日本スピッツの性格や特徴は?うるさいのは本当なのか解説します
2023.11.20
- 目次
-
- 日本スピッツとは?
- 日本スピッツの特徴
- 性格
- 被毛・毛色
- 体高・体重
- 平均寿命
- スピッツと日本スピッツの違い
- 日本スピッツの歴史
- 日本スピッツはうるさい?無駄吠えが多いというのは本当?
- 日本スピッツを飼うときのポイント
- 家族となるべく多くの時間を過ごす
- 無駄吠えさせないためにしつけをしっかり
- 1日2回は散歩をさせる
- 熱中症対策をする
- 日本スピッツのお手入れ方法
- 毎日ブラッシングする
- 定期的にシャンプーもおこなう
- 日本スピッツのかかりやすい病気
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)
- 気管虚脱
- 流涙症
- 落葉状天疱瘡
- 熱中症
- 日本スピッツの子犬を迎える方法
- ペットショップで探す
- ブリーダーに紹介してもらう
- 保護犬の里親になる
- 日本スピッツの価格相場
- 日本スピッツのよくある質問
- 日本スピッツは小型犬ですか?大型犬ですか?
- 茶色や黒色の日本スピッツはいませんか?
- まとめ:日本スピッツの特徴を覚えておこう
「スピッツ」と聞いて、純白でふわふわとした被毛のかわいらしい犬を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
日本では、一般的にスピッツといえば「日本スピッツ」のことを指します。戦後、爆発的な人気を誇った日本スピッツですが「よく吠えてうるさい」ともいわれます。
この記事では、日本スピッツの性格や特徴のほか、「うるさい」といわれるのは本当なのか解説します。
日本スピッツに興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
日本スピッツとは?
「日本スピッツ(英語表記:Japanese Spitz)」は、日本原産の犬種です。
耳が立ち、口が尖った犬を「スピッツ系統」といいます。日本スピッツはそれに加え、真っ白でふわふわの毛にクリッとした目がかわいらしくて印象的です。
ルーツははっきりしていませんが、1920年頃に来日した白い「ジャーマン・スピッツ」が改良され小型化されたという説と、ロシアの「サモエド」が小型化した説などがあります。
日本スピッツの特徴
日本スピッツの特徴を、項目ごとに表にまとめました。
性格 | 従順で忠実だが神経質 |
---|---|
被毛・毛色 | 光沢のある長い被毛 毛色は純白のみ |
体高・体重 | 体高:30〜38cm、体重:4.5〜11.3kg メスはオスよりやや小さめ |
平均寿命 | 13.3歳 |
それぞれ解説していきます。
性格
日本スピッツの性格は飼い主に対し警戒心が少なく、従順で忠実で、物覚えがよいので、しつけもしやすいです。穏やかな性格です。他人に対しては警戒心が強い一面もあります。
繊細で神経質なところもあり、ストレスを溜めやすいので注意しましょう。
被毛・毛色
日本スピッツの被毛は、黒い目や鼻以外の全身が純白で光沢のある長いダブルコートの被毛に覆われています。上毛に比べると下毛は短くて柔らかいです。
毛色は純白のみです。
体高・体重
体高とは、地面から首と背中の境目までの高さのことで、人間でいう身長に当たります。
日本スピッツの体高は30〜38cm、体重は4.5〜11.3kgとされており、メスはオスに比べるとやや小さめで「中型犬」に分類されます。
参考:犬猫の大きさと流通しているケージに関する調査結果|環境省
平均寿命
日本スピッツの平均寿命は13.3歳です。
一般的な犬の寿命は14.65歳とされているのでやや短めですが、中・大型犬に限った平均寿命は13.52歳とされているため、中型犬としては平均的といえます。
参考:ペットの終活ノート|環境省
家庭どうぶつ白書2022|ペットの相談
スピッツと日本スピッツの違い
日本スピッツのことを「スピッツ」と呼ぶケースもありますが、そもそも「スピッツ」は犬種名ではなく、口が尖って耳が立った系統の犬のことをいいます。
スピッツとはドイツ語で「鋭利な」「尖った」という意味があり、犬種に関わらず口や耳が尖った犬は「スピッツ」と呼ばれています。
そのため、柴犬や秋田犬などもスピッツ系といえますが、「ジャーマン・スピッツ」「日本スピッツ」などのように「スピッツ」という名がつく犬種もあるので混乱しがちです。
日本スピッツと似ているといわれる犬種に「ポメラニアン」や「サモエド」がいます。
日本スピッツの口元(マズル)は尖っていますが、ポメラニアンは丸いです。また、日本スピッツはサモエドよりも小型である点が特徴です。
日本スピッツの歴史
日本スピッツの起源ははっきりしておらず、一般的には1920年代に白いジャーマン・スピッツのような白いスピッツ系を交配して小さく改良し、純白の毛色の犬として固定したものという説です。
ただし、このときの犬も「ホワイトスピッツ」とされており、日本スピッツの祖先犬の正確な犬種や詳しい情報は残っていません。
20世紀初頭に移入されたシベリア原産のサモエドも交配しているという説もありますが、これには否定的な意見が多くあります。
日本では第二次世界大戦後から高度経済成長期、日本スピッツは真っ白な毛並みや大きくて黒い目で大人気になり、1950年代後半には日本で一年間に登録される犬の4割が日本スピッツになるほどでした。
しかし、流行の一方で「キャンキャン吠えてうるさい」といわれることが多くなり、人気が衰退したといわれています。
日本スピッツはうるさい?無駄吠えが多いというのは本当?
