世界のクマを徹底解説!日本に生息する2種類から世界の8種類まで、その特徴や生態を学ぼう
2025.02.12

- 目次
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- 日本に生息する2種類のクマ
- ヒグマとは
- ツキノワグマとは
- クマの分類と進化
- クマの分類と学名の整理
- クマがたどってきた進化の歴史
- 世界のクマ8種類を一覧で紹介
- 1.ヒグマ(Brown Bear)
- 2.ツキノワグマ(Asiatic Black Bear)
- 3.ホッキョクグマ(Polar Bear)
- 4.アメリカクロクマ(American Black Bear)
- 5.ナマケグマ(Sloth Bear)
- 6.メガネグマ(Spectacled Bear)
- 7.マレーグマ(Sun Bear)
- 8.ジャイアントパンダ(Giant Panda)
- クマと人間との関係史
- 神話や信仰の中のクマ
- クマによる被害と対策
- クマの特徴と生態
- クマの食性は雑食?
- 冬眠と体脂肪の関係
- クマの繁殖と子育て
- 日本のクマの分布や個体数
- ヒグマの分布と個体数
- ツキノワグマの分布と個体数
- クマが人里への出没する理由と対策
- 森林資源の減少と餌不足
- 自然環境保護との両立
- クマの生態と知能、危険度について
- 学習能力と警戒心
- クマは本来、人間を積極的に襲わない
- クマと共存するためにできること
- 地域ぐるみの取り組み
- 自然との調和を目指す
- まとめ
クマは世界中で親しまれている哺乳類でありながら、実は生息地や種類によって、性格や体格・食性までもが大きく異なります。日本では北海道のヒグマと、本州以南のツキノワグマが有名ですが、世界規模で見るとホッキョクグマやジャイアントパンダなど、ヒグマの外見からは想像できないような進化を遂げたクマたちもいます。
しかしクマが自然界で果たしている役割や、人間との関係は必ずしも単純ではありません。農作物への被害や、ハンターとの軋轢など、人間社会との摩擦も存在します。クマの生態を正しく知り、彼らの暮らす環境を理解することが、人とクマが共存するためには重要です。
本記事では日本に生息する2種類をはじめ、世界に存在する8種類のクマについて詳しく解説します。体格や性格、分布域、さらには危険性や出会ったときの対策などもまとめるので、ぜひ最後までご覧ください。
日本に生息する2種類のクマ
日本にはヒグマとツキノワグマの2種類が生息しています。それぞれが置かれた生息環境や生態には違いがありますが、「大きな体躯を持つ動物は山奥にしかいない」というイメージは、近年の都市開発や食料問題によって変わりつつあります。野生動物との付き合い方を考えるうえで、まずは日本国内のクマについてしっかり把握しましょう。
ヒグマとは
ヒグマは北海道を中心に生息する大型のクマです。英名で「ブラウンベア(Brown Bear)」と呼ばれ、ユーラシア大陸や北アメリカ大陸にも広く分布します。北海道に生息するエゾヒグマは体格が大きく、体長2メートルを超える個体も少なくありません。
- 体長:オスは2メートルほど、メスでも1.5メートル以上になることが多い
- 体重:オスは150~400kg、メスは100~200kg程度
- 食性:雑食であり、サケなどの魚や植物の芽、木の実、昆虫などを食べる
- 特徴:前足の筋力が非常に強く、木を引き倒す能力もある
北海道の山間部や河川付近で生活し、秋にはサケが産卵のために川を上るタイミングを狙い、川辺で待ち構える姿が知られています。冬は冬眠するため、冬眠前に十分な脂肪を蓄えるのが大きな特徴といえます。
ツキノワグマとは
ツキノワグマは本州以南(四国を含む)に生息する日本固有の亜種(ニホンツキノワグマ)も含むクマです。胸のあたりに白い三日月形の模様があるため「ツキノワグマ」と呼ばれます。
- 体長:オスで120~150センチ、メスで100~130センチ程度
- 体重:オスで80~120kg、メスで60~100kgほど
- 食性:昆虫や木の実、山菜など植物性のものが中心だが、時には動物性の餌も捕食する
- 特徴:雑食性だが植物由来の食料をよく食べる。またヒグマよりは体格が小柄
