イルカの種類を解説!シャチやクジラとの違いやイルカに出会えるスポットも紹介

2024.09.30

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愛らしい姿と高い知能で多くの人々を魅了しているイルカは、他の生物にはない特異なコミュニケーション能力や社会性を持ち、研究者たちの間でも注目を集めています。

この記事では、イルカの基本情報からシャチやクジラとの違い、代表的な種類について詳しく解説します。日本でイルカに出会えるおすすめの水族館や施設、野生のイルカを観察できるスポットについても紹介します。

イルカの基本情報

イルカの基本情報

イルカは水中で生活する哺乳類です。肺呼吸をおこなうため、定期的に水面に浮上する必要があり、頭頂部にある呼吸孔を通じて呼吸します。1回の息継ぎで長時間潜水できます。

非常に高い知能を持ち、クリック音や笛のような音を使って仲間とコミュニケーションを図る能力にも優れています。特に学習能力や道具を使った行動が観察され、人間とも遊ぶような行動を見せることもあります。

イルカの特徴と生息環境

イルカは世界中の温暖な海洋を中心に広範囲に生息していますが、寒冷な海域や淡水域に生息する種類も存在します。アマゾンカワイルカやガンジスカワイルカなど、河川に適応した種もいます。

社会的な生物で、群れ(ポッド)を形成して生活するのが一般的です。時に1,000頭以上の大規模な群れ(スーパーポッド)を形成することもあります。群れで協力して獲物を捕まえる姿や、遊ぶように水中を泳ぐ姿がよく見られます。

イルカの分類|哺乳類としての特徴

イルカは、クジラ目ハクジラ亜目に属する哺乳類です。約6000万年前の大型の肉食動物であるメソニックス類から進化したとされています。

水の中に生息していますが哺乳類であるため、出産と授乳によって子供を育てます。授乳期間は12カ月から18カ月で、仔イルカは最長6年間、母イルカと一緒に過ごします。

イルカとシャチ・クジラの違いとは?

イルカ、シャチ、クジラは全て「クジラ目」に分類され、厳密な生物学的区別はありません。主な違いは体のサイズや生活環境によるものです。

一般的には、大人になったときの体長が4メートルを超えたらクジラ、それ以下はイルカと分類されています。ただし4メートルよりも小さいクジラ(ゴンドウクジラ)や、4メートルを超えるイルカ(シロイルカ)などの例外もあります。シャチは大型で、体長が最大9メートルに達することがあります。

以下の表は、イルカ、シャチ、クジラの主な特徴を比較したものです。

動物名 体長の目安 主な生息環境 特徴
イルカ 2〜4メートル 沿岸部、河川 高い知能、軽快な泳ぎ
シャチ 4〜9メートル 海洋 大型で社会性が高い
クジラ 4メートル以上 深海 大型で穏やかな性格

イルカの食事について

イルカの食事は、魚類やイカなどの海洋生物が中心です。生息環境によっても食べるものは異なり、淡水に生息するイルカは淡水魚や小型の甲殻類などを食べることもあります。

群れで狩りをすることが多く、協力して餌を追い込んだり、音波を利用して獲物を混乱させたりします。尾びれを用いて魚を殴打して気絶させてから捕食することもあります。体重約120kgのイルカは1日に約15kgの魚を摂取します。

日本に生息するイルカの種類と特徴|代表的な7種類

日本の海域には、さまざまな種類のイルカが生息し、それぞれに独自の特徴があります。以下で、代表的な7種類のイルカを紹介します。

日本に生息するイルカの種類と特徴|代表的な7種類

スナメリ|背びれのない小型のイルカ

スナメリ

体長約1.5〜2メートルの小型のイルカで、日本の沿岸部、特に内湾や河口域によく見られます。浅い水域を好むため、漁師たちにも身近な存在です。背びれがなく、クジラの仲間に分類されることもありますが、「ネズミイルカ科」に属し、イルカの仲間でもあります。

スナメリは灰色の体色で目立たない外見と穏やかな性格が特徴です。

ハシナガイルカ|細長いくちばしが特徴のイルカ

ハシナガイルカ

ハシナガイルカは、細長いくちばしが特徴で、体長は約1.3〜2.4メートルの小型のイルカです。温帯から熱帯の海域に生息し、日本では特に沖縄周辺で観察されることが多いです。

