「生物分類技能検定って、どんな資格?」
「生物分類技能検定に合格するには、どんな風に勉強するといいの?」
「生物分類技能検定を取得すると、どんな仕事に役立つの?」
自然に関する資格の一つに生物分類技能検定があるけれど、資格内容や取得するメリット、使える仕事など、気になる人もいるでしょう。
本記事では、生物分類技能検定を活かして仕事をしている卒業生が多くいるTCA東京ECO動物海洋専門学校が、役立つ仕事や受験資格、勉強方法などを説明します。
一読すると、生物分類技能検定を取得するか考える判断材料になるだけでなく、目指したい仕事も少しずつ考えられるようになるでしょう。
資格を取得して活かせる仕事に就いている未来の自分を想像するきっかけになるため、ぜひ最後まで読んでみてください。
記事の概要
生物分類技能検定とは
生物分類技能検定とは、自然界に生息する生物に興味関心がある人を対象にした資格で、知識を向上させて、正しい分類ができるようになることを目的としています。
また、野生の動植物や自然を守る人を育成する人材の強化も担っています。
生物分類技能検定は1級から4級まであり、一般財団法人 自然環境研究センターが主催する民間資格です。
資格を活かして仕事をしている人は、自然環境や動植物の生態などを通じて、私たちの生活に深く関わっています。
生物分類技能検定を受けるメリット
生物分類技能検定の2級を取得して、自然環境研究センターの名簿に登録していると、環境省の入札に参加できるため、国からの業務委託で仕事を受けられる可能性があります。
また、2級は林野庁(森林保護や林業の共有を確保する行政機関)や地方自治体などの一般競争入札や、指名入札の参加資格になっている場合もあります。
2級の取得で仕事の受注率が変わるため、企業内で試験の合格を目指しているところも多いです。
生物分類技能検定の2級と1級に合格したら、自然環境研究センターの名簿に忘れずに登録しておきましょう。
2級は一度登録すればずっと有効ですが、1級は5年ごとに更新が必要です。入札に参加してより専門性の高い仕事をしたい場合は、仕事獲得の土台を作れる2級の取得をおすすめします。
生物分類技能検定の4級や3級は、大きな仕事には直結しません。
ですが、3級を取得していると生物の分類分けができるようになるため、自然界の生き物を分かりやすく紹介したり探したりする、一般の人向けのツアーやイベント開催に役立ちます。
また、インタープリターのように自然を紹介する仕事で経験を積んでおくと、1級を受験する際に有利になります。
取得している級により受けられる仕事に違いはありますが、生物分類技能検定は自然界の生物と人を繋ぐ架け橋を作るきっかけを提供できる資格です。
生物分類技能検定が活かせる仕事
生物分類技能検定は私たちの環境を守るだけでなく、自然を楽しむ分野でも使える資格です。
たとえば、環境を守る分野では、動植物や生態系など自然の環境調査に活かせます。また、自然環境に影響を及ぼす恐れのある事業を実施する前に必要な調査や予測、評価などを行う際にも役立ちます。
さらに、陸水域や海域の生物・生態系調査、保全計画の策定など幅広い業務にも活用できる検定です。
自然を楽しむ分野の場合は、以下のような仕事で生物分類技能検定の知識や技術を役立てられます。
生物分類技能検定は取得している級により仕事の幅が広がるため、なりたい仕事に必要な級の取得を目指すと良いでしょう。
生物分類技能検定の受験資格は?誰でも受けられる?
