カワウソの種類や特徴、習性|ペットにできない理由も解説
2024.04.04
- 目次
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- カワウソの種類
- ツメナシカワウソ属(ネコ目イタチ科ツメナシカワウソ属)
- コツメカワウソ
- ツメナシカワウソ
- カワウソ属(ネコ目イタチ科カワウソ属)
- ユーラシアカワウソ
- 二ホンカワウソ
- カナダカワウソ属(ネコ目イタチ科カナダカワウソ属)
- カナダカワウソ
- オオカワウソ属(ネコ目イタチ科オオカワウソ属)
- オオカワウソ
- ラッコ属(ネコ目イタチ科ラッコ属)
- ラッコ
- カワウソの特徴・生態
- 食性
- 体型・毛・歯
- 寿命
- 活動時間帯
- 行動範囲・縄張り
- 鳴き声
- 繁殖
- カワウソの習性
- 賢く好奇心旺盛
- 水遊びを好む
- 集団行動をする
- カワウソは絶滅危惧種
- カワウソはペットとして飼える?
- カワウソに関する豆知識・雑学
- カワウソは日本に野生でいる?
- カワウソはなぜ臭い?
- カワウソの天敵は?
- まとめ:カワウソに会いに動物園・水族館へ行きましょう
愛嬌のある可愛らしい見た目から注目されているカワウソ。カワウソにはどのような習性があるか、ペットとして飼えるかどうかなどが気になる方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、カワウソをペットとして飼うことは、原則不可です。この記事では、その理由を解説します。また、カワウソの種類や特徴、習性なども説明するので、ぜひ参考にしてください。
カワウソの種類
カワウソは、主に海岸や河川などの水辺に生息する動物で、ネコ目イタチ科カワウソ亜科に属しています。そのなかで、さらに細かく7属13種に分類されており、それぞれ生息地や大きさなどが異なります。
ここでは、代表的な以下の7種について、特徴を解説します。
- コツメカワウソ
- ツメナシカワウソ
- ユーラシアカワウソ
- 二ホンカワウソ
- カナダカワウソ
- オオカワウソ
- ラッコ
なお、日本の水族館や動物園でよく見られるのは、コツメカワウソ、ツメナシカワウソ、ユーラシアカワウソ、カナダカワウソ、ラッコの5種類です。
ツメナシカワウソ属(ネコ目イタチ科ツメナシカワウソ属)
ツメナシカワウソ属に属するのは、コツメカワウソとツメナシカワウソです。
コツメカワウソ
生息地 | 東南アジア・中国南部(河川・沼地・海岸) |
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体長 | 約60~90cm |
特徴 | 全13種のなかで最も小さい
手足の爪が小さい |
コツメカワウソは、全13種のカワウソのなかで最も小さい種類です。テレビ番組などでも度々取り上げられるため、見たことがある方も多いでしょう。
コツメカワウソは手足の爪が小さく、水かきがあるのが特徴です。インドやネパール、フィリピン、スマトラ島などに広く生息しており、低地から標高2,000mほどの範囲で生活しています。
ツメナシカワウソ
生息地 | アフリカ南部 |
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体長 | 約100cm |
特徴 | 前足の指に爪がない |
ツメナシカワウソは、名前のとおり、前足の指に爪がないのが特徴です。小さな爪が特徴であるコツメカワウソとは、この点が大きく異なります。また、体長はコツメカワウソよりも大きめです。
カワウソ属(ネコ目イタチ科カワウソ属)
カワウソ属に該当するのは、ユーラシアカワウソと二ホンカワウソの2種類です。
ユーラシアカワウソ
生息地 | アジア・ヨーロッパなどユーラシア大陸全土(海岸付近・淡水域) |
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体長 | 約80~100cm |
特徴 | カワウソのなかでも泳ぎが得意 |
ユーラシアカワウソは、ユーラシア大陸全土に生息しており、別名「ヨーロッパカワウソ」とも呼ばれています。
カワウソのなかでも特に泳ぎが得意で、体内に水が入らないように鼻や耳を閉じることができます。ただし、水中で呼吸ができるわけではなく、息を止められるのは30秒ほど。そのため、水面から顔を出して息継ぎする姿が見られます。
二ホンカワウソ
生息地 | 日本国内の広域 |
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体長 | 約100cm |
特徴 | レッドリストで絶滅種に指定 |
二ホンカワウソは、過去に日本に生息していたカワウソです。
しかし、毛皮を作るための捕獲や水質汚染などの影響により個体数は減っていき、2012年には環境省のレッドリストで絶滅種として指定されました。
