「動物カメラマンになる方法を知りたい」
「思わず足を止めてしまう一枚を撮りたい」
動物の写真集や展示会、テレビなどで写真を見て憧れたけれど、どうすれば動物カメラマンになれるのか分からない人もいるでしょう。
また、必要な資格や生活できるだけの収入があるのか、気になる人もいるのではないでしょうか。
本記事では、現役の動物カメラマン講師を招いて授業を行っているTCA東京ECO動物海洋専門学校が、動物カメラマンのなり方や仕事内容、資格、年収などを紹介します。
一読すれば、動物カメラマンのなり方だけでなく、動物の特性を知ることの大切さや写真が与える影響なども分かるため、ぜひ最後まで読んでみてください。
記事の概要
動物カメラマンとは
動物カメラマンとは、動物を撮影するカメラマンのことです。
動物カメラマンが撮る被写体は、以下の2種類です。
- 野生動物
- 犬や猫などのペット
犬や猫などのペットを専門に撮影する場合は「ドッグフォトグラファー」や「ペットグラファー」と呼ぶこともあります。
動物カメラマンは、自由に動き回る動物を撮影して、見る人に感動や癒しなど心に残る一枚を提供しています。
動物カメラマンとフォトグラファー、写真家の違い
動物カメラマンは「フォトグラファー」や「写真家」と呼ばれることもあります。また、英語が主な海外では、写真家を「フォトグラファー」と呼んでいます。
3つの呼び方に明確な違いはありません。あえて分けるならば、商業的な写真を撮る人とアート的な写真を撮る人になります。
カメラマンとフォトグラファーは依頼された被写体を撮影して報酬を得るため、どちらも似た意味で使われます。一方、写真家は自ら撮影したいと思う被写体を独自の感性で撮影し、自分の作品を作り上げるカメラマンです。
ですが、フォトグラファーも自分が撮影したいと思う被写体を追いかけて写真を撮ることもあります。
3つの呼び方に明確な違いはないと考えておくと良いでしょう。
それぞれ呼び方は異なりますが、動物の見せる表情や動きを瞬間的にカメラで撮るのは、すべてのカメラマンに共通しています。
動物カメラマンに必要な資格は?年齢制限や性別は?
動物カメラマンに必要な資格はありません。また、年齢や性別にも制限はありません。女性でも、動物カメラマンとして仕事をしている人は多くいます。
ですが、一人前になるのに年数が必要だったり、重い機材を持ち歩いて撮影する体力が必要だったりするため、若いうちから動物カメラマンを目指すのが好ましいです。
動物カメラマンは、動物の生態が分かると活動場所の予測がついたり行動が読めたりするため、思い描いた写真を撮るチャンスが増えます。
そのため、特別な資格は不要ですが、動物に関する知識は取得しておくと良いでしょう。
動物カメラマンになる方法
動物カメラマンになるには、以下の2つの方法があります。
- 専門学校に通う
- 大学に通う
順番に説明します。
専門学校に通う
動物カメラマンになるには、専門学校に通うのがおすすめです。
なぜなら、動物の生態や習性などを知れば撮影がしやすくなったり、より人を惹きつける写真が撮りやすくなったりするからです。
TCA東京ECO動物海洋専門学校の「ECO自然環境クリエーター専攻」では、野生動物の生態や鳥類学、フィールドテクニックなどを学びます。
現地で動物を探したり行動を読めたりするため、ポイントを探して撮影がしやすくなるだけでなく、安全対策にも役立ちます。
「動物園・動物飼育専攻」では、ウサギやフェレットなどの小動物から馬やゾウなどの大型動物まで、園内で飼育されている動物の知識や関わり方の習得が可能です。
また、魚類や爬虫類について学びたい場合は「水族館・アクアリスト専攻」が最適です。
将来、独立・開業して自分の店舗を持ちたい場合は、ペットの基礎知識やトレーニング方法について詳しく学びたい場合「ドッグトレーナー専攻」を選択すると良いでしょう。
TCA東京ECO動物海洋専門学校では、オープンキャンパスで動物の撮影体験ができる「アニマルフォトジェニック体験」が行われました。座学で学んだあとは、スマートフォンや一眼レフを使用した撮影も行っています。
授業でも行われているアニマルフォトは、Wメジャーカリキュラムに組み込まれている科目の一つです。アニマルフォトを選択すると、カメラの選び方から野生動物、ペットの上手な撮影方法など、カメラの基礎から撮影方法まで一通り習得できます。
アニマルフォトの授業は専攻に関係なく誰でも受けられるため、将来、関わりを持ちたい動物をメインに考えて専攻を決めると良いでしょう。
大学に通う
大学に通う場合は、写真が学べる専攻がある学校を選ぶのがおすすめです。
専攻科では写真の基礎から学べるため、スマートフォンの撮影がメインだった人でも卒業までに建築物や人物、動物など、多彩な被写体の撮影ができるようになります。
また、動物関連の大学に進む方法もあります。なぜなら、動物に詳しくなると行動や活動ポイントが分かるため、動物の魅力を活かした撮影がしやすくなるからです。
ただし、大学は専門学校に比べると座学が中心で実習が少ない傾向にあります。そのため、貴重な一枚を撮れる動物カメラマンになりたい場合は、写真と動物を同時に学べる専門学校の方が、よりおすすめです。
大学と専門学校でお悩みの方はこちらの記事も参考にしてください。
関連記事:大学と専門学校どっちがいいの?