本州においては山林の開発などで生息地が狭まり、クマが人里に現れるケースも増えています。厳密には山間部での食糧不足が原因となることが多いです。山菜採りやハイキングなどのレジャーで山に入るときには、クマと遭遇しないように気を配る必要があります。
クマの分類と進化
クマは「食肉目(ネコ目)」に分類されますが、その食性は幅広く、完全な肉食性の種類から雑食性に偏る種類まで多岐にわたります。全世界には8種類が存在するとされ、それぞれ地域や気候に合わせて独自の進化を遂げてきました。
クマの分類と学名の整理
代表的なクマは以下の8種類に分類されます。日本語での呼称と英語名、学名を簡単に挙げます。
- ヒグマ(Brown Bear)
学名:Ursus arctos - ツキノワグマ(Asiatic Black Bear)
学名:Ursus thibetanus - ホッキョクグマ(Polar Bear)
学名:Ursus maritimus - アメリカクロクマ(American Black Bear)
学名:Ursus americanus - ナマケグマ(Sloth Bear)
学名:Melursus ursinus - メガネグマ(Spectacled Bear)
学名:Tremarctos ornatus - マレーグマ(Sun Bear)
学名:Ursus malayanus - ジャイアントパンダ(Giant Panda)
学名:Ailuropoda melanoleuca
クマ科に属するこれらの動物たちは、長い進化の過程で共通点と差異を持つようになりました。体格に加え、食料選択や生息域に大きなバリエーションがある点が特徴といえます。詳しくは次の章で紹介します。
クマがたどってきた進化の歴史
クマの祖先にあたる動物は、犬科やアライグマ科に近い生態を持っていたと考えられています。大昔のクマはより肉食性が強かったと推定されますが、地球環境の変遷や生息地の変化に伴い、木の実や昆虫を食べる雑食スタイルへ適応した種類も出てきました。
その結果としてヒグマやツキノワグマなどは植物を主食としながらも、必要に応じて動物性の餌に頼るような多角的な食性を確立しています。ホッキョクグマは寒冷な地域で生息するため主にアザラシなどの肉を狩り、体脂肪を厚く蓄える形で独自の進化を遂げました。
世界のクマ8種類を一覧で紹介
ここでは代表的な8種類のクマについて、その体格や分布、生活習慣を詳しく見ていきます。同じクマ科でも環境に合わせて姿かたちや生態が驚くほど違います。
1.ヒグマ(Brown Bear)
先述のとおりヒグマは北海道で「エゾヒグマ」と呼ばれています。ロシア東部や北米にいるものとは微妙に体格や性格が異なる部分があるものの、基本的には同種です。ちなみに北米のグリズリーやハイイログマ、ブラウンベアーも同じヒグマ種の亜種です。
ヒグマは主に森林地帯から山岳地帯にかけて広範囲で活動し、川に遡上してくるサケなどを食べる習慣が知られています。気性は荒い場合もありますが、基本的に臆病でありふだんは人間を避けることが多いです。ただし餌が不足すると大胆に人里へ下りてくるなど、その行動力はかなり高いといえるでしょう。
2.ツキノワグマ(Asiatic Black Bear)
アジアを広く分布域とするクマで、日本では「ニホンツキノワグマ」が有名です。肩から背中にかけて黒い毛で覆われ、胸元に白い「月の輪」があるのが最大の特徴。森の中で木の実や草、昆虫などを探しながら生活しています。
山菜などを求めて行動半径を広げる時期に、人里付近で目撃されるケースが増えがちです。特に餌不足の年には注意を要します。身体はヒグマより小さめですが、驚いた際や子グマを守るときには攻撃的な行動を取ることがあるため、十分な警戒が必要です。
3.ホッキョクグマ(Polar Bear)
ホッキョクグマは北極圏に生息する大型の肉食獣です。体長はオスで2.5~3メートル、体重は400~600kgにも達する個体がいます。クマ科の中でも極めて肉食性が強く、その主な獲物はアザラシ。氷上でアザラシを待ち伏せることが多いです。
皮膚は黒く、毛は透明に近い中空構造を持ち、太陽光を取り込みやすい点が特徴。地球温暖化により北極海の氷が減少することで生息域が狭まり、生存が脅かされています。