カナダカワウソ属(ネコ目イタチ科カナダカワウソ属)
カナダカワウソ属には、カナダカワウソ、オナガカワウソ、ミナミウミカワウソなどが該当します。ここでは、そのなかでもポピュラーなカナダカワウソを紹介します。
カナダカワウソ
生息地 | 米国本土・カナダなどの北アメリカ(淡水域・塩水域) |
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体長 | 約80cm |
特徴 | 環境汚染に弱い
陸上で時速29kmで走れる |
カナダカワウソは、餌を捕えやすい淡水域や塩水域(河川・湖・沼沢地など)に生息しています。しかし、環境汚染に弱く、徐々に生息範囲は狭まってきています。
また、水中に8分まで留まることができるうえに、陸上では時速約29kmで走れることも特徴です。草や雪の上でも遊ぶなど、陸上でも生活しています。
オオカワウソ属(ネコ目イタチ科オオカワウソ属)
オオカワウソ属に属するのは、オオカワウソの1種のみです。
オオカワウソ
生息地 | ブラジル・ベネズエラ・ウルグアイなどの南米(アマゾン川・オリノコ川・ラプラタ川) |
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体長 | 約150~170cm |
特徴 | カワウソのなかで最大種
ワニやピラニアを捕食する凶暴さ |
オオカワウソは、カワウソのなかで最も大きい種類です。体長は約150~170cmで、尾を含めると2mを超える個体もいます。水かきやカギ爪が発達していることもオオカワウソの特徴です。
また、オオカワウソは、ワニやピラニアなども食べる点が他のカワウソとは大きく異なります。自分より大きく狂暴な生き物でも簡単に捕食する狂暴さは、「川のオオカミ」とも呼ばれるほどです。
ラッコ属(ネコ目イタチ科ラッコ属)
ラッコ属に該当するのは、ラッコのみです。
ラッコ
生息地 | 日本(北海道の一部)アラスカカナダロシア東部 |
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体長 | 約100~130cm |
特徴 | 基本的に水中のみで生活する
毛の密度が高く、体温を維持しやすい |
動物園や水族館で見かけるラッコは、カワウソの一種です。仰向けで水に浮く姿が印象に残っている方も多いでしょう。他のカワウソは水中以外でも活動しますが、ラッコは水中のみで生活しており、寝るときも海の上に浮かんだままです。
また、ラッコは毛の密度が高く、極寒のなかでも体温を維持できるのも特徴です。そのため、アラスカやカナダなどの地域でも暮らしていけます。
なお、ラッコは国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧種に分類されており、環境省のレッドリストでも絶滅危惧IA類に指定されました。日本の水族館や動物園でラッコを見られる場所は、三重県の「鳥羽水族館」と福岡県の「マリンワールド海の中道」の2か所のみとなっています(2024年3月時点)。
カワウソの特徴・生態
ここでは、カワウソの食性や寿命、行動時間帯など、主な特徴を解説していきます。
食性
カワウソは基本的に肉食で、魚や貝のほか、ザリガニやカニなどの甲殻類を食すことが多いです。魚であれば、どのような魚でも食べることができ、よく知られている魚では鮎や山女魚、アジやイワシなどがカワウソの餌として挙げられます。
生息地によって餌とするものは若干異なり、昆虫やカエル、鳥などの小型の動物を食べることもあります。
なお、カワウソは消化が早いため、何回にも分けて少しずつ食べます。1日で食べる量は、体重の1割ほどです。
目安としてオスなら約1.5kg、メスで約1.0kgの獲物が必要となります。鮎なら毎日10~15匹を食べる必要があります。体重の1割を必要とするのは、水中で活動するため、エネルギーを大量に消費するからです。
また、カワウソには盲腸がなく、体の大きさと比べると腸管が短い特徴があります。そのため、食べて数時間で排出してしまうのです。
フンには消化されていないものも多く含まれており、栄養やカロリーを吸収しきれていないことが示されています。そのため同じ大きさの動物と比べて、より多くの餌が必要なのです。
体型・毛・歯
カワウソの体には、泳ぐことに特化した特徴が多く見られます。体は細長く、耳が小さいことや前足が短いことで、水の抵抗を受けにくくなっています。尾は上下からつぶしたような平たい形で、泳ぐときに舵の役割を果たします。
さらに、泳いでいるときに水の上を見られるように目が顔の上のほうにあったり、体内に水が入らないよう鼻や耳の穴を閉じることができたりするのも、カワウソならでは。毛は、水をはじく外側の毛と、柔らかく空気を含む内側の毛の二層構造になっています。
