金魚の飼い方ガイド!水槽の設置手順や長生きさせるポイントを解説
2024.05.15
- 目次
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- 初心者でも始められる:金魚の飼い方の3ステップ
- 金魚を飼うときに必要なもの
- 水槽
- 飼育水
- カルキ抜き剤
- ろ過装置
- エアーポンプ
- 砂利
- 餌
- その他(あるとよいもの)
- 水温計
- ヒーター
- オブジェ・水草など
- 金魚の水槽をセットする手順
- 1.水槽を用意する
- 2.水槽内をレイアウトする
- 2-1.砂利を敷く
- 2-2.水槽に機器類を取り付ける
- 2-3.オブジェなどをレイアウトする
- 3.水を入れる
- 3-1水草を植え付ける
- 4.金魚を水槽へ入れる
- 金魚のお世話の仕方
- 餌のあげ方
- 水槽の水換え・掃除方法
- 金魚を飼うときの注意点
- 水温が5℃以下になると冬眠する
- 飼育環境によっては共食いする可能性がある
- 金魚は単種飼育が向いている
- 金魚を長生きさせるためのポイント
- 水質をきれいに保つ
- 大きめの水槽を選ぶ
- 金魚を少なめに飼う
- 混泳させる前に薬浴させる
- 他の動物に攻撃されないよう対策する
- 病気のサインに気付いたら早めに塩水浴をおこなう
- 金魚がかかりやすい病気や症状
- 白点病
- 尾腐れ病
- 水カビ病
- 消化不良(餌病)
- エラ病
- 赤斑病
- 穴あき病
- 金魚の種類
- フナ型
- 丸い体型
- 特殊体型
- まとめ:金魚のいる暮らしを始めてみましょう
金魚は夏祭りで見かけることも多く、なじみのある方が多いでしょう。小ぶりなサイズ感や値段も手頃なことから飼いやすいイメージがありますが、注意点もあります。
この記事では金魚の飼い方や餌、飼育に必要なものを解説します。かかりやすい病気や長生きさせるための秘訣も説明するので、ぜひ参考にしてください。
初心者でも始められる:金魚の飼い方の3ステップ
金魚は3つのステップで初心者の方も飼育できます。
- 必要なものを揃える
- 水槽をセットする
- 日々のお世話をする
必要なものを揃えて、環境を整えることが第1ステップです。次の章では、必要なアイテムをご紹介します。
金魚を飼うときに必要なもの
金魚を飼うために必要なものは、次のとおりです。
- 水槽
- 飼育水
- カルキ抜き剤
- ろ過装置
- エアーポンプ
- 砂利
- 餌
- 水温計
- ヒーター
- オブジェ・水草など
順に解説していきます。
水槽
四角形のものから鉢型、装飾的なデザインのものまで、さまざまな水槽があります。飼育予定の金魚の数やサイズに合わせ、成長を見越して適切な容量の水槽を選びましょう。金魚2~3匹なら約10L、5~6匹なら約30Lの容量が目安です。
飼育水
金魚の飼育に際して、水道水をそのまま利用することは推奨されません。専用の飼育水を使用するか、水道水を使う場合は、事前にカルキを除去する必要があります。
カルキ抜き剤
カルキ抜き剤を使うことで、水道水のカルキを簡単に除去できます。 液体タイプ、固形タイプなどの種類があり、カルキが抜ける時間や使い方はそれぞれ異なります。
ろ過装置
きれいな水質を維持するには、ろ過装置が必要です。金魚の品種のなかには泳ぎが苦手なものもあるため、穏やかな水流になる装置が推奨されます。
エアーポンプ
エアーポンプを設置することで、水槽内に十分な酸素を供給することが可能となります。
砂利
砂利には、水槽内の見た目を装飾するだけでなく、機能的なメリットもあります。水槽のガラスに反射した光は金魚にとって眩しく、ストレスとなることがありますが、砂利を敷くことで軽減できます。
さらに、ろ過機能を持つ砂利を使用することで、水質を清浄に保つ効果も期待できます。
餌
金魚の餌には、人工フード、生餌、冷凍餌などの種類があります。浮上性の人工フードは水面に留まるため、食べ残しを容易に確認でき、餌の与えすぎを防ぐ効果があります。
一方、沈下性の餌は水面まで上がる必要がなく、泳ぎが得意でない金魚にも摂取しやすい点がメリットです。浮上性の餌が主流ですが、金魚の種類や健康状態に応じて沈下性の餌を与えることが推奨されます。また、食欲が落ちているときは、生餌の提供が効果的です。
その他(あるとよいもの)
ここまでは必須のものを紹介しましたが、以下のものも揃えるとよりよいでしょう。
水温計
金魚の健康を維持するには、水温管理のために水温計があると便利です。アナログ式の水温計は安価で購入が可能です。
ヒーター
水温を一定に保つため、温度計に加えてヒーターも用意しておくとよいでしょう。
オブジェ・水草など
水槽の見た目を美しく演出するためには、石や流木、水草などによる装飾が有効です。
金魚の水槽をセットする手順
