コクワガタを飼育するには?特徴や寿命、必要な用品を解説

2024.08.20

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日本で多く見られ、その魅力的な姿と飼育の手軽さで人気を誇る「コクワガタ」。飼育に興味を持ちながらも、具体的な方法や適切な環境作りについて不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、コクワガタの飼育方法や必要な飼育用品、飼育する際の注意点などを詳しく解説します。これからコクワガタの飼育を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

コクワガタとは?

コクワガタとは?

コクワガタとは、昆虫類コウチュウ目クワガタムシ科ドルクス属に分類される昆虫です。北海道から本州、四国、九州まで広く分布しており、夏によくみられます。

寿命は一般的に3年前後とされています。飼育下では、エサや飼育環境が整っていれば4年以上生きる個体も存在し、長い寿命を持つ昆虫といえるでしょう。

穏やかな性格の個体が多く、クワガタの飼育経験がない方でも飼育しやすいと人気があります。

オスの特徴

コクワガタのオスは、頭の上に二つにわかれたアゴを持っています。アゴの真ん中より少し上付近には内歯と呼ばれる突起があるのが特徴です。

オスのサイズは、18~50mm前後です。コクワガタは、野生下よりも飼育下のほうが大きくなりやすいといわれており、平均より5mm前後大きくなる可能性があります。

メスの特徴

コクワガタのメスは、オスよりも頭上のアゴが小さいのが特徴です。艶があまりなく、スマートな体型をしています。

メスのサイズは、15~30mm前後です。メスもオスと同様に、飼育下のほうが大きくなりやすいため、平均より5mm前後大きく育つ場合があります。

コクワガタの値段や入手方法は?

コクワガタの値段や入手方法は?

コクワガタを入手するには、「野外で採集する方法」と「ホームセンターやペットショップなどで購入する方法」があります。

野外で採集する場合は、5~9月頃に雑木林や山地、河川敷などを探すとコクワガタを発見することが可能です。クヌギやコナラなどコクワガタが生息している可能性の高い木を蹴ると落ちてくるため、比較的簡単に捕まえられます。

また、ホームセンターやペットショップなどでは、夏になるとコクワガタを販売しています。販売価格は、オスとメスのペアで700~3,000円程度です。サイズが大きいコクワガタは、販売価格が高い傾向にあります。

コクワガタの飼育に必要な用品

コクワガタの飼育に必要な用品

コクワガタを入手する前に、飼育に必要な用品を揃えておきましょう。コクワガタ飼育に必要な用品は、以下のとおりです。

  • 飼育ケース
  • 昆虫マット
  • エサ皿
  • 昆虫ゼリー
  • 止まり木

飼育ケース

コクワガタ飼育には、昆虫用の飼育ケースを用意しましょう。

コクワガタは体が小さいため、大型昆虫用の飼育ケースを用意する必要はありません。飼育ケースの大きさは、横幅30cmほどでよいでしょう。

コクワガタに適した飼育ケースは、ペットショップやホームセンターなどで1,000~2,000円程度で購入できます。飼育ケースは、コバエが入らないように蓋つきのものがおすすめです。

昆虫マット

昆虫マットは、コクワガタの足場・隠れる場所として必要です。飼育ケースに3cmほどの厚さになるように敷いて使用します。普通の土でもコクワガタは飼育できますが、農薬やほかの生物が入っている可能性があるため、避けたほうがよいでしょう。

昆虫マットはさまざまな種類が販売されていますが、広葉樹の朽木を粉砕して作られた商品がおすすめです。ペットショップやホームセンターでは、10L入って約400~600円程度で販売されています。

エサ皿

エサ皿は、コクワガタのエサとなる昆虫ゼリーを入れるために用意しましょう。エサ皿を用意しなくてもコクワガタは飼育可能です。しかし、エサ皿にゼリーを入れたほうが、衛生的に保てます。

野生下のコクワガタは、木の上で生活しています。そのため、エサ皿も木を使用して作られた商品がおすすめです。木製のエサ皿は、エサを食べるときに足場になるだけでなく、コクワガタが転倒した際の足掛かりにもなります。

ペットショップやホームセンター、100円ショップなどで100〜500円程度で購入できます。

昆虫ゼリー

野生下のコクワガタは、木の樹液を吸って生活しています。飼育下で樹液を与えることは難しいため、昆虫ゼリーを主食として与えましょう。

昆虫ゼリーは、栄養素にこだわっている商品からさまざまな味のバリエーションがある商品まで、種類が豊富です。季節やコクワガタの状態に合わせて選ぶとよいでしょう。

昆虫ゼリーは、30個入りで200円ほどで購入できます。1つのゼリーで約3日もつので、それほどエサ代はかからないといえます。

止まり木

昆虫マットだけを敷いた環境では、コクワガタが転倒した際に起き上がれず、そのまま弱ってしまうことがあります。転倒しても自力で起き上がれるように足掛かりとして止まり木の用意がおすすめです。

