チワワの性格は臆病?オス・メスの違いからしつけのコツまで解説

2025.04.10

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世界最小の犬種として知られるチワワは、その小さな体と大きな瞳で多くの人々を魅了しています。チワワの飼い主の中には「性格が悪い」と悩む方もいれば、「甘えん坊で可愛い」と喜ぶ方もいます。

この記事では、チワワの基本的な性格や特徴からオス・メスでの違い、種類ごとの傾向、しつけ方までを詳しく解説します。これからチワワを迎える方も、すでに飼っている方も、チワワの性格を理解して、より良いパートナーシップを築く参考にしてください。

チワワの基本情報

チワワは、体高約12~23cm、体重約1.5~3kgという世界最小級の犬種です。原産国はメキシコで、名前の由来はメキシコの州名「チワワ州」から来ています。小型サイズながら非常に長寿で、平均寿命は14~18年と言われています。

日本では長年人気の高い犬種で、ペットとして飼われるだけでなく、テレビやSNSなどでも人気の高い犬種です。小型で飼いやすいと思われがちですが、実は独特の気質や性格を持っており、理解して適切に接することが大切です。

チワワの起源と歴史

チワワの起源については諸説ありますが、メキシコの先住民族アステカ人が飼っていた「テチチ」という小型犬が祖先と考えられています。16世紀にスペイン人がメキシコを征服した際に発見されました。

19世紀後半にアメリカでブリーディングが進み、1904年にアメリカンケネルクラブに正式登録されました。現在のチワワの姿に近づいたのは比較的最近のことで、もともとは宗教的な儀式や薬用、食用として利用されていたとも言われています。

チワワは超小型犬に位置付けられる

チワワはFCI(国際畜犬連盟)の分類では、第9グループ「愛玩犬・伴侶犬」のセクション6「チワワ」に単独で分類されています。その小ささから「超小型犬(トイドッグ)」と呼ばれることもあります。

猟犬や牧羊犬などとは異なり、主に人間の伴侶としての役割を果たしてきた犬種です。現代では、愛玩犬としての性質が強く、家族の一員として多くの家庭で飼われています。

チワワの基本的な性格と7つの特徴

チワワの基本的な性格として、7つの特徴を紹介します。ただし、これらはあくまで傾向であり、個体差があることを理解しておきましょう。

1. 勇敢で大胆な性格

チワワは、その小さな体に反して勇敢さを持ち合わせています。自分より何倍も大きな犬に対しても臆することなく対峙し、時には吠えかかることもあります。この勇敢な性格は、飼い主を守ろうとする強い本能の表れです。

しかし、この特性が行き過ぎると、必要以上に吠えたり、攻撃的な行動を取ることもあります。適切なしつけで社会性を身につけさせることが重要です。

2. 警戒心が強い

チワワは非常に警戒心が強く、見知らぬ人や動物に対して慎重な姿勢を取ります。この特性は、番犬としての役割を果たすこともありますが、社会化が不十分だと極端な警戒心や恐怖心につながることがあります。

子犬の頃から様々な人や環境に慣れさせることで、バランスの取れた警戒心を持つ犬に育てることができます。

3. 飼い主に献身的

チワワは飼い主に非常に忠実で献身的です。特定の家族メンバーに強く愛着を示し、常に側にいたがる傾向があります。この強い絆は、チワワを家族の一員として迎える上での大きな魅力といえるでしょう。

一方で、過度の愛着は分離不安につながることもあるため、適度な距離感を教えることも大切です。

4. 甘えん坊でスキンシップが好き

チワワは甘えん坊で、飼い主からの愛情表現やスキンシップを求める傾向があります。膝の上に乗ったり、そばにいたりすることを好み、飼い主からの愛情を常に確認したがります。

甘えん坊な性格ゆえに家族との絆が深まりますが、過度に依存しないよう、自立心も育てることが大切です。

 5. 好奇心旺盛で活発

チワワは好奇心が強く、新しいものや環境に興味を示します。小型ながら活発で、家の中を走り回ったり、おもちゃで遊んだりすることが好きな性格です。この活発さは、適度な運動を提供することで健全に発揮されます。