4.アメリカクロクマ(American Black Bear)
北アメリカ大陸で最も一般的に見られるクマです。体長1.4~1.8メートルほどでヒグマよりは小型ですが、北米の森林に適応し、樹上に登るのが得意です。
毛色が黒以外にも、茶色や金色などのバリエーションを持つ個体が存在し、「ブラックベア」と呼ばれるものの一概に黒いとは限りません。都市近郊に近づく場合もあり、アメリカではゴミを漁る被害が報告されることもあります。
5.ナマケグマ(Sloth Bear)
インドやスリランカなど南アジアに生息する、鼻が伸びたような独特の顔つきを持つクマです。ナマケモノと同じような動作をすると誤解されることもありますが、実際には動きが俊敏なケースもあります。
主食はシロアリやアリなどの昆虫で、長く発達した唇を吸い込むように使い、昆虫を飲み込むのが特徴です。毛並みはややボサボサとしていて、他のクマ科よりも背中や肩の毛が長め。
6.メガネグマ(Spectacled Bear)
南米アンデス地方に生息する唯一のクマ科動物です。目の周りに白い模様がメガネのように見えることから「メガネグマ」と呼ばれます。
比較的小柄で体長は1.2~1.8メートルほど。高地の森林帯や雲霧林に適応しており、木に登るのが得意です。植物性の餌を主に食べる雑食性で、果実や昆虫も好みます。
7.マレーグマ(Sun Bear)
東南アジアの熱帯雨林に生息する小型のクマで、体長1.2~1.5メートルほど。胸の部分に半月状の黄色い模様があり、「サンベア」とも呼ばれます。熱帯地域に適応しているため体毛は短め。
樹上生活に優れ、果物やハチミツ、昆虫などを食べます。木の幹を登りやすいよう長い爪を持つのが特徴。活動的で好奇心も強いとされます。
8.ジャイアントパンダ(Giant Panda)
竹を主食とする、クマ科に属する特異な動物です。中国の限られた地域に生息し、体毛は白と黒のツートンカラー。体長は1.2~1.5メートル、体重は90~120kg程度とクマ科としては中型から小型に属します。
竹林に依存しており、木の実や昆虫などを食べることもありますが、その大半を竹に頼っています。飼育下では比較的穏やかなイメージがありますが、野生下では他のクマ同様にしっかり自衛本能を備えています。
クマと人間との関係史
クマは人間にとって、古来より狩猟の対象であると同時に、神聖視される存在でもありました。日本のアイヌ文化では、ヒグマを「山の神」として崇める風習があります。クマ祭り(イヨマンテ)など、文化的な行事も知られてきました。
一方、時代が下るにつれて開発による餌不足や生息地の縮小から、農作物への被害が出る問題もあり、クマと人間との関係は多くの課題を含みます。
神話や信仰の中のクマ
クマは、その威厳ある姿や強大なパワーから、世界中の神話や伝承にも登場します。
- 北海道のアイヌ文化では「キムンカムイ(山の神)」と呼ばれ、とても尊敬されてきた
- 北アメリカの先住民にもクマは特別な存在で、儀式や伝承に取り入れられた
- ヨーロッパでは、力強さや母性の象徴として神話に描かれることもあった
このように、クマは人間の精神文化においても重要な役割を果たしてきました。宗教的な儀式だけでなく、物語や民話の中でもクマは力と知恵を兼ね備えた存在として描かれます。
クマによる被害と対策
人里にクマが現れることで、農作物が食い荒らされる被害や、人身事故が起こるリスクがあります。特にツキノワグマが里山に姿を現すケースは毎年報道され、人間との衝突が深刻化している地域も見られます。
被害を回避するためには、以下のような対策が取られることが多いです。
- 民家周囲や農地に電気柵を設置する
- 山菜取りやハイキングの際には、クマよけベルやラジオを使う
- 餌となる生ごみを屋外に放置しない
- 目撃情報の共有や看板の設置により注意喚起を行う
クマが悪者というよりも、開発によって餌や生息地を失った結果、人里に下りるようになっている面もあります。確実に被害を防ぐためには、人間側の対応や環境保護の取り組みが鍵になります。
クマの特徴と生態
クマといえば、大きな体と強靱な前脚が特徴ですが、じつは嗅覚や聴覚にも優れており、採餌活動や獲物を見つける際に大きな利点を持ちます。ここではクマの生理学的・生態学的特徴をより深く掘り下げます。
クマの食性は雑食?