必要なものを用意したら、以下の手順で水槽をセットします。
- 水槽を用意する
- 水槽内をレイアウトする
- 水を入れる
- 金魚を水槽へ入れる
順番に見ていきましょう。
1.水槽を用意する
まずは水槽を用意し、置き場所を決めて設置します。
2.水槽内をレイアウトする
水槽を設置したら、中のものをレイアウトしていきます。
2-1.砂利を敷く
はじめに砂利(底砂)を敷きます。砂利は使用前に水で洗いますが、洗浄が不要な製品もあります。水槽の底全体に、厚さが2~4cmになるように敷き詰めます。
2-2.水槽に機器類を取り付ける
水槽にろ過フィルターやヒーターを取り付けます。コードが絡まらないように整えると、水槽まわりの見た目がスッキリします。また、水が飛び散って電気回路がショートすることのないよう、電源まわりの配置に配慮が必要です。
2-3.オブジェなどをレイアウトする
石や流木などのオブジェを設置し、位置を調整しながらレイアウトします。
3.水を入れる
水槽の8分目までを目安に、水を入れます。水道水を使用する際は、カルキ抜き剤を用いて処理しましょう。
3-1水草を植え付ける
水草の設置にはピンセットなどの道具を使用します。植え方によって水槽の外観が大きく変化するので、考えながら行ってください。
4.金魚を水槽へ入れる
金魚を水槽に導入する際は、購入時の袋に入れたまま水面に浮かべてください。これは、袋内の水温と水槽の水温を同一にするためです。
その後、金魚を水槽へ移し、水槽の水を軽くかき混ぜることで、水温を均一に保つのが効果的です。
金魚のお世話の仕方
金魚のお世話の仕方について、以下の2つを解説します。
- 餌のあげ方
- 水槽の水換え・掃除方法
それぞれ見ていきましょう。
餌のあげ方
金魚の給餌量は、その大きさや種類に応じて変わりますが、1分以内で食べきれる量が適切です。日に1~2回の給餌を行い、餌のパッケージに記載された量を超えないようにしましょう。
金魚が餌に積極的であるからといって、過剰に与えることは健康上好ましくありません。餌を多く与えれば成長は促されますが、与え過ぎは消化器官に負担をかけ、消化不良を引き起こすことがあります。一度に多くを与えるのではなく、数回に分けて、適量を与えることが望ましいです。
水槽の水換え・掃除方法
金魚は他の魚と比べて食欲が旺盛であり、排泄量も多いため、水槽の汚れが早く進むといわれています。そのため、1~2週間に1度、水換えと清掃をおこなうことが適切です。
水槽内部の側面や角に付着した汚れを取り除き、底にたまった排泄物などを掃除します。同時に、一部の水を抜き取り、新しい飼育水を追加します。水の入れ替え量は、全体の1/3~1/5程度にしてください。
金魚を飼うときの注意点
金魚を飼うときの注意点は、以下の3つです。
- 水温が5℃以下になると冬眠する
- 飼育環境によっては共食いする可能性がある
- 金魚は単種飼育が向いている
それぞれ解説していきます。
水温が5℃以下になると冬眠する
金魚の生育温度は、一般的に摂氏5~30℃程度が適切です。この温度を下回ると金魚は冬眠状態に入ります。冬眠中は餌を与える必要がないため、水換えも不要です。また、水質も悪化しません。
飼育環境によっては共食いする可能性がある
餌が足りない、体格差がある、弱った金魚がいるなどの状況で共食いをすることがあります。金魚を少なめに飼う、弱っている金魚がいないか注意する、などで対策しましょう。
金魚は単種飼育が向いている
泳ぎが速い種類と泳ぎが得意ではない種類は同じ水槽に入れないほうがよいです。単種で飼育するとよいでしょう。
金魚を長生きさせるためのポイント
金魚を長生きさせるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 水質をきれいに保つ
- 大きめの水槽を選ぶ
- 金魚を少なめに飼う
- 混泳させる前に薬浴させる
- 他の動物に攻撃されないよう対策する
- 病気のサインに気付いたら早めに塩水浴をおこなう
詳しく説明していきます。
水質をきれいに保つ
金魚の健康を脅かす主な要因は、水質の劣化にあります。水槽の水を清潔に保つためには、ろ過装置の設置と定期的な清掃が不可欠です。
大きめの水槽を選ぶ
金魚の成長は品種により異なり、大きくなる可能性があります。小さな水槽では水質が容易に悪化し、金魚にストレスを与える原因となります。金魚が快適に成長できるよう、適切なサイズの水槽を選ぶことが勧められます。
金魚を少なめに飼う
エアーポンプを設置しない場合は、60cmの水槽で体長3~4cmの金魚7~9匹程度が上限です。金魚が多いと水の汚れも早くなるので健康に育てるのが難しくなります。
混泳させる前に薬浴させる
病気などの可能性があるので、他の金魚と同じ水槽に入れる前に抗菌剤系の魚病薬(エルバージュなど)で1週間ほど薬浴させるとよいでしょう。