群れで泳ぐ姿がよく見られ、遊び好きな性格も魅力です。

マダライルカ|斑点模様が特徴的な美しいイルカ

マダライル

体に細かな斑点模様があり、体長は約2〜2.4メートルです。温帯から熱帯の海域に生息し、日本では主に南方の海域で見られます。この美しい模様と群れで泳ぐ姿が魅力的です。

マダライルカは非常に社交的で、他のイルカと一緒に戯れる様子がよく観察されます。

カマイルカ|ジャンプが得意な小型イルカ

カマイルカ

体長約2.3〜2.5メートルで、北太平洋の冷水域に生息しています。日本では北海道周辺でよく見られ、活発に泳ぐ姿が特徴的です。

カマイルカはジャンプ力に優れ、特に水面を跳ねるように泳ぐことが得意です。

ミナミバンドウイルカ|温暖な海に生息する人気のイルカ

ミナミバンドウイルカ

主に沖縄を含む南日本の温暖な海域に生息しています。体長は約2〜3メートルで、社交的な性格から観光地でもよく見られます。

ミナミバンドウイルカはアクロバティックな動きを得意とし、ジャンプ力が強いことでも知られています。

バンドウイルカ|知能が高く水族館で人気のイルカ

バンドウイルカ

太平洋や大西洋の温帯から熱帯の海域に広く分布しています。体長は約2〜4メートルで、知能が高く、水族館のショーでよく見られる人気の種類です。

バンドウイルカは上下の吻部(くちばしの部分)が大きく突出している特徴的な形状から「瓶鼻イルカ」ともよばれます。

ハナゴンドウ|ユニークな顔つきと行動のイルカ

ハナゴンドウ

丸みを帯びた頭部が特徴的で、体長は約3〜4メートルです。温帯から熱帯の海域に生息し、日本では主に南方の海域で稀に観察されます。

ハナゴンドウはマイペースでのんびりとした性格です。

日本でイルカが見られるおすすめの施設

日本でイルカが見られるおすすめの施設

日本には、イルカを観察できる水族館や、イルカショー、さらにはふれあい体験ができる施設が多く存在しています。

ここではイルカに出会えるおすすめの施設をご紹介します。

沖縄美ら海水族館(沖縄県)

沖縄美ら海水族館は、日本最大級の水族館として知られています。イルカラグーンでは、バンドウイルカやその他の種類のイルカが自由に泳ぐ様子を観察できるほか、イルカの給餌も体験できるため、訪れる人々にとって魅力的なスポットとなっています。

新江ノ島水族館(神奈川県)

神奈川県の新江ノ島水族館は、バンドウイルカやカマイルカなど、複数種のイルカを観察できる人気スポットです。「ドルフィンファンタジー」とよばれる大水槽では、イルカたちの自然な行動や社会性を観察することができます。

世界で初めて飼育下5世代目の繁殖に成功したことでも知られ、イルカの繁殖や成長過程について学べる貴重な場所となっています。

名古屋港水族館(愛知県)

長さ60mの広大なプールでおこなわれるイルカショーは人気があり、観客はイルカたちのダイナミックなパフォーマンスを楽しむことができます。「水中観覧席」では、ジャンプに向かうイルカたちの疾走感を目の当たりにでき、まるでイルカたちと同じ海の中にいるような体験ができます。

仙台うみの杜水族館(宮城県)

観客席に近いプールでイルカの器用さと力強さを間近で感じられるショーが人気です。特に、イルカたちが繰り広げるパフォーマンスは迫力満点で、観客との距離が非常に近いため臨場感あふれる体験ができます。バンドウイルカに触れられるプログラムも開催されています。

鴨川シーワールド(千葉県)

イルカとシャチの共演が見られる迫力満点のショーが開催されています。特に、イルカが見せるダイナミックなジャンプやスピーディな泳ぎには多くの観客が驚かされます。大規模なショーステージが用意され、訪れる観光客を魅了する演出が人気です。

アドベンチャーワールド(和歌山県)

