メンフクロウの飼育方法は?値段や寿命、注意点を解説

2024.08.19

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白い仮面を付けたような個性的な見た目の「メンフクロウ」。メンフクロウを飼育している人は、まだまだ少なく、飼育が難しそうと感じる人は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、メンフクロウの飼育方法や生体の値段、寿命などについて解説します。飼育に必要な用品も紹介しますので、これからメンフクロウを飼育したいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

メンフクロウとはどんな鳥?

メンフクロウとはどんな鳥?

メンフクロウとは、フクロウ目メンフクロウ科メンフクロウ属に分類される中型のフクロウです。

体長は約35~40cm。アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリアなど、世界中に広範囲に生息しています。

見た目の大きな特徴は、名前の由来にもなった白いお面を付けているような顔です。体色は淡い茶色や白色が一般的で、長い翼と短く角ばった尾を持っています。

性格

メンフクロウは、穏やかで好奇心旺盛な性格をしています。音や動きに敏感に反応するデリケート面も持っています。大きな音や動きは、メンフクロウにとってストレスになるため、落ち着いて過ごせる静かな環境で飼育する必要があります。

飼い主が愛情をもって接していれば、メンフクロウは人に慣れます。慣れてくると、腕に乗せたり頭を撫でたりできるようになるでしょう。

鳴き声

一般的にフクロウといえば、「ホーホー」という鳴き声を想像しますが、メンフクロウは「ギャー」や「キーキー」と鳴きます。インドや英国では、「screech owl(金切り声のフクロウ)」と呼ばれることもあります。

甲高い金属音に近い鳴き声なので、飼育する際には防音対策が不可欠です。とくに賃貸で飼育する場合は、近所迷惑にならないように対策が必要になるでしょう。

平均寿命

野生のメンフクロウの平均寿命は約4年とされています。一方、飼育されているメンフクロウの平均寿命は、約15~20年です。

野生下での寿命が短いのは、成鳥になるまでの生存率が低いためです。飼育下では25年以上生きた記録も残っており、飼育環境を整えることで長生きする可能性が高いでしょう。

メンフクロウの顔は怖い?かわいい?

メンフクロウの顔は怖い?かわいい?

メンフクロウをかわいいと思う人がいる一方で、顔が怖いと感じる人も一定数存在します。

メンフクロウは、白い仮面を付けたような顔が特徴的です。人によって、メンフクロウの独特の顔が「不気味」「目が怖い」と感じる可能性もあります。

しかし、メンフクロウは愛情を持って育てると人に慣れてくるため、信頼関係が築けます。直接メンフクロウとふれ合うことで、かわいいと思えてくるでしょう。

メンフクロウがゆらゆら揺れるのはなぜ?

メンフクロウがゆらゆら揺れるのはなぜ?

メンフクロウがゆらゆら揺れているときには、以下のような理由が考えられます。

  • 音をよく聞こうとしている
  • 視覚の焦点を合わせている

フクロウの耳は、左右で違う高さに位置しており、周囲の正確な情報を把握するのに役立っています。頭を振るとさらに聴覚の感度を上げられるため、ゆらゆらとした動きは、音をよく聞こうとしているときにみられる行動です。

また、フクロウは目が真正面に付いており、視野が狭いのが特徴です。視野の狭さをカバーするために、気になる方向に首を動かす行動が、揺れているようにみえることもあります。

メンフクロウの飼育方法

メンフクロウの飼育方法

メンフクロウには、以下の3つの飼育方法があります。

  • 係留飼育
  • ケージ飼育
  • 放し飼い飼育

係留飼育は、メンフクロウの足に足革を装着し、専用の紐を使用して止まり木に結びつける飼育方法です。3つの飼育方法のなかで一番事故が少ないというメリットがありますが、フクロウの飛ぶ姿をみることはできません。

ケージ飼育は、名前のとおりケージの中でメンフクロウを飼育する方法です。メンフクロウが逃げてしまう危険が少ないのが特徴です。しかし、ケージで羽根を傷つける可能性があります。