外国産の金魚は病原性のあるウイルスを保有している可能性があるため、国産と外国産の金魚を混泳させるのは避けたほうがいいとされています。
他の動物に攻撃されないよう対策する
屋外での飼育に際しては、猫や鳥といった天敵からの攻撃を防ぐ措置が必要です。また、人間によるいたずらも考えられるため、注意が求められます。特に高層階のベランダでは、鳥が侵入することがあるため、細かい網を張るなどの対策がおすすめです。
室内での飼育は天敵からの脅威を避けられますが、他のペットや小さな子どもがいる場合も同様に注意が必要です。
病気のサインに気付いたら早めに塩水浴をおこなう
塩水浴とは、0.5%の塩分濃度の水の中を泳がせることです。1Lの水に対して5gの食塩を入れて食塩水を作ります。
塩水浴中は金魚にかかる負荷が下がり、自然治癒力が上がるため、金魚が弱ってきたら早めに塩浴をおこなうと回復する場合があります。1週間ほど塩水浴をして、元気になったら水槽に戻しましょう。
ただし、重度の病気や重度の消化不良に塩水浴は向いていません。
金魚がかかりやすい病気や症状
金魚がかかりやすい代表的な病気は、次のとおりです。
- 白点病
- 尾腐れ病
- 水カビ病
- 消化不良(餌病)
- エラ病
- 赤斑病
- 穴あき病
ひとつずつ解説します。
白点病
白点病は「ウオノカイセンチュウ」という寄生虫によって引き起こされる病気で、金魚の体に白い点が現れるのが特徴です。感染すると、金魚はかゆみのために体を物に擦り付けることがあります。
治療方法は、水槽の水温を少し高めに設定することや、メチレンブルーやマラカイトグリーンなどの薬剤を用いるなどが挙げられます。
尾腐れ病
尾腐れ病は金魚のひれが白く濁り、ぼろぼろになってしまう症状を示します。主にバクテリアによる感染で引き起こされ、不適切な水質が原因であることが多いです。
治療には抗生物質などが用いられます。また、感染した部分のひれを切除することもあります。
水カビ病
水カビ病は真菌の一種が引き起こす病気で、金魚の体表に白い綿のような塊ができます。
傷ついた魚に感染しやすく、治療には抗真菌薬を用いて感染部位を清潔に保つことが必要です。水質の管理の徹底も予防には欠かせません。
消化不良(餌病)
金魚が不適切な餌や過剰な量の餌を食べると、消化不良を起こすことがあります。水面で浮かぶ餌を食べるときに空気も飲み込むため、体が異常に膨れ上がる状態(浮腫)を引き起こすこともあります。
餌を少量ずつ与えたり、質の高い沈下性のペレットを用いたりすることが推奨されます。
エラ病
エラ病は、エラに寄生虫やバクテリアが感染することによる病気で、呼吸困難になることがあります。感染すると、金魚が必要以上に口を開けて呼吸をするようになります。
感染した場合は、抗生物質を用いた治療がおこなわれます。
赤斑病
赤斑病は、金魚の体表に赤い斑点が現れる感染症です。主にバクテリアが原因で、体の表皮に損傷を与えることがあります。清潔な水質を維持し、必要に応じて抗生物質を使用して治療します。
穴あき病
穴あき病は、エロモナス・サルモニシダ菌が原因です。魚の鱗が赤く充血し、最終的には肉が露出するほど鱗が剥がれ落ちます。
治療するには、水温を28~30℃に保ち、薬剤を使用した薬浴が有効です。
金魚の種類
金魚には多くの種類が存在し、見た目もさまざまです。ここでは、代表的な種類を以下の3つに分類して紹介します。
- フナ型
- 丸い体型
- 特殊体型
それぞれ見ていきましょう。
フナ型
フナ型金魚は、フナのような細めの形をしており、日本ではポピュラーな品種です。代表的な種類に和金があります。朱文金や琉金などのさまざまな品種は、和金から生まれたものです。
丸い体型
丸い体型の金魚としては、琉金やオランダシシガシラが有名です。琉金は球状の体と長いひれが特徴で、特に鮮やかな色彩が魅力的です。オランダシシガシラは頭部に特徴的な肉瘤があり、そのユニークな見た目から多くの愛好家に支持されています。
特殊体型
特殊体型の金魚には、ランチュウやピンポンパールが挙げられます。ピンポンパールは、ピンポン球のような丸みを帯びた体形をしています。これらの品種は見た目が非常に美しく、個性的であることが特徴です。
まとめ:金魚のいる暮らしを始めてみましょう
夏祭りなどでなじみのある金魚は、適切な方法でお世話をすれば、初心者でも飼いやすい生き物です。元気な状態で飼育するためには、適切な水槽や設備を選び、定期的に水換えと掃除をして、きれいな環境を保ちましょう。
また、早期に病気のサインを察知し、迅速に対処することが大切です。金魚の特性や病気のリスクを理解し、対策を講じることが長生きさせる秘訣となります。
水槽の中を泳ぐ色鮮やかな金魚は、お部屋の中を華やかにしてくれます。この記事を参考に、金魚のいる暮らしを始めてみてください。