イルカと一緒に泳ぐ体験や、ふれあいプログラムは観客がイルカの賢さややさしさを体感できる人気スポットです。

バンドウイルカ、カマイルカ、ハナゴンドウ、オキゴンドウとトレーナーが共演するショーも迫力満点で、家族連れに特に人気があります。

日本で野生のイルカが観察できるおすすめスポット

日本で野生のイルカが観察できるおすすめスポット

日本では、いくつかの地域で野生のイルカを自然の中で観察することができ、その美しい姿に魅了される観光客が増えています。以下でおすすめの野生イルカウォッチングスポットを紹介します。

御蔵島(東京都伊豆諸島)

御蔵島(みくらじま)は、東京都に位置する自然豊かな離島です。高い確率で野生のイルカと出会える場所として知られています。

この島周辺には、ミナミバンドウイルカが多数生息しており、シュノーケリングやダイビングを通じて一緒に泳ぐ体験ができます。透明度の高い海で、自然の中のイルカたちと楽しい時間を過ごせるスポットとして、多くの旅行者が訪れます。

能登島(石川県)

石川県の能登半島に位置する能登島(のとじま)は、野生のミナミハンドウイルカの世界最北の生息地です。

能登島周辺の海は、イルカたちが自由に泳ぐ環境が整っていて、船でのウォッチングツアーが人気です。ツアーでは、群れで泳ぐイルカたちの美しい姿を観察できるだけでなく、運が良ければジャンプや遊泳の瞬間を間近で見ることができます。自然と共存するイルカたちの姿は、能登島の魅力のひとつです。

通詞島(長崎県)

通詞島(つうじしま)は、長崎県の天草諸島に位置する小さな島で、200頭以上のミナミハンドウイルカが生息しています。

通詞島周辺の海域では、野生のイルカを観察できる「イルカウォッチング」が1年を通じて盛んにおこなわれています。島を拠点とした観光船に乗り、イルカの群れが泳ぐ姿を楽しむことができ、特に運が良ければ、イルカたちが船の近くまで寄ってくることもあります。

イルカに関するよくある質問

イルカに関するよくある質問

イルカは知能が高く、非常に興味深い生物です。他の生き物と異なる特徴が多いイルカに関する、よくある質問とその回答をまとめました。

イルカの平均寿命はどれくらい?

イルカの寿命は種類や環境によって異なりますが、一般的に野生のイルカは30〜50年ほど生きると言われています。特にバンドウイルカのような種類は長寿であり、40年以上生きることも珍しくありません。

飼育下では医療や食事管理が行き届いているため、さらに長く生きる場合もあります。沖縄美ら海水族館には推定年齢50歳以上のミナミバンドウイルカが飼育されています。

イルカのコミュニケーション方法は?

イルカは音を使った高度なコミュニケーションをおこないます。特に、クリック音や笛のような音(ホイッスル音)を使って仲間同士で意思疎通を図ります。これらの音は「エコーロケーション」とよばれ、獲物の位置を探知するためにも使用されます。

身体の接触やジャンプなどの行動でも、群れの仲間との関係を深めています。

イルカはどうやって睡眠をとる?

イルカは脳の半分ずつを交互に休ませる「半球睡眠」という方法で睡眠をとります。具体的には、右目を閉じるときに左脳、左目を閉じるときに右脳を休ませています。

このように浅い睡眠を繰り返し、常に片方の脳が活動することで、呼吸を続けながら泳ぐことができたり、捕食者から身を守ったりしています。

まとめ|イルカに実際に会いに行ってみよう

まとめ|イルカに実際に会いに行ってみよう

イルカは、その高度な知能や優雅な泳ぎで多くの人々を魅了する生き物です。日本では、水族館や自然の海でイルカに会える機会が数多くあります。

水族館ではイルカの知能や運動能力を間近で観察でき、野生のイルカと触れ合えるスポットでは、自然の中での彼らの生き生きとした姿を体感することができます。

このような体験は、イルカという素晴らしい生物への理解を深めるだけでなく、自然との調和の大切さを実感させてくれます。ぜひ、実際にイルカに会いに行き、その魅力を肌で感じてみてください。



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