「イヤリング」の仕事は競走馬を育てる基礎づくり馬とも人間とも信頼関係を築くのがカギ
スムーズな調教につなげるために育成を担うイヤリング
離乳した馬が、調教を受けるまでの約1年間を過ごす「イヤリング(Yearling)」を担当しています。毎朝6時半から、夜間放牧していた馬を集牧して健康状態を確認し、えさ作りや掃除、えさやりなどを行います。放牧中に馬同士でケンカすることもあるので、ケガの確認は念入りに。耳や鼻の動きから、馬の気持ちや体調を見きわめるのも大切です。人や物に慣れさせるための「馴致(じゅんち)」も、重要な仕事です。馬に鞍付けや体の水洗いなどの経験を積ませる、人間でいえば「幼稚園」のようなものかもしれません。
正解がない仕事のプロセスチームの雰囲気は馬に伝わる
大好きな馬に日々触れられるのが楽しいですし、育てた馬がレースに出て活躍するとやりがいも格別です。もちろん、馬の馴致は大変です。初めはタオルを見ただけで暴れたり、水を怖がったりすることもありますが、幼い馬にしてみれば自然な反応。性格やその日の体調に合わせ、少しずつ慣れてもらいます。「これをやれば確実にうまくいく」といった正解がないので悩むこともありますが、仲間や先輩たちに助けられています。仕事では、体力と同じぐらい欠かせないのがチームワーク。チームの雰囲気がピリピリすると、必ず馬に伝わります。チームの連携がとれた余裕のある仕事が、優れた馬の成長につながると感じます。
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