止まり木は、ペットショップやホームセンターで販売されています。大きさによって値段が異なりますが、安いものでは200円、高いと1,000円以上する場合もあります。

飼育ケースに合わせて止まり木の大きさを選びましょう。

コクワガタの幼虫から成虫までの飼育方法

コクワガタの幼虫から成虫までの飼育方法

飼育用品が揃ったら、いよいよコクワガタを飼育していきましょう。

コクワガタは、幼虫・蛹・成虫によって飼育方法が異なります。成長過程に合わせて適切に飼育することが大切です。

ここでは、幼虫・蛹・成虫の育て方をそれぞれ解説します。

幼虫の育て方

コクワガタの幼虫を飼育する際には、10cm以上の深さがあるボトルと幼虫用の昆虫マットを用意します。

ボトルの9分目あたりまで昆虫マットを敷き詰めます。昆虫マットは、上から押さえながらややかために詰めるのがポイントです。ボトルの準備ができたら幼虫を土の上に乗せましょう。

小さなボトルを使用して飼育する場合は、昆虫マットが乾く可能性があるため、定期的に霧吹きでマットを湿らせる必要があります。

幼虫は、昆虫マットの中で栄養を摂取しながら成長します。3~4カ月に1度は、昆虫マットをすべて交換しましょう。

蛹(さなぎ)の管理方法

コクワガタの幼虫は、マットの中に「蛹室(ようしつ)」と呼ばれる空洞を作り、その中で蛹(さなぎ)になります。幼虫が蛹室を作り始めたら、マット交換をせずに見守りましょう。

コクワガタの幼虫は、20℃以上の環境で蛹になるスイッチが入るとされています。そのため、蛹室を作っている様子がみられたら、室温が20℃以下にならないように注意が必要です。

蛹になってから1カ月~1ヶ月半で成虫になります。成虫になって土の中から出てくるまでは、刺激を与えないように静かに観察しましょう。

成虫の育て方

成虫のコクワガタを飼育する際には、「マット交換」と「エサの交換」を主におこないます。

マットは、2週間に1度の交換が推奨されています。2週間経っていない場合でも、コバエや白い小さなダニを発見したときには、マット交換をしたほうが衛生的に保てます。

コクワガタのエサである昆虫ゼリーは、食べ残しがあっても、3~5日に1回は新しいものと交換しましょう。

コクワガタを飼育する際の注意点

コクワガタを飼育する際の注意点

コクワガタを飼育する際には、以下のポイントに注意が必要です。

  • 温度管理
  • 湿度管理
  • 静かで暗い環境の準備

それぞれの注意点について詳しく解説します。

温度管理

コクワガタは、暑さに弱く寒さに強い昆虫です。

夏場に30℃を超える場所で飼育していると、暑さで死んでしまう可能性があります。夏は室温25~28℃を保ちましょう。

冬は5度以下でも越冬できる個体が多く、夏場ほど温度管理を気にする必要はありません。

湿度管理

コクワガタは、昆虫マットが乾燥した状態が続くと、弱ってきて死んでしまうケースが少なくありません。そのため、飼育ケース内の湿度管理も大切です。

昆虫マットを手で触って、湿っているのが確認できる程度に昆虫マットを湿らせましょう。湿度管理には、霧吹きの使用がおすすめです。

静かで暗い環境の用意

コクワガタは夜行性なので、暗くなると活動します。しかし、夜でも明るい場所で飼育していると、活動しなくなることがあるので注意しましょう。

また、騒がしい場所や頻繁に振動を感じる場所での飼育は、コクワガタにストレスを与えます。静かな環境を飼育場所として用意することがポイントです。

コクワガタ飼育によくある質問

コクワガタ飼育によくある質問

ここからは、コクワガタ飼育によるある質問を3つ紹介します。

  • コクワガタは自宅で繁殖できる?
  • コクワガタは屋外でも飼育できる?
  • 越冬させる方法は?

それぞれの回答をみていきましょう。

コクワガタは自宅で繁殖できる?

コクワガタは、羽化から3カ月以上経過したオスとメスがいれば、自宅でも繁殖できます。

コクワガタのオスとメスを同じ飼育ケースに入れて、1週間から10日ほど様子をみましょう。相性がよければ、交尾をする可能性があります。

しかし、オスとメスの相性が悪い場合は、ケンカになることがあります。攻撃的な様子がないか注意しながら観察することが大切です。

コクワガタは屋外でも飼育できる?

コクワガタは、30℃以上ある環境だと弱ってしまう可能性があります。そのため、夏場にベランダや庭などの屋外で飼育することは難しいでしょう。

直射日光が当たらず風通しのよい場所であれば、屋外で飼育できる可能性があります。しかし、温度管理や衛生管理が難しいため、長く飼育したい場合は、室内での飼育がおすすめです。

越冬させる方法は?

コクワガタは、10℃以下の環境で冬眠します。野生下では土の中に潜って冬眠するため、外気温が10℃を下回ってきたら、昆虫マットを厚めに敷き詰めましょう。

冬眠中のコクワガタは、エサを食べません。しかし、水分は必要なのでマットが乾燥しないように定期的に霧吹きで湿らせます。

飼育ケースは、温度変化の少ない暗い場所で管理しましょう。

まとめ:コクワガタの飼育に挑戦してみましょう

まとめ:コクワガタの飼育に挑戦してみましょう

コクワガタは、必要な飼育用品が少なく、お世話の方法も難しくないため、比較的飼育しやすい昆虫です。温度・湿度の管理やマットの交換など、日々のお世話をきちんとおこなっていれば、コクワガタは健康で長生きできるでしょう。

しかし、飼育下のコクワガタは、3年以上生きる可能性があります。最後までお世話をする覚悟を持って飼育することが大切です。

コクワガタを初めて飼育する方は、この記事を参考に必要な飼育用品と飼育環境を用意し、コクワガタの飼育に挑戦してみてください。



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