クマ科の多くは雑食性ですが、その割合は種類によって大きく変わります。
- ヒグマ:基本的には植物食が多いものの、サケやシカの死骸、昆虫なども積極的に食べる
- ツキノワグマ:果実や植物を主に食べるが、小動物や蜂の巣など動物性タンパク源も摂取
- ホッキョクグマ:極めて肉食性が強く、アザラシを主食とする
このようにクマは主食とする餌を持ちながら、その地域の植物や魚介などを状況に合わせて捕食する柔軟性を持っています。
冬眠と体脂肪の関係
クマは寒冷地域に生息する種類ほど長期にわたる冬眠(冬ごもり)を行う傾向があります。冬眠中は体温をやや下げ、代謝を減少させながら洞穴などで眠りに入ります。冬眠前には大量に餌を食べて脂肪を蓄えるため、この時期は特に人里への侵入リスクが高まります。
一方、熱帯地方に暮らすマレーグマなどは冬眠をしないか、もしくは非常に短期間の休眠に留まるケースがあります。生息地の気候条件によって冬眠の有無が左右される点もクマならではです。
クマの繁殖と子育て
クマは多くの種類で冬眠前に受胎し、冬眠中~冬眠明けに出産することが多いです。子グマは体重数百グラム程度の小さな状態で生まれ、母グマとしばらく行動を共にします。
母グマは非常に強い母性本能を持ち、子グマに近づく外敵には果敢に攻撃を加えます。ハイキング中に子グマを見つけた場合、母グマが近くにいる可能性が高いため、絶対に刺激しないようにする必要があります。
日本のクマの分布や個体数
日本に生息するクマは、かつては本州~四国~九州にも多く存在していました。しかし、都市開発や狩猟などでその数は徐々に減り、一部地域では絶滅や絶滅危惧の危機に瀕しています。
ヒグマの分布と個体数
ヒグマは北海道の山林地帯を中心に生息しています。学説によって推測は異なりますが、道内全体の個体数は11,700頭程度という説があります。
年によっては事故が起きるほど人里近くに出没する個体もおり、「ヒグマ出没注意」の看板を見かけることも珍しくありません。
ツキノワグマの分布と個体数
ツキノワグマは本州・四国・九州にかけて生息してきましたが、九州では絶滅宣言が出されています。四国でもかなり数が少なく、生息していた痕跡があっても実際に目撃例はごく限られた範囲に留まるという報告があります。
本州では地域により増減があり、東北や中部地方など山岳地帯に生息域が集中しています。推定個体数は3万頭を超えるというデータもありますが、狭い地域での密度が高まっている地域とほぼ見られない地域の格差も大きいです。
クマが人里への出没する理由と対策
日本各地でクマ出没のニュースを耳にしますが、その背景には山林の環境変化があると指摘されています。豊富な餌が得られる山奥が減少すると、クマは人里にある果樹や農作物に目を向けるようになります。
森林資源の減少と餌不足
戦後に進められたスギやヒノキの単一植林、林業の衰退などにより、広葉樹林が減少している地域があります。ブナやミズナラなどの樹木が少なくなるとクマが食べるドングリや木の実も減り、やむを得ず人里に移動するケースが増えるのです。
一方で、山里近くに設置されている農地や果樹園、ハチミツ箱などはクマにとって魅力的な餌となり、結果として人間社会との衝突が頻発しています。
自然環境保護との両立
農作物への被害や人身事故を防ぎつつ、クマの生息地を守るには以下のようなポイントが求められます。
- 中山間地域の森林整備や、広葉樹林の復元による餌資源の回復
- 計画的な生息適地(コアエリア)の確保
- コアエリアの周りに人間の生活圏との干渉地(バッファゾーン)の確保
