シャム猫(サイアミーズ)の特徴は?飼い方やかかりやすい病気も紹介

2023.09.05

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ほっそりとしたボディラインや特徴的なポイントカラーが目を惹くシャム猫。

海外では「サイアミーズ(Siamese)」という名前で呼ばれ、世界中で広く知られています。

この記事では、シャム猫の特徴や歴史、飼うときのポイント、お手入れ方法、かかりやすい病気などを詳しく解説します。

「シャム猫は初心者には飼いにくい?」「シャム猫みたいな野良猫がいるのはなぜ?」といった疑問も解消される内容になっています。ぜひ参考にしてください。

シャム猫(サイアミーズ)とは?

シャム猫(サイアミーズ)とは?

シャム猫は、スレンダーな体型やサファイアブルーの瞳、ポイントカラーの被毛が特徴的なタイ原産の猫種です。

シャム猫の「シャム」は、20世紀初頭までタイの国名が「シャム(サヤーム)」だったことに由来しています。

日本では「シャム猫」という名称が浸透していますが、海外では「シャムの国のもの」という意味の「サイアミーズ(Siamese)」という名称が一般的です。 原産国のタイでは、「ウィチアンマート(月のダイヤモンド)」や「メーオサヤーム(タイの猫)」とも呼ばれています。

シャム猫(サイアミーズ)の特徴

シャム猫(サイアミーズ)の特徴

シャム猫(サイアミーズ)の特徴について、以下の表にまとめました。

性格 人懐っこい、賢い、遊び好き、甘えん坊、コミュニケーション好き、よく鳴く、寂しがり屋、神経質、嫉妬深い、警戒心が強い
被毛 短毛のシングルコート 柄:ポイント(顔の中央、耳、四肢、尻尾が濃い色) 色:シール、チョコレート、ブルー、ライラック
体高・体重 体高:25〜27cm前後・体重:3〜5kg前後
平均寿命 10〜13歳

項目ごとに詳しく見ていきましょう。

性格

シャム猫は賢く、神経質で警戒心が強い性格です。しかし、心を許した相手に対しては人懐っこく甘えん坊で、よく鳴いて話しかけることがあります。

スキンシップやコミュニケーションを取るのが好きな反面、寂しがり屋なので長時間の留守番は苦手です。

被毛

シャム猫は短毛のシングルコートなので、抜け毛は少なく、お手入れにはさほど手がかかりません。

クリーム色をベースに、顔の中央や耳、四肢、尻尾など、先端の色が濃くなっているのが特徴です。 基本のポイントカラーはシール、チョコレート、ブルー、ライラックの4種類があります。

体高・体重

個体差はありますが、シャム猫の平均体高は約25〜27cm、平均体重は約3〜5kgです。

中型の猫で、「オリエンタル」というボディタイプに属します。

平均寿命

シャム猫の平均寿命は、10〜13歳です。

個体差はありますが、シャム猫は遺伝性の病気にかかりやすく、猫全体の平均寿命(14〜15歳)に比べてやや短命な傾向があります。

シャム猫(サイアミーズ)とトンキニーズの違い

シャム猫(サイアミーズ)とトンキニーズの違い

シャム猫とバーミーズを交配して生み出されたトンキニーズは、ポイントカラーの短毛種で、見た目がシャム猫とよく似ています。

ここでは、シャム猫とトンキニーズの違いについて見ていきましょう。

猫種 シャム猫 トンキニーズ
大きさ 体高:25〜27cm
体重:3〜5kg
体高:22〜25cm
体重:2.8〜5.8kg
目の色 サファイアブルー アクア、グリーン、ブルーなど
体型 脚と尻尾が長く、スレンダー 全体的に丸みがある
平均寿命 10〜13歳 12〜16歳

シャム猫とトンキニーズを見分ける際には、目の色や体型に注目するとわかりやすいです。

トンキニーズの目の色はアクア(水色)やグリーン、ブルーなどさまざまですが、シャム猫の目の色はサファイアブルーと決まっています。

体型は、シャム猫は脚や尻尾がスラリと長く細身なのに対して、トンキニーズは全体的に丸みを帯びているのが特徴です。 また、個体差はありますが、トンキニーズは遺伝性の病気が比較的少なく、シャム猫よりも平均寿命が長い傾向があります。

シャム猫(サイアミーズ)の歴史

シャム猫(サイアミーズ)の歴史

シャム猫は、タイで古くから愛されてきた歴史ある猫種です。

正確な起源はわかっていないものの、かつてはタイの王宮や寺院など、身分の高い人々だけが飼える高貴な猫として扱われていました。

シャム猫がタイ以外で知られるようになったのは、1884年にイギリス総領事館へ贈られたのがきっかけです。

日本でシャム猫の人気が高まったのは1950年代。「純血種の猫といえばシャム猫」といわれるほど注目を浴びていました。

シャム猫(サイアミーズ)を飼うときのポイント

シャム猫(サイアミーズ)を飼うときのポイント

シャム猫を飼うときのポイントは、主に以下の5つです。

  • 年齢や目的に合ったフードを与える
  • 運動しやすい環境を整える
  • 誤飲しそうなものは片付けておく
  • 長時間の留守はなるべく控える
  • 遊びやスキンシップの時間を多く取る