放し飼い飼育は、専用の部屋を用意して自由にメンフクロウを飼育する方法です。メンフクロウの生き生きとした姿をみることができるでしょう。しかし、目を離した隙に窓やドアから逃げ出してしまう危険性があります。

一般的にメンフクロウの飼育は、事故の少ない係留飼育が推奨されています。

メンフクロウの飼育に必要な用品

メンフクロウの飼育に必要な用品

メンフクロウを飼育する際には、飼育に必要な用品を揃えておくことが大切です。

ここでは、メンフクロウの飼育に必要な用品を紹介します。

  • 止まり木(パーチ)
  • アンクレット
  • ジェス・リーシュ
  • ファルコングローブ
  • ピンセット

それぞれの用品の選び方のポイントも紹介するので、これから用品を揃える人は、ぜひ参考にしてみてください。

止まり木(パーチ)

止まり木は、どの飼育方法でも必要な用品です。自作の台座を使用することもできますが、係留飼育の場合は、紐が絡まったり、紐の長さ調節ができなかったりするため、市販のものを購入することをおすすめします。

止まり木は、メンフクロウの足のサイズに合わせて、掴まりやすい大きさのものを用意しましょう。メンフクロウの場合は、まっすぐな木よりも、不規則な形の木のほうが掴まりやすいとされています。

アンクレット

アンクレットとは、メンフクロウの足首につけて使用する足革です。首輪のような役割があり、係留飼育や放し飼い飼育には必要な用品です。ジェスを取り付けることで、メンフクロウの行動範囲を制限できます。

アンクレットは、軽量化されたものや着脱可能なものまでさまざまな商品が販売されています。メンフクロウの性格や生活スタイルに合わせて選びましょう。

ジェス・リーシュ

ジェスは、アンクレットに通す紐のことです。リーシュはフクロウをつなぐための紐で、リードのような役割を果たします。係留飼育をする際には、止まり木や係留台にジェスとリーシュをつなぎ、フクロウの行動範囲を制限します。

ジェス・リーシュの長さや素材には、さまざまなバリエーションがあるため、部屋の広さやメンフクロウの性格に合わせて選んでみてください。

ファルコングローブ

ファルコングローブとは、猛禽類専用のグローブです。メンフクロウは爪がとても鋭く、握力も強いため、素手のまま腕に誘導するとケガをする危険性があります。メンフクロウとふれ合う際には、必要な用品です。

メンフクロウは中型のフクロウなので、ホームセンターで販売している厚手の革グローブでも代用可能ですが、専用品がより安全です。

ピンセット

ピンセットは、メンフクロウにエサを与えるときに使用します。素手で直接エサを与えていると、メンフクロウが指をエサだと勘違いし、エサ以外の時間にも指を攻撃する可能性が高くなります。

ピンセットは、ホームセンターで販売している医療用のもので問題ありません。エサを掴んで与えるため、先の曲がったピンセットが使いやすくておすすめです。

メンフクロウの飼育費用

メンフクロウの飼育費用

メンフクロウを初めて飼育する人は、飼育にかかる費用や生体価格が気になっているのではないでしょうか。

メンフクロウの生体価格は、約8万~30万円と値段に差があります。「メンフクロウ」という名前を持つフクロウは25種類以上いるとされており、希少性の高いメンフクロウだと生体価格も高くなる傾向です。

また、止まり木やリーシュなどメンフクロウの飼育に必要な用品を揃えるためには、約5万円かかります。ケージで飼育する場合は、ケージの購入費用が2万~4万円ほどかかるため、初期費用が高額になりやすいでしょう。

エサ代は、1ヵ月あたり約7,000円です。エサの種類によっては、エサ代がさらに高額になる可能性もあります。

メンフクロウの日々のお世話

メンフクロウの日々のお世話

ここからは、メンフクロウの日々のお世話について解説します。主に必要な日々のお世話は、以下の3つです。

  • エサを与える
  • 飼育スペースを掃除する
  • 水浴びさせる

それぞれのお世話の仕方を詳しく解説します。

エサを与える

メンフクロウは、肉食の鳥類です。野生下では、小動物や虫などを捕食しますが、飼育下ではマウスやウズラを与えます。市販の鳥用のエサや加工された肉は、メンフクロウが体調を崩す可能性があるため、与えないようにしましょう。