【対象者と受験資格】 | ||
級 | 対象者 | 受験資格 |
4級 | 一般的な生物に興味がある人 | なし |
3級 | 一般的な生物に関する知識や分類が分かる人 | なし |
2級 | 自然界の生物に関連する業務に従事している人 | なし |
1級 | 自然界の環境や生物調査などを、中心的な役割を持って仕事をする人 | ・3年以上の業務経験がある ・2級の該当部門の合格者 |
生物分類技能検定は、1級のみ受験資格に条件があります。
受験資格にある業務経験とは、たとえば以下の業務が挙げられます。
- 環境アセスメント
- 各種生物調査
- 研究
- 生物関連科目に関する教育
- 自然解説(インタープリテーション)
大学院の各課程(博士、修士、専門職学位)における生物学に関する研究経歴は、2年間の業務経歴として考えてください。
業務経験がなくても関連活動がある場合は、活動経歴として受験申込書に記入しましょう。内容によっては、受験資格が与えられる場合があります。
ただし、業務経験3年以上に相当すると認められた場合のみのため、必ずしも受験できるとは限らないことを覚えておきましょう。
生物分類技能検定は、1級以外は誰でも受験できます。自分の力を知る機会にもなるため、まずは4級や3級を受験してみると良いでしょう。なお、2級は3部門(動物部門、植物部門、水圏生物部門)に分かれており、1部門を選択して受験します。
生物分類技能検定の合格率や難易度は?一番難しいのは2級
【合格率と合格基準】 | |||
級 | 合格率 | 合格基準 | |
4級 | 60% | 60点/100点 | |
3級 | 50% | 60点/100点 | |
2級 | 10% | 70点/100点 ※動物部門、植物部門、水圏生物部門 |
|
1級 | 30% | 18点/30点 ※経験問題 |
42点/70点 ※専門問題 |
合格率が1級より2級の方が低いのは、受験資格の有無が一つの要因だと考えられます。経験年数が3年以上と定められている1級とは異なり、2級は誰でも受験可能です。自然環境調査や、生物調査をする企業に勤務している多くの人が受験しています。
合格者の年齢を見ると、23歳〜29歳と実務経験が少ない年代の受験割合が多いです。経験が浅いうちに受験しているため、難易度が高くなっていることも考えられます。
なぜなら、専門学校卒業生や大学院修士(24歳卒)、博士(27歳卒)課程を修了した実務経験3年未満の人が23歳〜29歳に該当するからです。
2級は出題される部門の範囲が広いので、2級を受ける場合は、専門分野以外も答えられるように知識を深めておくと良いでしょう。
生物分類技能検定の試験内容をチェック
【生物分類技能検定の試験内容】 | ||||
級 | 試験内容 | |||
4級
ビギナー |
択一問題 | ー | ー | |
3級
準プロ |
択一問題 | ー | ー | |
2級
プロ 記述式 |
択一問題 | 共通問題 ※生物全般が対象(受験する部門は関係なし) |
専門問題 | |
1級
プロ級 記述式 |
1次試験 | ー | 共通問題(経験問題) ※記述問題(分類技能を活用した経験に関する問題(1,200字程度) |
専門問題 ※記述問題 数問(1,600字程度) |
2次試験 | 口頭試験 |
生物分類技能検定2級の共通問題は、受験する部門に関係なく3部門すべてから出題されます。そのため、幅広い分野にも解答できるように勉強をする必要があります。
4級や3級は択一問題ですが、2級や1級は記述問題のため、うろ覚えで試験に合格するのは難しくなってきます。
生物を分類する基礎的な内容が含まれている4級や3級の知識は、しっかりと身につけておきましょう。
知識が身につけば1級の1次試験に合格する確率は高くなり、2次試験への道も開けます。
【出題例】生物分類技能検定の過去問
生物分類技能検定は、4級から2級まではAmazonで過去問題集が販売されています。
4級から2級までの記述式の過去の問題を、以下にピックアップしました。出題される問題のレベルの参考にしてください。
4級
4級の択一問題は、日常生活で目にする自然界の動植物の問題が多いです。
とはいえ、樹洞に巣を作る鳥を選ぶ問題や、日本にいる外来種を選ぶ問題などもあるため、一般的な自然に関する知識だけでは難しいと感じる場合もあるでしょう。
問題の答え:3
3級
3級は、動植物を詳しく観察していないと分からない問題が多く出題されています。
たとえば、あぶらビレを持つ魚を選んだり、写真の植物の葉の付け根にあるものは果実なのか種子なのかなどを選んだりする問題があります。※あぶらビレとは、背ビレと尾ビレの間にあるヒレのことです
自然界に生息する生物の分類が正しくできる人材を育てる目的で作られている資格のため、一般の人が気にしない部分まで深く追求した問題が出題されています。
問題の答え:4
2級
出典:Amazon 2022年度 生物分類技能検定試験問題集 2級水圏生物部門
2級は共通問題と専門問題があり、共通問題は受験する部門以外の問題も出題されます。
専門問題は4級や3級に比べると、より専門的な知識が必要と感じる問題ばかりが出題されているため、選択肢がなくてもすべて答えられるレベルまで学んでおくことが大切です。
1級は問題集が販売されておらず、試験内容はすべて記述式です。