ただし、興奮しやすい面もあるため、落ち着いた行動を教えることも必要です。

6. 縄張り意識が強い

チワワには強い縄張り意識があります。自分のテリトリーや所有物を守ろうとする本能が強く、他の犬や人に対して警戒心を示すことがあります。そのため、適切なしつけがないと問題行動につながることもあります。

幼い頃から社会化を進め、異なる環境や他の犬、人との触れ合いを経験させることが重要です。

7. 頭が良く学習能力が高い

チワワは知能が高く、新しいことを学ぶ能力に優れています。基本的なしつけから複雑なトリックまで、適切な方法で教えれば習得することができます。この知性の高さが、チワワを扱いやすい犬種にしている一因です。

ただし、賢さゆえに時に頑固さを見せることもあり、一貫したトレーニングが必要です。

オスとメスで違う?チワワの性別による性格の違い

チワワはオスとメスで性格に違いがあると言われています。性別による一般的な傾向を理解しておくことで、自分に合ったチワワを選ぶ参考になるでしょう。

オスの性格と特徴

オスのチワワは一般的に以下のような特徴を持っています。

  • エネルギッシュで活動的
  • 飼い主に対して積極的に甘えてくることが多い
  • マーキング行動などの縄張り主張が見られることがある
  • 見知らぬ人にも比較的早く慣れる傾向がある
  • 自分の意思をはっきり示す傾向がある

オスは飼い主に対して積極的に愛情を示すことが多く、常に関心を求める傾向があります。去勢することで、マーキングなどの問題行動が軽減されることもあります。

メスの性格と特徴

メスのチワワには以下のような特徴が見られることが多いです。

  • オスに比べて落ち着いた行動を取ることが多い
  • 飼い主の言うことを聞き入れやすい傾向がある
  • 見知らぬ人や環境に対して慎重な態度を取る
  • 甘えるタイミングを選ぶ傾向がある
  • 特に発情期には性格が変化することがある

メスは飼い主に対して忠実で従順な面があり、しつけがしやすいと言われることもあります。ただし、発情期には性格が変わることもあるため、避妊手術を検討する飼い主も多いです。

去勢・避妊後の性格変化

チワワも他の犬種と同様に、去勢・避妊手術後に性格が変化することがあります。一般的には以下のような変化が見られます。

性別

手術前

手術後

オス

  • 縄張り意識が強い
  • マーキング行動が見られる
  • 他の犬に対して攻撃してしまう
  • 落ち着いた性格に
  • マーキングが減少する
  • 攻撃性が低下する

メス

  • 発情期に気分が不安定になる
  • 鳴き声が増える
  • 落ち着きがなくなる
  • 安定した性格に
  • 発情による変化がない
  • 母性本能が低下する

去勢・避妊手術は健康上のメリットもあり、多くの獣医師が推奨しています。ただし、手術のタイミングや必要性については獣医師と相談することをおすすめします。

チワワの種類別|毛質・毛色による性格の違い

チワワには大きく分けて2種類の毛質があり、それぞれに特徴的な性格傾向があると言われています。また、毛色による性格の違いについても興味を持つ方が多いでしょう。

ここでは、毛質・毛色による性格の違いについて紹介します。

スムースコートチワワの性格

スムースコート(短毛)チワワは、以下のような性格傾向があると言われています。

  • エネルギッシュで動き回ることを好む
  • 比較的独立心があり、一人の時間も平気なことが多い
  • 見知らぬ人や状況に対して警戒する傾向がある
  • 適切な社会化がされていれば、他の犬や人と仲良くなれる

スムースコートチワワは活動的で好奇心旺盛な傾向があり、遊びや運動を積極的に楽しむことが多いです。ただし寒さに弱いため、冬場は特に注意が必要です。

ロングコートチワワの性格

ロングコート(長毛)チワワには、以下のような性格の特徴が見られることがあります。

  • 穏やかで落ち着いている
  • 飼い主に対して甘えん坊な一面を見せることが多い
  • ブラッシングなどのお手入れにも耐えることができる
  • ややシャイな性格を持つことがある

ロングコートチワワは優しく従順な性格の傾向があり、家族との穏やかな時間を好むことが多いです。定期的なブラッシングなどのお手入れが必要ですが、そのおかげで飼い主との絆が深まることもあります。

毛色による性格の違いは?