動物カメラマンの仕事内容を紹介
動物カメラマンは、雑誌や広告、写真集、カレンダーなど、さまざまな媒体に載せる写真を撮影するのが仕事です。
ときには、三脚の設置や片付けなど、補助的な作業をする場合もあります。なぜなら、動物カメラマンは、必ずしも複数人で行動を共にするとは限らないからです。
複数人で仕事をする場合は、準備や片付けはアシスタントが代わりに行ってくれることもあります。ですが、一人で現場に向かい撮影する場合は、すべてカメラマンが行います。
ほかにも、依頼主の要望に応じて写真の編集をしたり、カメラやレンズの手入れをしたりするのも動物カメラマンの大切な仕事の一つです。
動物カメラマンのやりがい
動物カメラマンのやりがいを、以下にまとめました。
- 人を笑顔にできること
- 達成感があること
- 自分にしか撮れない一枚を残せること
動物カメラマンは、撮影した写真で人を笑顔にしたり、癒したりできます。
また、なかなか見られない表情やしぐさ、珍しい動物の撮影ができると、長い時間をかけた苦労にも勝る達成感が味わえます。
さらに、光のバランスやアングル、シャッタースピードなどを駆使して、自分にしか撮れない一枚を残せたときに、動物カメラマンとしてのやりがいを感じるでしょう。
動物カメラマンの仕事で辛いこと
動物カメラマンの仕事で辛いことは、以下のとおりです。
- 長期戦になりやすいこと
- 寒暖差や天候に関係ないこと
- 外で寝る場合があること
- 撮影チャンスが限られること
動物カメラマンの撮影は、長期戦になりやすいです。特に野生動物の場合は、撮影前に姿を見つけるだけでも大変なため、長引くほどに辛いと感じる場合もあるでしょう。
数ヶ月かけて目当ての動物を追うこともある動物カメラマンは、姿を現すのを野外で待ち構えて撮影することもあるため、寒暖差や天候は関係ありません。雪の中や水の中で長時間待機し、シャッターチャンスを狙うこともあります。
また、野外で寝たり、何時間も同じ体勢で巣穴を見つめ続けたりしてベストショットを狙うこともあります。
一瞬の撮影チャンスを逃してしまうと次の機会は訪れない恐れもあるため、満足できる写真が撮れるまでの間は辛いと感じるでしょう。
動物カメラマンに向いている人
動物カメラマンに向いている人は、以下のとおりです。
- 体力がある人
- 行動力がある人
- 決断力がある人
- 感性が豊かな人
- 動物が好きな人
動物カメラマンは、重い機材を運ぶだけでなく、撮影する動物を野外で何日も待ったり、目当ての動物を探すのに現地を歩き回ったりするため、体力が必要です。
また、動物の生息地や行動範囲を見極め、現地まで向かう行動力も大切です。
自然界には、危険な動物も数多くいます。そのため、自身の身を守りつつ撮影ができるよう、いざというときに決断ができることも重要です。
動物カメラマンは、感性が豊かな人は被写体をよりいっそう魅力的に映し出せます。
そのため、カメラ技術だけでなく、体力面や行動面、感情面など総合的に備わっている人が動物カメラマンに向いています。
動物カメラマンとほかのカメラマンとの一番の違いは、コミュニケーションの取り方です。動物の場合は言葉が通じないため、行動や習性などから動物を深く知り、撮影することが心に残る一枚を撮るのに必要です。
動物について詳しくなるほどコミュニケーションが取りやすくなるため、動物カメラマンは動物好きなことが一番でしょう。
少しずつ体を慣らしていけば体力は付いていきますし、ものごとを見る力が養われれば行動力も付いていきます。
綺麗なものや心が動かされるものを日頃から見ていれば感性も磨かれていくため「動物を好きであれば誰でも動物カメラマンの素質を持っている」と言えるでしょう。
動物カメラマンの就職先、フリーランスも可能?