項目ごとに詳しく解説します。

年齢や目的に合ったフードを与える

シャム猫に限らず、猫を飼うときは年齢や目的に合ったフードを与えることが大切です。

猫は年齢に応じて必要な栄養素の量が異なるため、「子猫用」「成猫用」「シニア用」など、年齢に合ったフードを用意しましょう。 また、シャム猫は早食いしやすい傾向があります。早食いを防止するためには、粒が大きめのフードを選ぶのがおすすめです。

運動しやすい環境を整える

シャム猫は活発なため、室内でも十分に運動できるよう環境を整えてあげる必要があります。

自由に上下運動ができるキャットタワーやキャットウォークなどを設置すると、ストレス解消にも最適です。

誤飲しそうなものは片付けておく

シャム猫は「ウールサッキング(さまざまな物をしゃぶったり噛んだりする行動)」が多いため、誤飲しそうなものは片付けておく必要があります。

また、高いところにも簡単に登れるので、落下すると危険なものも片付けておくと安心です。

長時間の留守はなるべく控える

シャム猫は寂しがり屋で、ひとりでいるのが得意ではありません。

長時間の留守は控え、なるべく一緒にいてあげるようにしましょう。

遊びやスキンシップの時間を多く取る

人懐っこいシャム猫は、人と遊んだり、触れ合ったりするのが大好きです。

お気に入りのおもちゃを用意して一緒に遊んだり、抱っこしてなでたりする時間を多くとってあげると喜びます。

シャム猫(サイアミーズ)のお手入れ方法

シャム猫(サイアミーズ)のお手入れ方法

シャム猫のお手入れのポイントは、主に以下の2つです。

  • 週2〜3回ほどブラッシングする
  • 定期的に爪をチェックする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

週2〜3回ほどブラッシングする

シャム猫は短毛かつシングルコートのため、週2〜3回ブラッシングする程度で十分です。

ブラッシングの際には、かぶれているところやケガしているところがないかなど、健康状態のチェックもおこないましょう。

定期的に爪をチェックする

爪が伸びる速度には個体差があります。定期的に爪をチェックし、伸びていたら切るようにしましょう。

シャム猫は活動的なので、爪が伸びていると家具を傷めやすいため注意が必要です。

シャム猫(サイアミーズ)がかかりやすい病気

シャム猫(サイアミーズ)がかかりやすい病気

シャム猫は、以下のような病気にかかりやすい傾向があります。

  • 喘息
  • 慢性腎臓病
  • 尿石症
  • 拡張型心筋症
  • 乳び胸
  • 幽門狭窄症
  • 内斜視
  • 眼球振盪

それぞれの病気の特徴を見ていきましょう。

喘息

シャム猫をはじめ、シャム猫の血が混じった猫種は喘息を発症しやすい傾向があります。

急に咳をし始め、「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という苦しそうな呼吸やえずきなどの症状が現れます。 重度の場合は命にかかわるため、開口呼吸やチアノーゼなどの症状が現れている場合は、速やかに動物病院で受診してください。

慢性腎臓病

慢性腎臓病とは、なんらかのきっかけで腎臓の機能が徐々に低下していく病気です。

症状としては、多飲多尿や食欲不振、体重の減少、嘔吐、痙攣(けいれん)発作などが挙げられます。

高齢の猫によく見られますが、特にシャム猫は「遺伝的な要因で慢性腎臓病にかかりやすい」といわれています。

尿石症

尿石症(尿路結石症)とは、尿管や膀胱、尿道の内部に、結晶や結石ができる病気です。

頻繁にトイレに行くのに尿があまり出ない、排尿時に痛そうにしている、血尿が出るなどの症状が現れます。 結石が尿道を塞ぐと、尿毒症(にょうどくしょう)を引き起こし、命にかかわることもあるので注意が必要です。