チワワには多様な毛色がありますが、毛色と性格の関連性については科学的な証拠はありません。一般的に言われる毛色による性格の違いは、以下のようなものです。

  • ブラック・タン:活発で勇敢
  • フォーン(茶色):温厚で優しい性格
  • ホワイト:甘えん坊で人懐っこい
  • チョコレート:知的で落ち着いている

ただしこれらはあくまで俗説であり、実際の性格は個体差や育った環境、しつけによって大きく左右されます。毛色で性格を判断するのではなく、個々の犬の性格をよく観察することが大切です。

チワワは初心者でも飼いやすい?飼育難易度と注意点

チワワは小型で飼いやすいと思われがちですが、実際はどうなのでしょうか。ここでは、チワワの飼育難易度と注意点を紹介します。

チワワは初心者向け?

チワワは小型犬で見た目も可愛らしく、初心者に人気の犬種です。実際、運動量が少なく、室内で飼いやすい点は初心者向きといえます。

しかし、警戒心が強く、吠えやすい性格の子も多いため、しつけが重要になります。また、寒さに弱く、骨が華奢でケガをしやすいので、環境管理や取り扱いに気を配る必要があります。

初心者でも愛情と時間をかければ飼育可能ですが、事前に特徴を理解し、準備を整えることが成功のカギです。

初心者が飼う際の注意点

チワワを初めて犬を飼う方が選ぶ際は、以下の点に注意すると良いでしょう。

  • 怪我をしやすいため、扱いに注意
  • 犬の頃から様々な人や環境に慣れさせる
  • 甘やかし過ぎない
  • 寒さに弱いため、冬場は特に防寒対策が必要
  • 小型犬特有の病気に注意し、定期的な獣医師の診察を受ける

チワワは適切な知識と心構えがあれば、初心者でも十分に飼育できる犬種です。ただし、見た目の可愛さだけで選ぶのではなく、その特性をよく理解した上で迎え入れることが大切です。

チワワのしつけ方

チワワは賢い犬種ですが、その独立心の強さや警戒心の強さから、適切なしつけが必要です。特に問題となりやすい「無駄吠え」への対処法と基本的なしつけについて解説します。

チワワの無駄吠え対策

チワワは警戒心が強く、よく吠える傾向があります。以下の方法で無駄吠えを軽減できる可能性があります。

  • 無駄吠えの原因を特定する
  • 様々な人や環境に慣れさせる
  • 運動でストレスやエネルギーを発散させる
  • 注目を求めて吠える場合は、吠えている間は完全に無視する
  • 吠えをやめて落ち着いたら、すぐに褒めて報酬を与える
  • 吠えたときに「静か」などの合図を出し、従ったら褒める
  • 家族全員が同じルールを守り、一貫したしつけを行う

チワワの無駄吠えを完全になくすことは難しいかもしれませんが、根気強く適切なトレーニングを続けることで、大幅に改善することができます。

基本的なしつけのポイント

チワワのしつけで特に重要なポイントは以下の通りです。

  • 子犬の頃から様々な人、動物、環境、音に慣れさせる
  • 良い行動は褒める
  • チワワは集中力が短いため、短時間で頻繁なトレーニングを行う
  • ルールを一貫して守らせる
  • 頑固な面もあるため、根気強く繰り返し教える

また基本的なしつけとして、以下の号令を教えておくと良いでしょう。

号令

教え方のコツ

お座り

おやつを頭上に持っていき、自然と座ったらすぐに褒めて報酬を与える

待て

お座りの状態から「待て」と言い、少し距離を取り、待てたら褒める

おいで

名前を呼んで「おいで」と言い、来たらすぐに褒めて報酬を与える

ハウス

指定した場所に誘導し、そこで落ち着いたら褒める

ストップ

吠えたときに「ストップ」と言い、静かになったらすぐに褒める

チワワは知能が高く、適切な方法で教えれば様々なことを学習できます。しかし、小さな体に合わせた優しいしつけを心がけ、決して体罰や強圧的な方法は使わないようにしましょう。