動物カメラマンの就職先は、たとえば以下の会社があります。
- 出版社
- 広告代理店
- 制作会社
- ペットスタジオ
出版社や広告代理店などに就職する以外にも、動物カメラマンはアシスタントとして活動して力を付け、独立したあとはフリーランスに転身する人もいます。
フリーランスになれば、動物本を出版したり個展を開いたりして、自分の名前を多くの人に知ってもらう機会を設けることも可能です。
知名度が上がっていくと、カメラメーカーの広告に起用され、新製品のカメラの使用感を語ったり撮影風景を撮られたりする立場になることもあります。
また、独立・開業し、ペットスタジオや動物の手配から撮影まで一式を手がける会社などを設立することができるのも、動物カメラマンの魅力です。
たとえば、本校のホームページや冊子などに掲載されている動物の写真は、動物カメラマンが在籍するアニマルラグーン株式会社さまが請け負っています。ほかにも、カメラの選び方や写真の撮り方などを教える講師も担っています。
動物カメラマンの就職先は決して多くはありません。ですが、フリーランスになると幅が広がるため、ほかにはない自分だけの仕事の在り方を構築できるでしょう。
動物カメラマンの平均年収を紹介
インターネットで公開されている求人情報サービス「indeed」や「求人ボックス」から動物カメラマンの求人をピックアップして計算すると、月給は平均18万円ほど。年収にするとボーナス抜きで216万円ほどになります。※2022年5月時点の情報。
厚生労働省から公開されている令和2年の一般労働者の賃金の平均は男女合わせて307万円です。
ただし、フリーランスの場合は上記の限りではありません。
動物カメラマンは個展や写真集など自社製品の販売でも資産を得ることができるため、努力次第で年収を増やすことは可能でしょう。
動物カメラマンの将来性は?
動物カメラマンは需要があるため、将来性は充分あると言えるでしょう。
たとえば、動物カメラマンの仕事は、カメラ関連企業にとってなくてはならない職業です。なぜなら、動物カメラマンのなかには、カメラメーカーからオファーを受けて広告塔の役割を担っている人もいるからです。
カメラメーカーが提供するカメラを扱い、心に残る写真を撮り続けることがカメラ関連企業への貢献にも繋がります。
また、癒し効果がある動物は、写真集やカレンダーなど、私たちの日常に関わる題材に起用されることもあります。
たとえば、YouTubeで人気になり2021年7月に発売された写真集『もちまる日記』は発売1週間で重版が決定。2022年には、カレンダーも発売されるほどの人気ぶりです。
ほかにも、希少動物や珍しい動物の知られざる生態を公開したり、写真を通して自然環境の保護を呼びかけたりする役割も担っています。
動物カメラマンのなかには、地球温暖化の影響で流氷が速く溶け始めていることに気づいたり、台風の被害による自然の変化などを肌で感じたりしているカメラマンも多くいます。
自然保護の重要性や環境破壊の深刻さを伝えるため、2018年にはWWFジャパンが「#ANIMAL_SELFIE」と題して、動物目線の写真をInstagramで公開したこともありました。
動物カメラマンは、企業への貢献や私たちに癒し効果をもたらすだけでなく、自然環境の保全にも深い関わりを持っているため、将来性は充分あると言えるでしょう。
まとめ:動物カメラマンになって動物の種類や姿を知ってもらおう
動物カメラマンは、動物の写真を撮る人です。
愛くるしい動物や偉大な動物など、動物に合わせて写真の撮り方を変えたり、イメージに合う背景になるように調整したりしてシャッターチャンスを狙います。
自分も人の心を動かす一枚が撮りたいけれど、スマートフォンでしか撮影したことがない人やカメラは持っているけれど上手く撮影できないと思っている人もいるでしょう。
TCA東京ECO動物海洋専門学校は、動物の生態を学びながら撮影方法も学べる学校です。自分の撮りたい動物について学べる専攻を選ぶと良いでしょう。
各専攻によって、関わる動物は異なります。また、学ぶ授業も変わるため、詳細を知りたい場合は、無料の資料請求をして確認してみてください。夢を叶えた先輩達のお話も載っています。
動物カメラマンは、自分の見たもの、感じたものを写真に映し出せる仕事です。
動物カメラマンになって、目にする機会が少ない珍しい種類や勇ましくも可愛らしい動物の姿を、写真を通して多くの人に知ってもらいましょう。