拡張型心筋症

拡張型心筋症とは、心臓の筋肉になんらかの異常が起こって薄くなり、心臓の働きが低下する病気です。

初期症状はほとんどなく、進行すると苦しそうな呼吸や足のむくみ、後ろ足を引きずる、下半身が冷たくなる、触ると怒るなどの症状が現れます。

シャム猫やアビシニアンが好発種として挙げられますが、発症の原因はわかっていません。

乳び胸

シャム猫は、検査をしても原因が特定できない「特発性」の乳び胸(にゅうびきょう)の好発種とされています。

乳び胸とは、胸管のリンパ流量の増加、またはリンパ管圧の上昇などにより、胸腔内に乳び胸水が溜まる病気です。

進行すると元気がなくなり、食欲の低下や咳、大きな呼吸(努力性呼吸)、呼吸困難などの症状が現れることがあります。

幽門狭窄症

幽門狭窄症(ゆうもんきょうさくしょう)とは、胃の出口(幽門)が狭くなり、胃の中にあるものが腸に流れにくくなる病気です。

慢性的な吐き気や嘔吐が主な症状で、治療法は、内科療法と外科療法があります。

明確な原因はわかっていませんが、特にシャム猫のオスは先天性の幽門狭窄症にかかりやすいとされています。

内斜視

内斜視とは、片目が内側に向いてしまう症状を指します。

猫の内斜視の多くは、先天的な遺伝性のものです。 しかし、なかには眼球の筋肉や神経、脳の異常が原因で起こるケースもあります。

眼球振盪

眼球振盪(がんきゅうしんとう)とは、眼球が小刻みに動いてしまう病気で「眼振(がんしん)」とも呼ばれます。

内耳の異常から生じる症状の1つで、特に高齢の猫に多いとされています。

シャム猫(サイアミーズ)の子猫を迎える方法

シャム猫(サイアミーズ)の子猫を迎える方法

シャム猫(サイアミーズ)の子猫を家族として迎えるためには、主に次のような方法があります。

  • ペットショップやブリーダーから入手する
  • 里親として迎える

それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

ペットショップやブリーダーから入手する

シャム猫は、一般的なペットショップでも入手可能です。

ペットショップで出会えない場合は、ブリーダーから直接入手することもできます。

里親として迎える

里親として、保護猫のシャム猫を引き取るという選択肢もあります。

里親募集をおこなっているのは、主に次のような場所です。

  • 保健所
  • 動物愛護センター
  • 譲渡会
  • 保護施設
  • 里親募集サイト

保護猫の譲渡には条件があるため、詳しくはそれぞれの団体や機関に確認してください。

シャム猫(サイアミーズ)の価格相場

シャム猫(サイアミーズ)の価格相場

シャム猫(サイアミーズ)の価格相場は、10万円から20万円前後です。

ただし、血統書の有無やタイミングによっても販売価格は異なります。

シャム猫(サイアミーズ)のよくある質問

シャム猫(サイアミーズ)のよくある質問

ここからは、シャム猫に関する以下の質問に答えていきます。

  • シャム猫は性格が悪い?初心者には飼いにくい?
  • シャム猫みたいな雑種の野良猫がいるのはなぜ?
  • 「シャム猫もどき」とは?
  • 「シャム猫の色変わりすぎ選手権」とは?

回答を順番に見ていきましょう。

シャム猫は性格が悪い?初心者には飼いにくい?

シャム猫は賢く、人懐っこい性格のため、初心者でも比較的飼いやすい猫種です。

ただし、寂しがり屋なのでひとりぼっちにさせすぎると、いたずらをしてしまうこともあります。 そのため、留守にする時間が多く、あまり構ってあげられないという人には向いていません。

シャム猫みたいな雑種の野良猫がいるのはなぜ?

昨今では、猫は室内飼いが推奨されていますが、家と外を自由に行き来させるのが当たり前の時代もありました。

その際、繁殖力の高いシャム猫が日本猫と盛んに交配したため、シャム柄の野良猫が見られるようになりました。

「シャム猫もどき」とは?

シャム猫を片親に持つシャムミックス(雑種)を「シャム猫もどき」と呼ぶ人もいます。

「シャム猫もどき」という猫種がいるわけではありません。

「シャム猫の色変わりすぎ選手権」とは?

子猫時と成猫時の写真を載せてビフォーアフターを楽しむ、SNSで人気のハッシュタグです。

シャム猫はサイアミーズ遺伝子の関係で、生まれてすぐは白く、徐々に黒い部分が濃く現れてくるため、色が大きく変化します。

まとめ:シャム猫の特徴をよく理解しておきましょう

まとめ:シャム猫の特徴をよく理解しておきましょう

今回はシャム猫(サイアミーズ)について詳しく解説しました。

最後にあらためて特徴を表にまとめます。

性格 人懐っこい、賢い、遊び好き、甘えん坊、コミュニケーション好き、よく鳴く、寂しがり屋、神経質、嫉妬深い、警戒心が強い
被毛 短毛のシングルコート 柄:ポイント(顔の中央、耳、四肢、尻尾が濃い色) 色:シール、チョコレート、ブルー、ライラック
体高・体重 体高:25〜27cm前後・体重:3〜5kg前後
平均寿命 10〜13歳

シャム猫は、凛とした見た目とは裏腹に、甘えん坊で寂しがり屋な性格の持ち主です。

飼い主に対して話しかけるように鳴くことも多いため、猫とたくさんコミュニケーションを取りたい人に向いています。

ぜひこの記事の内容を、シャム猫に関する知識の習得に役立ててください。



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