実際、現在の日本スピッツは無駄吠えがうるさいのかというと、そのようなことはありません。
無駄吠えがうるさいといわれた日本スピッツも改良が進んで、現在は無駄吠えや警戒心の少ない穏やかな性格になったとされています。
高度経済成長期の日本スピッツブームでは、急激に頭数が増加する一方で犬のしつけの知識や経験が少ないことにより、「吠えてうるさい」という評判が広がってしまったといわれています。
また、当時は犬は外で鎖につないで飼うという飼育環境が大半で、日本スピッツの神経質な性格に合わずに無駄吠えが多かったのも理由のひとつでしょう。
日本スピッツを飼うときのポイント
純白でふわふわの毛とクリッとした黒い瞳の日本スピッツを家族として迎えるには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
ポイントは、次の4つです。
- 家族となるべく多くの時間を過ごす
- 無駄吠えさせないためにしつけをしっかり
- 1日2回は散歩をさせる
- 熱中症対策をする
順に解説します。
家族となるべく多くの時間を過ごす
日本スピッツは、人懐っこく従順ですが、繊細で神経質な性格でストレスを溜めやすいため長時間の留守番は得意ではありません。
一頭で過ごす時間が長いと精神的に弱ってしまうこともあるため、なるべく家族と長い時間一緒に過ごせる環境で飼うのがベストといえます。
無駄吠えさせないためにしつけをしっかり
現代の日本スピッツはあまり無駄吠えをしなくなったとはいえ、興奮しやすいのでしつけは必要です。
物覚えがよくしつけがしやすいので、子犬の頃からいろいろな場所に連れて行って刺激になれさせるのがおすすめです。
集中力があまり続かないことがあるので、ごほうびを与えながら楽しくしつけやトレーニングをおこなうようにしましょう。
1日2回は散歩をさせる
日本スピッツに必要な運動量はあまり多くありません。しかし、ストレスを解消したりするためにも散歩は必須です。
1回30分程度の散歩を、1日2回程度おこないましょう。
熱中症対策をする
日本スピッツは、ふわふわの長毛種でダブルコートに覆われているため、寒さには強いですが暑さには弱いです。そのため、熱中症対策が必要になります。
常に水が飲めるように準備しておき、エアコンを活用しましょう。温度は人間が少し涼しいと感じる26度くらいを目安に設定するのがおすすめです。
また、散歩は早朝や夕方などの涼しい時間におこないましょう。アスファルトを歩く場合、熱くないか温度を確認しましょう。
日本スピッツのお手入れ方法
日本スピッツの純白で光沢のある美しい被毛を保つには、こまめなお手入れが必須です。次のようにお手入れします。
- 毎日ブラッシングする
- 定期的にシャンプーもおこなう
詳しく解説します。
毎日ブラッシングする
日本スピッツは、毎日のブラッシングが欠かせません。
長毛種のダブルコートのため非常に抜け毛が多くなります。特に冬から春の換毛期は大量に抜けるので、1日1回はブラッシングが必要になるでしょう。
血行促進や毛玉対策、コミュニケーションにもなります。スリッカーブラシを使うのがおすすめです。
定期的にシャンプーもおこなう
ブラッシングと併用して月1〜2回はシャンプーをおこないましょう。
シャンプーすると衛生面だけでなく皮膚病の予防にもなり、抜け毛もごっそり取り除けます。散歩中についたノミやダニも除去できるので、ぜひシャンプーしてあげてください。
シャンプーしたらしっかりすすぎをおこない、ドライヤーを使って全身くまなく乾かしましょう。生乾きは、蒸れて皮膚病の原因になります。ドライヤーの熱風を嫌がる場合は、冷風も併用しながら乾かしてあげてください。
日本スピッツのかかりやすい病気
日本スピッツが特に気をつけたい、かかりやすい病気は次のとおりです。
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)
- 気管虚脱
- 流涙症
- 落葉状天疱瘡
- 熱中症
一つずつ解説します。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)、通称パテラとは、膝蓋骨が正常な位置から内側または外側に外れてしまうことです。
軽い状態ではほとんど症状は見られませんが、外れた状態が長くなると歩行に異常が見られたり、歩くのが難しい状態になったりすることもあります。
成長期に骨や靭帯、筋肉の形成がうまくいかなかったり、転落などで膝に強い力がかかったりすることが原因になります。
気管虚脱
気管虚脱(きかんきょだつ)は、呼吸するときの空気の通り道である気管が途中で潰れてしまう病気です。
咳をしたり水を飲んだときにむせたりするのが初期症状ですが、なかなか咳と気づきにくいことが多く、症状が進むと呼吸困難になり手術が難しいことがあります。