- 電気柵の導入や、廃棄物管理の徹底による人里での餌確保を難しくする対策
- 地域住民や観光客への啓発活動
クマを無差別に駆除するのではなく、互いの生存領域を確保する施策が大切です。
クマの生態と知能、危険度について
クマは森の中で悠然と過ごしているイメージがありますが、非常に知能が高く、学習能力にも優れています。ゴミ箱のフタを開ける方法を学習したり、定期的に訪れる人間の時間帯を理解して回避したりする例も知られています。
学習能力と警戒心
クマは一度「ここに餌がある」と覚えると、再び同じ場所に現れる習性が見られます。そのためキャンプ場などで餌を放置した場合、クマが学習して常習的に出没する恐れがあります。
また、山中で人間と遭遇して被害に遭うと、クマ自身も人間を警戒して行動パターンを変えることがあります。
クマは本来、人間を積極的に襲わない
ヒグマやホッキョクグマなど大きな種類は肉食傾向が強いものの、積極的に人間を食べるわけではないとされます。ただし、自分や子グマを守るために攻撃してくるケースや、衝突が回避できないほど接近してしまった場合は非常に危険。
クマは体重の割に走る速度も速く、樹木を登る能力がある種類もいます。絶対に逃げ切れるという保証はないので、自衛手段を念頭に置くことが望ましいでしょう。
クマと共存するためにできること
クマとの共存は、野生動物と人間の摩擦をゼロにするという意味ではありません。お互いが適度な距離を保ち、害を最小限に抑える関係を築くことが理想です。
地域ぐるみの取り組み
日本各地の山間部では、クマの出没情報をいち早く共有するための「クマ出没マップ」やアプリを活用する事例が増えています。地域住民が連携し、次のような対策を実施すると効果的です。
- 山林整備のボランティアを定期的に行う
- 農地やゴミステーションに電気柵を設置する費用を補助
- 地域でクマの生態を学ぶセミナーを開催し、理解を深める
自然との調和を目指す
クマが安心して暮らせる自然環境を取り戻すことは、森林の保全だけでなく、水資源や多様な生態系の維持にも寄与します。豊かな森にはクマだけでなく多くの生物が共存し、人間にとってもレクリエーションや観光資源として価値ある場所になります。
まとめ
クマは日本に2種類、世界では8種類が確認されている哺乳類です。地域や生息環境に合わせて多様な進化を遂げています。日本ではヒグマ(北海道)とツキノワグマ(本州、四国)が代表的ですが、同じクマでも体格や食性、行動パターンに大きな違いがある点は重要です。
人間の開発や環境破壊が進むなか、クマの出没が増える背景には餌の減少や生息地の分断が影響している面もあります。クマが悪い存在ではなく、人間社会の都合で追い詰められ、結果的に人里への侵入を余儀なくされている場合があるのも事実です。
ただし、野生のクマは巨大なパワーを持ち、遭遇すると危険を伴います。ハイキングやキャンプを楽しむ際にはクマ避けグッズを活用し、出会ったときの対処法を頭に入れておくことが大切です。
今後、クマとの共存を考えるうえでは、以下のような視点が必要とされます。
- 森林再生や山林整備によるクマの餌資源確保
- 電気柵やゴミ出しルール徹底などの人里対策
- 地域住民や観光客への啓発活動
- クマの生息数や分布の適切なモニタリング
こうした取り組みを通じて、人とクマの双方にとって安全かつ豊かな自然環境を守る必要があります。日本が誇る豊かな山岳や森林を未来へつなぐためにも、クマの暮らしを理解し、正しい距離感を築くことが欠かせません。