生物分類技能検定を受験する際は、4級や3級の勉強をする時点から、選択肢がなくても答えられるよう知識を深めておくと良いでしょう。すると、2級や1級を受験するときに、焦らなくてすみます。
問題の答え:A-4、B-1、C-1、D-3、E-4、F-4、G-3
生物分類技能検定の試験は1年に1回
生物分類技能検定が開催されるのは、1年に1回のみです。
各級の試験日は別々に設定されており、4級と3級の試験期間は広く設けられています。
たとえば、2022年の4級と3級の試験期間は8/13〜9/30まででした。1ヶ月以上試験期間が設けられているため、自分の都合に合わせて受験できます。また、4級と3級は試験期間中に両方受験も可能です。
試験は4級から2級までは120分、1級のみ150分の所要時間が設けられています。
3部門に分かれている2級の試験は、それぞれの部門の試験日が別日でも、受けられるのは1年に1部門のみなので注意しましょう。
また、2段階に試験が分かれている1級は、1次試験の合格者だけが2次試験に進めます。
2級以上の生物分類技能検定は1年に1回しか受験できないため、試験当日に力を発揮できるようコツコツ勉強していきましょう。
生物分類技能検定の試験会場
生物分類技能検定の試験は、全国47都道府県に300箇所以上あるCTBテストセンターで行います。
試験日を決めるときに試験会場も選べるため、自分の住んでいる地域に近い場所を選択できます。
生物分類技能検定の受験料
【生物分類技能検定の受験料】 | ||
級 | 受験料 | |
一般 | 学校一括申し込み | |
4級 | 3,000円 | 2,700円 |
3級 | 5,000円 | 4,500円 |
2級 | 12,000円 | ー |
1級 | 19,000円 | ー |
生物分類技能検定は、一般者向けの4級と3級は学校一括申し込みが可能です。
一般価格の1割引で受験できる学校一括申し込みは、小学校〜高等学校、専門学校、短期大学、大学などに通う人が対象の申し込み制度です。
人と自然との関わり方を伝える術を身につけられる4級や3級とは違い、政府関連の仕事に活かせる2級と1級は受験料が高くなっています。
また、3部門ある2級を複数受ける場合は、都度、受験料が必要です。
難易度と比例して受験料も高くなる生物分類技能検定は、1年に1回しか試験を受けられないため、しっかりと学んでから挑むのがおすすめです。
生物分類技能検定合格には知識や技術が学べる専門学校がおすすめ
生物分類技能検定に必要な知識は、本から得たり、自然を観察したりすると、少しずつ身についていきます。
たとえば、葉桜になると目にし始めるツツジは、サツキと見た目が似ています。ですが、実際は別の植物です。
花の大きさや葉の感触は図鑑や参考書だけでは違いが分からず、間違えることもあるでしょう。
また、間違った解釈や内容を正してくれる人が身近にいないと、間違えたまま覚えてしまうこともあります。
TCA東京ECO動物海洋専門学校では、在学中に生物分類技能検定3級までの取得を目指す対策講座を実施しているため、独学で勉強するより知識が身につきます。
同じ検定を目指す仲間やいつでも質問できる先生が身近にいるため、分からない箇所で立ち止まる時間も短縮できるでしょう。
本校の周りには、葛西臨海公園・鳥類園やエコセンター、夢の島熱帯植物園などの施設が充実しているため、自然界の動植物について学べる環境も多くなっています。
数ある専門学校のなかでも、TCA東京ECO動物海洋専門学校は、現場のプロと一緒に一つのプロジェクトを行い実践力を磨く体験ができる学校です。
たとえば、自然を再生させるプロセスや環境保全の必要性などを学ぶために「森と草はらの再生プロジェクト」を一緒に進めた企業プロジェクトが過去に開催されています。
また、校内では多種多様な動物を飼育しているため、普段近くで見られない種類もじっくり観察できます。
独学では身につけられない知識や実践に活かせる技術を学びたい場合は、校内外の授業が豊富なTCA東京ECO動物海洋専門学校がおすすめです。
まとめ:分類スキルを身につけて生物分類技能検定に合格しよう
生物分類技能検定は1級から4級まであり、取得する級により活かせる仕事が異なります。
そのため、将来なりたい仕事に関連する級の取得を目指すのがおすすめです。
TCA東京ECO動物海洋専門学校の「ECO自然環境クリエーター専攻」や「動物園・水族館&テクノロジー専攻」「博物館・恐竜自然史専攻」「水族館・アクアリスト専攻」では、構内外の実習で動植物を見たり触ったりしながら学べるため、知識や技術を同時に身につけられます。
ですが、なかには、将来なりたい仕事が定まっていない人もいるでしょう。
まだ将来がはっきり決まっていなくても「自然に関する仕事に就きたい」「生物分類技能検定に興味がある」と思った場合は、体験入学やW体験dayに参加してみると良いでしょう。
ほかにも、学校の雰囲気が分かったり、気になる仕事も体験できたりする学園祭の参加もおすすめです。
TCA東京ECO動物海洋専門学校の公式サイトには、卒業した先輩の生の声が聞ける動画が公開されています。
ほかにも、Webでは公開されていない情報が無料の資料請求には盛りだくさんです。資料請求をして、ぜひ内容をチェックしてみてください。
なりたい仕事に活かせるよう、分類スキルを身につけて生物分類技能検定に合格しましょう。