECO動物海洋専門学校の「水族館・アクアリスト専攻」では、プロの講師から授業が受けられるため、専門知識だけでなく実践で使える技術も身につけられます。

また、プロと一緒にひとつのものを作りあげる企業プロジェクトに参加して、コミュニケーション力や現場力などを習得することも可能です。

ほかにも、Wメジャーカリキュラムを利用すれば、入学時に選んだ専攻以外の科目を追加料金不要で学べます。養殖業に活かせる知識や技術を身につけられるため、就職の幅が広がるでしょう。入学時に希望していた職業とは別の道を進みたくなった場合にも役立ちます。

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ほかにも、オンライン専攻説明会個別進路相談会なども随時開催しているため、気になることや心配なことの相談も可能です。

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