原因ははっきりと解明されておらず、遺伝的要素や軟骨異常といわれています。軽い咳が続く場合は、病院で診てもらいましょう。
流涙症
流涙症(りゅうるいしょう)は、目に涙が流れすぎて過剰に目に涙が溜まってしまう病気です。
目に涙が溢れ出し、目頭から鼻にかけてこびりついて「涙やけ」と呼ばれる被毛が変色した状態になって湿疹や皮膚炎につながります。
鼻涙管(びるいかん)という器官に異常があると、流涙症になりやすくなります。真っ白な日本スピッツにとっては見た目にも大いに影響するので、早めに病院で対処しましょう。
落葉状天疱瘡
落葉状天疱瘡(らくようじょうてんぽうそう)とは、免疫が自分自身を攻撃して皮膚に症状を引き起こす自己免疫性疾患で、顔や鼻、まぶた、耳たぶなどに膿を含んだ湿疹、赤み、かさぶたができます。
はっきりとした予防法がなく、紫外線に当たることで症状が悪化することがあります。皮膚におかしいところを発見したら、病院に連れていきましょう。
熱中症
上記でもお伝えしましたが、日本スピッツは長毛のダブルコートに覆われた犬種なので、暑さ対策を怠ると熱中症になるので注意しましょう。
高温多湿の日本においては、室内にいても熱中症は発症します。犬は人間のように汗をかいて体温を下げられないため、人間は平気でも犬にとってはつらい暑さになることがあるので注意しましょう。
室内ではエアコンを活用し、人間が少し涼しいと感じる26度くらいに設定しましょう。暑い時間の散歩は避けてあげることも大切です。
日本スピッツの子犬を迎える方法
日本スピッツの子犬を迎えて飼い始めるには、どうしたらよいのでしょうか。方法は次の3つです。
- ペットショップで探す
- ブリーダーに紹介してもらう
- 保護犬の里親になる
順番に解説します。
ペットショップで探す
ペットショップは、ペットを飼った経験が少ない初心者におすすめです。しつけに困ったときや飼育方法などの相談にも乗ってもらえます。
また、ワクチン接種や簡単なしつけが済んでいることがあるのもメリットです。
ブリーダーに紹介してもらう
日本スピッツを専門に繁殖している、ブリーダーに紹介してもらう方法もあります。
ブリーダーは日本スピッツのプロなので、迎えるまで管理してもらえたり迎えたあとにも相談に乗ってもらえたりします。
どのような子犬がいるのかなどの情報をSNSで発信しているブリーダーもいるので探してみましょう。
保護犬の里親になる
保護されている公共機関や民間が運営している保護施設から迎えて、里親になる方法もあります。
里親のメリットは、ペットショップやブリーダーなどと比べてかなり価格を抑えられる点や、社会貢献になる点です。ある程度のしつけや予防接種が済んでいることもあります。
ただし、飼育環境によっては断られたり、犬が人間に不信感を持っていたり、病気を持っていたりして、粘り強く付き合う覚悟が必要な場合もあるので注意しましょう。
日本スピッツの価格相場
日本スピッツをブリーダーから迎える場合の価格は、2023年10月現在、23万〜34万円ほどとなっています。
犬の価格は、一般的に年齢が若く人気の毛色のほうが高くなります。しかし、日本スピッツの場合、毛色は白のみなので、大きく変わることはないようです。
日本スピッツのよくある質問
日本スピッツについてのよくある質問をまとめました。次の2つです。
- 日本スピッツは小型犬ですか?大型犬ですか?
- 茶色や黒色の日本スピッツはいませんか?
それぞれ回答します。
日本スピッツは小型犬ですか?大型犬ですか?
日本スピッツの体高は30〜38cm、体重は4.5〜11.3kg、メスの場合これよりも小さいことが多く、個体によってかなり体格に差があります。
そのため、日本スピッツを小型犬としているサイトから、中型犬、大型犬としているサイトまでありますが、平均寿命が一般的な中・大型犬に近いことから「少し小さめの中型犬」といえるでしょう。
茶色や黒色の日本スピッツはいませんか?
日本スピッツの毛色は、白のみです。
口先が尖って耳が立っている「スピッツ系統」の犬のなかには、黒や茶色もいます。
まとめ:日本スピッツの特徴を覚えておこう
日本スピッツは日本原産の犬種で、白くて長い光沢のある被毛でクリッとした黒い瞳がかわいらしいことで人気のある犬種です。
かつては「キャンキャン吠えてうるさい」と人気が衰退したことがありました。しかし、現在は無駄吠えする日本スピッツは少なくなり、穏やかで飼い主に従順な性格であることが多くなりました。
「うるさい」といわれることは少なくなりましたが、繊細で神経質な面もあるので長時間の留守番は避け、美しい被毛を保つためにしっかりブラッシングとシャンプーをしてあげましょう。
かわいらしく美しい日本スピッツを迎えて、幸せな毎日をおくりましょう。