このように泳ぎに適した体ですが、水中で呼吸ができるわけではなく、水中で息を止められるのは30秒ほどです。
そのほか、動物界でも群を抜く手先の器用さも特徴です。手足で物をつかむことができ、水中でも魚を捕まえられます。貝や甲殻類などの硬い物を噛み砕ける丈夫な歯を持ち、嗅覚も優れています。
寿命
飼育下にあるカワウソの寿命は10~15年ほどといわれています。生後1年以内に3割程度が死んでしまいますが、それを超えると10~15年ほど生き、なかには20年ほど生きる個体もいます。
野生下では1年生存率が50%を切り、その多くは事故や病気、食料不足が原因です。1年を超えたあとも、限られた環境のなかで生きられるのは5~6年と考えられています。
活動時間帯
カワウソは夜行性で、日の出前・日の入り後などの薄暗い時間帯や、夜間に活動します。
ただし、日中でもカワウソが動いている姿を見ることは可能です。特に冬の間は、昼の時間帯にも活動することが多くなります。
行動範囲・縄張り
カワウソは巣を中心に休憩場所や育児場所、餌をとる漁場などを確保します。行動範囲は広く、一晩でメスは往復10km程度、オスは50km程度移動することも珍しくありません。移動中には休憩場所や簡易の寝場所で休んでいます。
巣は自然にできた穴や岩を利用してつくり、サインポストとして巣の周辺に排便をします。
鳴き声
カワウソは12種類以上の声を使い分け、鳴き声でコミュニケーションを取っています。
「キューキュー」など子犬のような声や、大きな鳴き声を発することもあります。
繁殖
カワウソの繁殖は一年中見られ、年に2回出産することも。妊娠期間は約60日で、初産では1~3頭、多いときで6頭の子どもを産みます。
コツメカワウソは一夫一妻制ですが、カナダカワウソのように一夫多妻制のカワウソの種類もあります。カワウソは家族の絆が強く、夫婦で協力して子育てをします。
カワウソの習性
次に、カワウソの習性を紹介します。カワウソがどのような性格なのかを見ていきましょう。
賢く好奇心旺盛
カワウソは賢いため、いたずらをします。ケージに入れても、開け方を覚えると自分で開けてしまうほどです。
水遊びを好む
カワウソはもともと水辺に生息しているため、水遊びは欠かせません。動物園で飼育する際にも、毎日大量の水が使用されています。
集団行動をする
カワウソの多くは単独で暮らしますが、コツメカワウソは家族で集団行動をします。そのほか、オオカワウソも群れをつくって行動します。
カワウソは絶滅危惧種
カワウソは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種や危急種として保護の対象となっています。
カワウソはペットとして飼える?
ペットとして人気があったコツメカワウソは、ワシントン条約の「付属書Ⅱ」から「付属書Ⅰ」に引き上げられ、商業目的の国際的な取引が原則禁止となりました。
日本国内でも、種の保存法により、売買や譲渡、貸し借りなどを含む譲り渡し等は原則禁止されています。商取引か無償か、個人か事業者かを問わず、ペットとして新規に譲り渡すことができないため、これからカワウソを飼うことは原則不可となります。
カワウソに関する豆知識・雑学
ここでは、カワウソに関して以下の豆知識・雑学をお届けします。
- カワウソは日本に野生でいる?
- カワウソはなぜ臭い?
- カワウソの天敵は?
気になる項目をチェックしてみてください。
カワウソは日本に野生でいる?
かつて日本にはニホンカワウソという種類が生息していましたが、1979年以降は生きた姿を目撃されていません。毛皮を作るための捕獲や水質汚染などの影響により減っていき、2012年には環境省のレッドリストで絶滅種として指定されました。
また、カワウソの一種であるラッコは、北海道の一部に野生で見られることがあります。しかし、ラッコもレッドリストで絶滅危惧IA類に指定されており、絶滅の危険性が高いと考えられています。
カワウソはなぜ臭い?
カワウソは直腸の両側に臭いの強い液を分泌する肛門腺があり、それが原因で臭いがします。
カワウソの天敵は?
オオカワウソのようにワニやピラニアを食べるカワウソもいますが、多くのカワウソにとっては、同じ肉食動物であるワニ・ヘビ・ジャガーなどが天敵といわれています。
まとめ:カワウソに会いに動物園・水族館へ行きましょう
サイズの小さなコツメカワウソのイメージの強いカワウソですが、体の大きなオオカワウソなど、さまざまな種類があります。また、意外に思うかもしれませんがラッコも、カワウソの一種です。もともと水辺に住む生き物のため水遊びを好み、好奇心旺盛でよくいたずらをするところも特徴です。
カワウソは絶滅危惧種や危急種として保護の対象となっており、日本でも譲渡や売買は禁止されています。そのため、カワウソをペットで飼うことは原則としてできません。カワウソに会いたい場合は、動物園や水族館に行って楽しみましょう。