チワワに気をつけたい病気と健康管理

チワワは比較的長寿な犬種ですが、小型犬特有の健康上の問題があります。主な病気とその予防法について知っておきましょう。

チワワがかかりやすい主な病気

チワワに特に注意したい病気には以下のようなものがあります。

病名

詳細

水頭症

頭蓋骨の中に脳脊髄液が過剰に溜まる病気で、ドーム型の頭を持つチワワに多い

膝蓋骨脱臼

膝のお皿が正常な位置からずれる病気で、歩行異常が見られる

気管虚脱

気管が平たく潰れる病気で、「ガチョガチョ」という咳が特徴的

歯周病

小さな顎に多くの歯が詰まっているため、歯の問題が起きやすい

低血糖

特に子犬や若いチワワに多く、突然の衰弱やけいれんが見られる

心臓病

僧帽弁閉鎖不全症などの心臓の問題が年齢とともに増える

目の問題

白内障、緑内障、ドライアイなどの目の病気にかかりやすい

骨折

小さく繊細な骨を持つため、転倒や飛び降りで骨折しやすい

これらの病気は早期発見と適切な治療が重要です。定期的な獣医師の検診を受け、少しでも異常を感じたらすぐに相談しましょう。

日常の健康管理のポイント

チワワの健康を維持するための日常のケアポイントは以下の通りです。

  • 高品質で年齢に合ったドッグフードを適量与える
  • 歯磨きや歯科用おやつで歯周病を予防する
  • 過度の運動は避け、軽い散歩や室内遊びで体を動かす
  • 肥満は様々な健康問題を引き起こすため、適正体重を維持する
  • 年に1〜2回は獣医師の検診を受ける
  • 適切なワクチンスケジュールに従う
  • 極端な温度変化から守り、特に寒さには注意する

チワワは寒さに弱いため、冬場は特に注意が必要です。体温調節が苦手なため、寒い時期には服を着せるなどの対策を取りましょう。

チワワと相性の良い飼い主の特徴

チワワは誰にでも適した犬種ではありません。特に相性が良いのは以下のような特徴を持つ飼い主です。

  • 甘やかさず、きちんとしつけができる人
  • 忍耐強く接することができる人
  • 家で過ごす時間が長い人
  • 細やかな気配りができる人

一方で、以下のような人はチワワとの生活に苦労する可能性があります。

  • 長時間家を空ける人
  • 小さな子供がいる家庭(チワワが怪我をする可能性がある)
  • 細かいしつけをする時間や忍耐力がない人

チワワを飼うなら、その特性をよく理解し、適切なケアとしつけを提供できるかを十分に考慮しましょう。

飼い主の悩みQ&A

実際にチワワを飼っている方によくある質問と回答をまとめました。

Q: チワワの無駄吠えがひどくて困っています。どうすればよいですか?
A: 吠える原因を特定し、社会化を進めることが大切です。また、吠えたときは無視し、静かにしたときに褒めるというポジティブな強化法が効果的です。

Q: チワワが他の人に警戒して噛みつくことがあります。どうすれば改善できますか?
A: 子犬の頃からの社会化が重要ですが、成犬でも徐々に様々な人と良い経験をさせることで改善できます。無理に触らせず、チワワのペースで慣れさせましょう。

Q: チワワが留守番中に吠え続けて近所から苦情が来ます。対策はありますか?
A: 分離不安の可能性があります。短時間の留守番から徐々に慣らす、出かける前に十分な運動をさせる、おもちゃなどで気を紛らわせるなどの対策が有効です。

Q: チワワが他の大型犬に吠えかかって危険です。どうすればよいですか?
A: リードをしっかり持ち、大型犬との距離を保ちましょう。また、他の犬を見たら「座れ」などのコマンドで注意をそらし、従ったら褒めるという訓練が効果的です。

Q: チワワが食べ物の好き嫌いが激しくて困っています。どうすればよいですか?
A: 人間の食べ物を与えずに、良質なドッグフードを規則正しく与えましょう。食事の時間を決め、15〜20分で食べなければ下げるという習慣をつけると改善することがあります。

まとめ

チワワは小さな体に大きな個性と魅力を詰め込んだ犬種です。勇敢で忠実、賢く学習能力が高いという性格で、愛情深い一面が多くの人に愛されています。

初心者にもおすすめの犬種ではありますが、しっかりとしたしつけが必要です。チワワの特性をよく理解し、適切なケアとトレーニングを欠かさずに行えば、15年以上にわたる素晴らしいパートナーシップを築くことができるでしょう。



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