マウスやウズラをそのまま丸呑みできる個体もいますが、基本的には細かくさばいて与えます。動物をさばくことになるため、動物をエサにすることに抵抗を感じる人やさばく作業ができない人は、メンフクロウの飼育は難しいかもしれません。

飼育スペースを掃除する

メンフクロウは、トイレを覚えません。そのため、メンフクロウの飼育スペースは、こまめに掃除して衛生的に保ちましょう。

係留飼育をしている場合は、止まり木の下にフンがたまりやすくなっています。止まり木の下に新聞紙やペットシートを敷くと掃除が楽になります。

また、換羽で抜けた羽根や粉が床に落ちていることがあります。メンフクロウを別室に移動させて、定期的に部屋全体も掃除しましょう。

水浴びさせる

メンフクロウは、定期的に水浴びをさせることで、体を清潔に保てます。水浴びの頻度は、週1~2回程度を目安にしてみてください。水浴びをする際には、霧吹きを使用してフクロウの体に水をかけてあげましょう。

メンフクロウの羽根は、尾脂腺から出る脂によって保護されています。お湯をかけると羽根をコーティングしている脂が落ちてしまうため、必ず常温の水を使用しましょう。

メンフクロウを飼育する際の注意点

メンフクロウを飼育する際の注意点

最後にメンフクロウを飼育する際の注意点を3つ紹介します。

  • 温度と湿度を管理する
  • 定期的にくちばしと爪のメンテナンスを行う
  • ロストを予防する

それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。

温度と湿度を管理する

メンフクロウは、人が適温と感じる温度・湿度で飼育する必要があります。寒さよりも暑さに弱いため、とくに夏場の室温には注意しましょう。

メンフクロウに最適な温度と湿度は、以下のとおりです。

季節 温度 湿度
23~26℃ 37~60%
18~22℃ 45~60%

定期的にくちばしと爪のメンテナンスを行う

メンフクロウのくちばしと爪は、人間の爪と同じように時間が経つと伸びてきます。そのため、定期的にくちばしと爪のメンテナンスが必要です。

メンテナンスをせずに爪が伸びてくると、止まり木に掴まることができなくなります。また、伸びすぎたくちばしは、嚙み合わせが悪くなるため、うまくエサが食べられない原因にもなります。

くちばしと爪のメンテナンスは、1ヵ月に1度を目安に行います。フクロウの保定(お手入れ時に動いたり暴れたりしないように固定すること)がうまくできない人は、動物病院やフクロウのブリーダーなどプロに依頼することをおすすめします。

ロストを予防する

ロストとは、室内での放鳥中にドアや窓から鳥を外に逃がしてしまうことを指します。とくに放し飼い飼育をしているフクロウに起こりやすい事故です。

飼育下のメンフクロウをロストしてしまった場合、自分でうまくエサをとれずに餓死する可能性が高くなります。また、一度外に出てしまったフクロウが、自宅まで戻ってくるケースは少ないでしょう。

メンフクロウの命を守るためにも、ロストの予防は不可欠です。部屋で放しているときには、ドアと窓を施錠し、メンフクロウから目を離さないようにしましょう。

まとめ:メンフクロウとの暮らしを始めよう

まとめ:メンフクロウとの暮らしを始めよう

メンフクロウは、穏やかで好奇心旺盛な性格です。飼い主が愛情を持ってお世話をしていれば、腕に乗せたり、頭を撫でたりできるようになり、ペットとしてよいパートナーになるでしょう。

メンフクロウの寿命は、約15年以上と長いため、最後まで責任を持ってお世話ができるか考えてからお迎えすることが大切です。

メンフクロウは、まだまだ珍しいペットです。この記事を参考に、必要な飼育用品や飼育方法を知り、メンフクロウの飼育を検討してみてください。



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